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第3章 翼国編
74話 黒翼人の城
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アクアとスピネルは初めて見る世界に興奮していた。
何故なら空中都市のように、地面から生えている大きな木の上に街が出来ていたのだ。
正直、飛ぶことが出来ないものにとっては驚異かもしれないが、2人にとっては問題ないのだ。
一瞬、ここにきた理由を忘れそうになる2人であった。
「舞を探さないとね。」
スピネルはアクアに言いながら、自分自身にも言い聞かせたのだ。
アクアの目で、街中を良くみてもらうと、やはり黒い翼を持つ者の街なので、簡単に動く事は出来なかった。
スピネルは翼が無いわけだし、翼があるアクアでもドラゴンの翼ではすぐにこの国の者では無いことが分かってしまうのだ。
「さて、どうやって探そう。」
スピネルが考えていると、アクアは不思議な顔をしたのだ。
「スピネル、私と舞はブラックの石で繋がっているのだぞ。
同じ世界にいれば、すぐにどこにいるかはわかるから心配するな。」
そう言って、スピネルの背中を叩いて笑ったのだ。
アクアは目をつぶり、舞の居所を探ったのだ。
額にある宝石のような石が光ると、舞の居場所がすぐにわかったようなのだ。
「ああ、あの一番大きな建物の中にいるぞ。
すぐに迎えに行こう。
あんな建物など、私の炎で焼き尽くせばいいのだよ。」
アクアがそのまま飛び立とうとしたので、急いでスピネルは止めたのだ。
「ちょっと、待ってアクア。
このままではダメだよ。
舞がなぜここにきたかもわからないし、私達が動く事で迷惑をかけることがあるかもしれない。
そっと、探ることにしよう。」
「そうか、わかったぞ。いざという時に登場するのが良いのだな。
まあ、我らがいればいつでも助ける事は出来るからな。」
アクアは久しぶりに戦うことができるのではと、楽しみにしていたのだ。
そんな無鉄砲なアクアだったため、スピネルはいつもより自分がしっかりしなくてはと思ったのだ。
とりあえず、暗くなるのを待って行動する事にしたのだ。
そうすれば、翼が違ったり無いことも簡単にはわからないはずなのだ。
その間にアクアの目で隅々まで街の様子を見てもらったのだ。
街中の人々は翼がある事くらいの違いで、人間の国や魔人の国とも大きくは変わらなかったのだ。
舞がいると思われる高い建物は城のようで、入り口には兵士が数名警備していたのだ。
アクアの話だと舞は建物の上の方に気配があるようで、屋上のようなところから入る事が出来るかと思ったが、下よりも上の方が警備が厳重になっているらしい。
下には入口に今は2名の兵士がいるだけなのに、上には数十人の兵士がおり、警備というよりそこで訓練などが行われているようなのだ。
そう考えると、問題を起こさず入るには下からがベストであった。
「しょうがない。下から上がっていく事にしよう。
アクアは私の指示通り動いてね。」
暗くなり、二人は行動を始めたのだ。
その建物の前の通りは、暗くなってからはほとんど歩く者が無かった。
やはり、関係のない者は近付き難いところのようなのだ。
しかし二人にとっては好都合だった。
スピネルは左手をその兵士達に向け、強い風を起こしたのだ。
翼を持つ者は風の影響を受けやすい様で、兵士達は驚いて10メートルくらい飛ばされたのだ。
その隙に二人は建物の中に侵入したのだ。
飛ばされた兵士達は何が起きたのだろうと驚いていてはいたが、突風が吹いただけだろうと、あまり気にする事はなかったのだ。
建物に入った二人は驚いたのだ。
中はとても豪華で綺麗な仕様になっており、正直魔人の城よりも素敵に見えたのだ。
数名の者が歩いてはいたが、問題なく中を移動できる状況だった。
まあ、翼以外の風貌はあまり変わりが無いわけで、遠くからならそれほど目を引く事はなかった様だ。
