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第1章 洞窟出現編
42話 魔人グラウン
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ちょうどプランツがブラックと会っていた頃、グラウンとストームは洞窟のある岩山に着いたのだ。
プランツの話では、ブラックの部下が待っている可能性があるとのことだったが、辺りは静かだった。
人間の警備の者もいるはずなのにその者すらいなかったのだ。
「グラウン、誰もいないね。
プランツは考えすぎだよね。
だって、私たちがブラックに楯突くなんて誰も知らないじゃない。
でもここに人間はいるはずよねー。」
ストームの言う通り、考えすぎなのかもしれないが、誰もいないのがおかしいのだ。
もともと今回の計画に乗ってはみたものの、勝算が本当にあるのか疑問だったのだ。
確かに私もプランツやストームと同じで、身体を消滅させられて、長年人間の身体に入りながら生きながらえてきた。
そして今回復活出来たことが本当に喜びであった。
本来の自分の身体、能力を持つことがどんなに素晴らしいことか。
しかし、長年人間をやっていた事で、人間についても色々と知る事が出来たのだ。
魔人と違い、色々な努力や工夫をする事で問題を解決していく所などは、頭が下がるのだ。
特に最近までは自分の身体を使う仕事をしており、努力をして鍛える事で得られる達成感は素晴らしいことも実感していたのだ。
もちろん、人間が全て素晴らしいわけでは無いが、人間にも善人、悪人はいるわけで、それは魔人でも同じと思ったのだ。
500年もの間、復活できなかった事は不幸でもあり復讐にも値するかもしれないが、人間でいた事で得たものも沢山あったのである。
だからこそ、簡単に人間達を征服する事や、ブラックを裏切ることに疑問はあったのだ。
・・・だが、プランツは仲間なのだ。
500年以上前からの親友なのだ。
その友人が一緒に戦いたいというので有れば、それに答えてあげたいと思ったのだ。
だから、今回もしも敗北になったとしても、不満は無いのだ。
それにしても、静かすぎるのが気になるのだ。
辺りを目を凝らして見ると、目に見えているものが歪んでいるようにも感じたのだ。
もしかしたら・・・
目を閉じて精神を集中させると、近くに強力な2人の魔人の気配を感じたのだ。
しまった、なぜ気づかなかったのだろう。
これは、精神支配にかけられている。
偽物の映像を頭に送られている。
目を閉じたまま、気配のある方に魔力を貯めて衝撃波を送ったのだ。
その途端、パリンと割れたような音がして、目を開けると本来の様子が目に入ってきたのだ。
そこにはブラックの部下であるユークレイスとスピネルが洞窟の横でこちらを見て立っていたのだ。
危なかったのだ。
何も気づかず洞窟に向かっていれば、抵抗することなく捉えられるか攻撃を受けていただろう。
ユークレイスが精神に働きかける魔法が得意なのは知っていたが、以前は自分にかけれるほどのレベルの魔人では無かったはず。
この500年・・・長すぎたのかも知れない。
我々にとって魔人としての時間は止まっていたが、彼らは違うのだ。
私はまだ支配されているストームに思念で呼びかけた。
『ストーム、敵はいる。
集中して魔人の気配を探れ。
目に見えるものを信じるな。』
ストームは私の声に応え、目を閉じ精神を集中させた。
「すまない、グラウン。
まんまとかかってしまった。
もう大丈夫よ。」
やはり、簡単にはいかないな。
罠をかけて待ち構えていたとなると、プランツの真意はすでにブラックにわかっていたのだろう。
だが、ここでやめるわけにはいかないのだ。
「流石だな、ユークレイス。
はじめはわからなかったよ。」
「褒めていただきありがたいですね。
ですが、私もあなた方がいなくなった500年、遊んでいたわけではありませんから。
もう、格下では無いのですよ。
ですが、すぐに見破るとは。
油断は出来ませんね。」
