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第3章 翼国編
84話 下の世界
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森の精霊の作った空間の中で、どうやってリオさんを陥れようとした者を探そうかとみんなで考えていた。
しかし、やはり私達だけでは情報を得ることが難しいので、ブロムと合流する事に決めたのだ。
さっきの吹き抜けの木の入り口に戻るわけにはいかないので、精霊に別の出口をお願いしたのだ。
多分、入り口の辺りは多数の兵士が集まっているはずなのだ。
しかし、この木は城の中を突き抜けているので、どの場所でも建物の中になってしまうという。
とりあえず、一番上の屋上を出口にしようと思ったが、アクア達の話では、そこには数十人の兵士がいると言うのだ。
困っていると、精霊が地下に空間がある事を教えてくれた。
この木の根っこの辺りにも部屋があるようで、そこになら出口を作れるらしい。
上に比べたら、兵士の数は少ないだろうから、地下に出口を作ってもらう事にしたのだ。
「舞、気をつけて下さいね。
もう私を呼ぶ事はできないのですから。」
精霊は心配そうな顔をした。
「我らがついているから大丈夫だぞ。
心配する必要は無い。」
アクアはそう言って、スピネルの肩を叩いた。
精霊は苦笑いをして、出口を作り出した。
そして私達は、出口につながる短いトンネルを抜け、この異空間から地下に移動したのだ。
トンネルを抜けて出たところは、暗い部屋の中だった。
暗いながらも、私とアクアの石が怪しげに光っていて、辺りを照らしていた。
そこには人影はなく、色々な絵が置かれており、アトリエのようにみえたのだ。
一枚の大きな絵を見ると、とても綺麗な女性が微笑んでいるものだった。
ただ、それ以外の絵は色やタッチを見ても、恐ろしい姿の者や、暗く絶望的な雰囲気の人物など、お世辞にも素敵な絵とは言えないものが、床に散乱していたのだ。
奥の方に行くと、また違うタッチの絵が置かれていた。
よく見ると、どこかで見た事がある風景なのだ。
「これは、僕たちの国にある湖だよ。
古い絵だけど、わかるよ。
色々な場所が描かれているけど、全て湖のほとりに違いないよ。」
スピネルが何枚かの絵を見ては、興奮気味に話した。
アクアはまだ魔人の国に来たばかりなので、全くピンと来なかったようだ。
だが、確かに私もブロムと一緒に飛んだ湖と同じ雰囲気の絵である感じはしたのだ。
なぜ、魔人の国の風景の絵がここにあるのだろう。
たしかに、黒翼人が来ていたようだが、そんなのんびりと絵を描く余裕があったのだろうか。
半日もすれば体調を崩す世界に、あえて絵を描くために何回も来るだろうか。
この絵がある事が不自然に感じたのだ。
とりあえず、私達はその部屋を出て階上に出る事を考えた。
ここは建物の間に太い根が複雑に入り込んだ、不思議な構造になっていた。
つまり、建物と木が一体化しているようであったのだ。
少し歩くと古びたドアを見つける事が出来た。
そこから建物の外に出れそうだったが、ここは地下のはずなのだ。
ドアの先がどうなってるか少し心配ではあったが、ドアがあるくらいなのだから、出入り出来る場所なのだろうと深く考えずに開けたのだ。
しばらく使われていなかったようで、ギーっと嫌な音を立ててドアが開いたのだ。
すると、そこは地下という感じではなく、深く暗い森が広がっていたのだ。
見上げるとかなりの高さまで太い木がそびえており、地上を見ることは出来なかった。
かろうじて少しだけ光が洩れる程度であったのだ。
ここはもしかしたら、あの黒翼人達の街が存在する大きな木の根元なのかもしれない。
上からは下が全く見えなかったが、きっとここに違いないと思った。
「すごいな。
ここは全てが巨大で面白いぞ。」
アクアがそう言うのも無理がないのだ。
ここにある植物は木だけでなく、草や苔なども巨大で見たこともないものばかりであった。
ここから上にある街に二人に飛んでもらい、戻ろうと思った時、二人を見ると顔つきが変わっていたのだ。
二人ともある一点を見ていたのだ。
私も同じ方向を見ると、魔人でない私でも何やら嫌な気配を感じたのだ。
そしてだんだんと草木を踏み潰すような音が聞こえて来たのだ。
はじめは一箇所だったが、色々な方向からその音が聞こえて来たのだ。
どうも、私達の周りに集まって来ているようなのだ。
「舞、ちょっと気持ち悪いものが近づいてくるぞ。」
アクアは遠くまで見通せる目を持っていたので、すでにその姿を確認していたようだ。
私がその姿が見えるくらいまで、それが近づいて来た時私は絶句したのだ。
「・・・ありえない。」
それは私が大嫌いなものと同じ形をしていたのだ。
もちろん、それは私の世界で見るものと違い、とても巨大なのだ。
そう、あのツルツルした表面、うねる動き、沢山の足、そしてあの太さ、私の大嫌いなイモムシと同じ形態のものが近寄って来ていたのだ。
私はアクアにつかまりながら、立っているのがやっとであった。
あっという間にイモムシの大群に周囲を囲まれ、建物の中に戻るのすら簡単では無くなっていた。