「アクア、我らの城もブラックに言ってもっと豪華にしてもらおうよ。
ここはやっぱりこの国の城のようだね。」
「そうだな。
私も来たことだし、元の姿でも動ける場所を多く作ってもらいたいぞ。」
二人はこの城を見て、羨ましく思ったのだ。
魔人の城はとても機能的であり良いのだが、豪華さに欠けていたのだ。
ブラックがそう言う事を求めていないせいでもあるが、スピネルは派手なものが好きだったので物足りないと感じていたのだ。
そんな話をしながら上を目指した。
途中、城の兵士や仕えている者に遭遇しそうになったが、それほど脅威になる者では無く、上手く隠れながら行くことが出来たのだ。
翼を持つ者達にとっては、不審な者が下から歩いて来るなど、想像することが無いからかもしれない。
階段以外に吹き抜けもあり、一気に上まで上がれるのだがそれでは目立ち過ぎるので、一歩一歩歩いて行く事にしたのだ。
アクアはそれについてブツブツ言っていたが、今我らの存在がバレてはいざと言うときの助けにならないので、スピネルは言う事を聞くよう促した。
歩いていてわかったのだが、ある一定以上の高さになると建物の内装が段々質素になっていったのだ。
舞の気配をアクアに探ってもらうとやはり、もう少し上にいるらしい。
「何で舞がこんなところにいるのだ?
下にいるならともかく、この辺りでは良い扱いを受けてるとは言えないぞ。」
アクアはイライラしながらスピネルに訴えたのだ。
スピネルも確かに思ったのだ。
どんどん建物は質素な作りとなり、もっと上の方は魔人の城で言う地下牢のような気配を感じたのだ。
舞はこの辺りにいると言う事は、拘束されているのが明らかだった。
これをブラックが知ったらと思うと、少し身震いがした。
穏便に済ませるためにも、我らが問題なく舞を救い出すことが良いと思ったのだ。
そして、アクアが舞のいる階層を突き止めたので、部屋を確かめようと廊下に進んだときである。
その前方にはやはり黒い翼を持っているが、二人より数倍身体の大きく、大きな剣を持っている者が立っていたのだ。
これは、ごまかせない。
スピネルは戦闘は避けられないと思ったのだ。
何故なら空中都市のように、地面から生えている大きな木の上に街が出来ていたのだ。
正直、飛ぶことが出来ないものにとっては驚異かもしれないが、2人にとっては問題ないのだ。
一瞬、ここにきた理由を忘れそうになる2人であった。
「舞を探さないとね。」
スピネルはアクアに言いながら、自分自身にも言い聞かせたのだ。
アクアの目で、街中を良くみてもらうと、やはり黒い翼を持つ者の街なので、簡単に動く事は出来なかった。
スピネルは翼が無いわけだし、翼があるアクアでもドラゴンの翼ではすぐにこの国の者では無いことが分かってしまうのだ。
「さて、どうやって探そう。」
スピネルが考えていると、アクアは不思議な顔をしたのだ。
「スピネル、私と舞はブラックの石で繋がっているのだぞ。
同じ世界にいれば、すぐにどこにいるかはわかるから心配するな。」
そう言って、スピネルの背中を叩いて笑ったのだ。
アクアは目をつぶり、舞の居所を探ったのだ。
額にある宝石のような石が光ると、舞の居場所がすぐにわかったようなのだ。
「ああ、あの一番大きな建物の中にいるぞ。
すぐに迎えに行こう。
あんな建物など、私の炎で焼き尽くせばいいのだよ。」
アクアがそのまま飛び立とうとしたので、急いでスピネルは止めたのだ。
「ちょっと、待ってアクア。
このままではダメだよ。
舞がなぜここにきたかもわからないし、私達が動く事で迷惑をかけることがあるかもしれない。
そっと、探ることにしよう。」
「そうか、わかったぞ。いざという時に登場するのが良いのだな。
まあ、我らがいればいつでも助ける事は出来るからな。」
アクアは久しぶりに戦うことができるのではと、楽しみにしていたのだ。
そんな無鉄砲なアクアだったため、スピネルはいつもより自分がしっかりしなくてはと思ったのだ。
とりあえず、暗くなるのを待って行動する事にしたのだ。