ユークレイスは表情を変えずに答えた。
ストームにユークレイスの相手は無理だ。
この精神支配の魔法にレジストするにはかなりの魔力が必要だ。
ストームにはずっと維持する力はない。
かと言って、もう1人の魔人のスピネルが弱いわけではないのだ。
ただ、スピネルは広範囲に作用する魔法を得意としており、ストームも同じなわけで勝機が無いわけではないのだ。
私がユークレイスを倒すまで、ストームが時間を稼げばいいのだ。
その後2人で倒せば何とかなるかもしれない。
まあ、私がまず勝つのが必須であるのだが。
私たちと行動を共にしている魔人たちの精神支配も解かれたようで、その者たちにはストームを援護するように指示をだしたのだ。
「ストーム、スピネルを任せる。
・・・死ぬなよ。」
私はそう言い、地面に向けて魔力を注いだ。
私とユークレイスの周りを深い崖と高い岩山で囲んだのだ。
「わかってましたよ。
あなたの考える事はお見通しですから。」
魔力を他に使っている間は精神攻撃を上手くレジスト出来ないのだ。
すぐに跳ね除ける事は出来るが、考えを読まれてしまう。
読まれたところで、力で押し切ればいいだけなのだが。
「そうですね。力で押し切ればいいですが、今の私はそんなに簡単にはいきませんよ。」
私は主に物理的な攻撃がメインなのだ。
精神攻撃とは相性が悪いが、攻撃の威力は私のが上なのだ。
そう、当たればダメージを与えられるのだ。
・・・しかし当たらないのだ。
先読みされてしまうのだ。
私は崖や岩山で作った囲いを狭めた。
行動範囲を少なくする事で、攻撃が当たる確率を上げるためだ。
そして、上手く追い詰め、相手が防御する間も無く連続で攻撃を仕掛け、ユークレイスに衝撃波を与える事に成功したのだ。
よし。
上手く行った。
トドメを刺すために近寄った時、後ろから攻撃を受けたのである。
見ていた情景は歪み、いるはずのユークレイスが消え、振り向いた所に存在したのだ。
瞬時に移動した?
いや、違う。
・・・ああ、最後にまたかかってしまったのか。
自分が思う映像を見せられていたのだな。
ストームすまない・・・
私の意識は途絶えたのだ。
プランツの話では、ブラックの部下が待っている可能性があるとのことだったが、辺りは静かだった。
人間の警備の者もいるはずなのにその者すらいなかったのだ。
「グラウン、誰もいないね。
プランツは考えすぎだよね。
だって、私たちがブラックに楯突くなんて誰も知らないじゃない。
でもここに人間はいるはずよねー。」
ストームの言う通り、考えすぎなのかもしれないが、誰もいないのがおかしいのだ。
もともと今回の計画に乗ってはみたものの、勝算が本当にあるのか疑問だったのだ。
確かに私もプランツやストームと同じで、身体を消滅させられて、長年人間の身体に入りながら生きながらえてきた。
そして今回復活出来たことが本当に喜びであった。
本来の自分の身体、能力を持つことがどんなに素晴らしいことか。
しかし、長年人間をやっていた事で、人間についても色々と知る事が出来たのだ。
魔人と違い、色々な努力や工夫をする事で問題を解決していく所などは、頭が下がるのだ。
特に最近までは自分の身体を使う仕事をしており、努力をして鍛える事で得られる達成感は素晴らしいことも実感していたのだ。
もちろん、人間が全て素晴らしいわけでは無いが、人間にも善人、悪人はいるわけで、それは魔人でも同じと思ったのだ。
500年もの間、復活できなかった事は不幸でもあり復讐にも値するかもしれないが、人間でいた事で得たものも沢山あったのである。
だからこそ、簡単に人間達を征服する事や、ブラックを裏切ることに疑問はあったのだ。
・・・だが、プランツは仲間なのだ。
500年以上前からの親友なのだ。
その友人が一緒に戦いたいというので有れば、それに答えてあげたいと思ったのだ。
だから、今回もしも敗北になったとしても、不満は無いのだ。
それにしても、静かすぎるのが気になるのだ。
辺りを目を凝らして見ると、目に見えているものが歪んでいるようにも感じたのだ。
もしかしたら・・・
目を閉じて精神を集中させると、近くに強力な2人の魔人の気配を感じたのだ。
しまった、なぜ気づかなかったのだろう。
これは、精神支配にかけられている。
偽物の映像を頭に送られている。
目を閉じたまま、気配のある方に魔力を貯めて衝撃波を送ったのだ。
その途端、パリンと割れたような音がして、目を開けると本来の様子が目に入ってきたのだ。
そこにはブラックの部下であるユークレイスとスピネルが洞窟の横でこちらを見て立っていたのだ。
危なかったのだ。
何も気づかず洞窟に向かっていれば、抵抗することなく捉えられるか攻撃を受けていただろう。
ユークレイスが精神に働きかける魔法が得意なのは知っていたが、以前は自分にかけれるほどのレベルの魔人では無かったはず。
この500年・・・長すぎたのかも知れない。
我々にとって魔人としての時間は止まっていたが、彼らは違うのだ。
私はまだ支配されているストームに思念で呼びかけた。
『ストーム、敵はいる。
集中して魔人の気配を探れ。
目に見えるものを信じるな。』
ストームは私の声に応え、目を閉じ精神を集中させた。
「すまない、グラウン。
まんまとかかってしまった。
もう大丈夫よ。」
やはり、簡単にはいかないな。
罠をかけて待ち構えていたとなると、プランツの真意はすでにブラックにわかっていたのだろう。
だが、ここでやめるわけにはいかないのだ。
「流石だな、ユークレイス。
はじめはわからなかったよ。」
「褒めていただきありがたいですね。
ですが、私もあなた方がいなくなった500年、遊んでいたわけではありませんから。
もう、格下では無いのですよ。
ですが、すぐに見破るとは。
油断は出来ませんね。」
ユークレイスは表情を変えずに答えた。
ストームにユークレイスの相手は無理だ。
この精神支配の魔法にレジストするにはかなりの魔力が必要だ。
ストームにはずっと維持する力はない。
かと言って、もう1人の魔人のスピネルが弱いわけではないのだ。
ただ、スピネルは広範囲に作用する魔法を得意としており、ストームも同じなわけで勝機が無いわけではないのだ。
私がユークレイスを倒すまで、ストームが時間を稼げばいいのだ。
その後2人で倒せば何とかなるかもしれない。
まあ、私がまず勝つのが必須であるのだが。
私たちと行動を共にしている魔人たちの精神支配も解かれたようで、その者たちにはストームを援護するように指示をだしたのだ。
「ストーム、スピネルを任せる。
・・・死ぬなよ。」
私はそう言い、地面に向けて魔力を注いだ。
私とユークレイスの周りを深い崖と高い岩山で囲んだのだ。
「わかってましたよ。
あなたの考える事はお見通しですから。」
魔力を他に使っている間は精神攻撃を上手くレジスト出来ないのだ。
すぐに跳ね除ける事は出来るが、考えを読まれてしまう。
読まれたところで、力で押し切ればいいだけなのだが。
「そうですね。力で押し切ればいいですが、今の私はそんなに簡単にはいきませんよ。」
私は主に物理的な攻撃がメインなのだ。
精神攻撃とは相性が悪いが、攻撃の威力は私のが上なのだ。
そう、当たればダメージを与えられるのだ。
・・・しかし当たらないのだ。
先読みされてしまうのだ。
私は崖や岩山で作った囲いを狭めた。
行動範囲を少なくする事で、攻撃が当たる確率を上げるためだ。
そして、上手く追い詰め、相手が防御する間も無く連続で攻撃を仕掛け、ユークレイスに衝撃波を与える事に成功したのだ。
よし。
上手く行った。
トドメを刺すために近寄った時、後ろから攻撃を受けたのである。
見ていた情景は歪み、いるはずのユークレイスが消え、振り向いた所に存在したのだ。
瞬時に移動した?
いや、違う。
・・・ああ、最後にまたかかってしまったのか。
自分が思う映像を見せられていたのだな。
ストームすまない・・・
私の意識は途絶えたのだ。
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