そうすれば、翼が違ったり無いことも簡単にはわからないはずなのだ。
その間にアクアの目で隅々まで街の様子を見てもらったのだ。
街中の人々は翼がある事くらいの違いで、人間の国や魔人の国とも大きくは変わらなかったのだ。
舞がいると思われる高い建物は城のようで、入り口には兵士が数名警備していたのだ。
アクアの話だと舞は建物の上の方に気配があるようで、屋上のようなところから入る事が出来るかと思ったが、下よりも上の方が警備が厳重になっているらしい。
下には入口に今は2名の兵士がいるだけなのに、上には数十人の兵士がおり、警備というよりそこで訓練などが行われているようなのだ。
そう考えると、問題を起こさず入るには下からがベストであった。
「しょうがない。下から上がっていく事にしよう。
アクアは私の指示通り動いてね。」
暗くなり、二人は行動を始めたのだ。
その建物の前の通りは、暗くなってからはほとんど歩く者が無かった。
やはり、関係のない者は近付き難いところのようなのだ。
しかし二人にとっては好都合だった。
スピネルは左手をその兵士達に向け、強い風を起こしたのだ。
翼を持つ者は風の影響を受けやすい様で、兵士達は驚いて10メートルくらい飛ばされたのだ。
その隙に二人は建物の中に侵入したのだ。
飛ばされた兵士達は何が起きたのだろうと驚いていてはいたが、突風が吹いただけだろうと、あまり気にする事はなかったのだ。
建物に入った二人は驚いたのだ。
中はとても豪華で綺麗な仕様になっており、正直魔人の城よりも素敵に見えたのだ。
数名の者が歩いてはいたが、問題なく中を移動できる状況だった。
まあ、翼以外の風貌はあまり変わりが無いわけで、遠くからならそれほど目を引く事はなかった様だ。
「アクア、我らの城もブラックに言ってもっと豪華にしてもらおうよ。
ここはやっぱりこの国の城のようだね。」
「そうだな。
私も来たことだし、元の姿でも動ける場所を多く作ってもらいたいぞ。」
二人はこの城を見て、羨ましく思ったのだ。
魔人の城はとても機能的であり良いのだが、豪華さに欠けていたのだ。
ブラックがそう言う事を求めていないせいでもあるが、スピネルは派手なものが好きだったので物足りないと感じていたのだ。
そんな話をしながら上を目指した。
途中、城の兵士や仕えている者に遭遇しそうになったが、それほど脅威になる者では無く、上手く隠れながら行くことが出来たのだ。
翼を持つ者達にとっては、不審な者が下から歩いて来るなど、想像することが無いからかもしれない。
階段以外に吹き抜けもあり、一気に上まで上がれるのだがそれでは目立ち過ぎるので、一歩一歩歩いて行く事にしたのだ。
アクアはそれについてブツブツ言っていたが、今我らの存在がバレてはいざと言うときの助けにならないので、スピネルは言う事を聞くよう促した。
歩いていてわかったのだが、ある一定以上の高さになると建物の内装が段々質素になっていったのだ。
舞の気配をアクアに探ってもらうとやはり、もう少し上にいるらしい。
「何で舞がこんなところにいるのだ?
下にいるならともかく、この辺りでは良い扱いを受けてるとは言えないぞ。」
アクアはイライラしながらスピネルに訴えたのだ。
スピネルも確かに思ったのだ。
どんどん建物は質素な作りとなり、もっと上の方は魔人の城で言う地下牢のような気配を感じたのだ。
舞はこの辺りにいると言う事は、拘束されているのが明らかだった。
これをブラックが知ったらと思うと、少し身震いがした。
穏便に済ませるためにも、我らが問題なく舞を救い出すことが良いと思ったのだ。
そして、アクアが舞のいる階層を突き止めたので、部屋を確かめようと廊下に進んだときである。
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これは、ごまかせない。
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