とにかく、私はそれを正視する事が出来なかった。
アクアにつかまりながら、下を向くしかなかった。
そして、イモムシ達は白い糸のようなものを吐き出し、私達を捕まえようとしたのだ。
スピネルはその瞬間丸いドームを作り出し私達を囲んだのだ。
その巨大なイモムシ達は糸を吐き出し続け、スピネルが作ったドームを白い繭のように作り出したのだ。
しかし、スピネルが指をパチンと叩くと、ドームの表面が炎で囲まれ、白い糸を全て燃やしたのだ。
それを見たイモムシ達は動きを止めたのだ。
このイモムシ達に知能がどのくらいあるか不明だが、こちらを警戒し始めたのだ。
このままどこかに消えてくれれば良いと思ったのだが、簡単には撤退してくれなかったのだ。
しかし、やはり私達だけでは情報を得ることが難しいので、ブロムと合流する事に決めたのだ。
さっきの吹き抜けの木の入り口に戻るわけにはいかないので、精霊に別の出口をお願いしたのだ。
多分、入り口の辺りは多数の兵士が集まっているはずなのだ。
しかし、この木は城の中を突き抜けているので、どの場所でも建物の中になってしまうという。
とりあえず、一番上の屋上を出口にしようと思ったが、アクア達の話では、そこには数十人の兵士がいると言うのだ。
困っていると、精霊が地下に空間がある事を教えてくれた。
この木の根っこの辺りにも部屋があるようで、そこになら出口を作れるらしい。
上に比べたら、兵士の数は少ないだろうから、地下に出口を作ってもらう事にしたのだ。
「舞、気をつけて下さいね。
もう私を呼ぶ事はできないのですから。」
精霊は心配そうな顔をした。
「我らがついているから大丈夫だぞ。
心配する必要は無い。」
アクアはそう言って、スピネルの肩を叩いた。
精霊は苦笑いをして、出口を作り出した。
そして私達は、出口につながる短いトンネルを抜け、この異空間から地下に移動したのだ。
トンネルを抜けて出たところは、暗い部屋の中だった。
暗いながらも、私とアクアの石が怪しげに光っていて、辺りを照らしていた。
そこには人影はなく、色々な絵が置かれており、アトリエのようにみえたのだ。
一枚の大きな絵を見ると、とても綺麗な女性が微笑んでいるものだった。
ただ、それ以外の絵は色やタッチを見ても、恐ろしい姿の者や、暗く絶望的な雰囲気の人物など、お世辞にも素敵な絵とは言えないものが、床に散乱していたのだ。
奥の方に行くと、また違うタッチの絵が置かれていた。
よく見ると、どこかで見た事がある風景なのだ。
「これは、僕たちの国にある湖だよ。
古い絵だけど、わかるよ。
色々な場所が描かれているけど、全て湖のほとりに違いないよ。」
スピネルが何枚かの絵を見ては、興奮気味に話した。
アクアはまだ魔人の国に来たばかりなので、全くピンと来なかったようだ。
だが、確かに私もブロムと一緒に飛んだ湖と同じ雰囲気の絵である感じはしたのだ。
なぜ、魔人の国の風景の絵がここにあるのだろう。
たしかに、黒翼人が来ていたようだが、そんなのんびりと絵を描く余裕があったのだろうか。
半日もすれば体調を崩す世界に、あえて絵を描くために何回も来るだろうか。
この絵がある事が不自然に感じたのだ。
とりあえず、私達はその部屋を出て階上に出る事を考えた。
ここは建物の間に太い根が複雑に入り込んだ、不思議な構造になっていた。
つまり、建物と木が一体化しているようであったのだ。
少し歩くと古びたドアを見つける事が出来た。
そこから建物の外に出れそうだったが、ここは地下のはずなのだ。
ドアの先がどうなってるか少し心配ではあったが、ドアがあるくらいなのだから、出入り出来る場所なのだろうと深く考えずに開けたのだ。
しばらく使われていなかったようで、ギーっと嫌な音を立ててドアが開いたのだ。
すると、そこは地下という感じではなく、深く暗い森が広がっていたのだ。
見上げるとかなりの高さまで太い木がそびえており、地上を見ることは出来なかった。
かろうじて少しだけ光が洩れる程度であったのだ。
ここはもしかしたら、あの黒翼人達の街が存在する大きな木の根元なのかもしれない。
上からは下が全く見えなかったが、きっとここに違いないと思った。
「すごいな。
ここは全てが巨大で面白いぞ。」
アクアがそう言うのも無理がないのだ。
ここにある植物は木だけでなく、草や苔なども巨大で見たこともないものばかりであった。
ここから上にある街に二人に飛んでもらい、戻ろうと思った時、二人を見ると顔つきが変わっていたのだ。
二人ともある一点を見ていたのだ。
私も同じ方向を見ると、魔人でない私でも何やら嫌な気配を感じたのだ。
そしてだんだんと草木を踏み潰すような音が聞こえて来たのだ。
はじめは一箇所だったが、色々な方向からその音が聞こえて来たのだ。
どうも、私達の周りに集まって来ているようなのだ。
「舞、ちょっと気持ち悪いものが近づいてくるぞ。」
アクアは遠くまで見通せる目を持っていたので、すでにその姿を確認していたようだ。
私がその姿が見えるくらいまで、それが近づいて来た時私は絶句したのだ。
「・・・ありえない。」
それは私が大嫌いなものと同じ形をしていたのだ。
もちろん、それは私の世界で見るものと違い、とても巨大なのだ。
そう、あのツルツルした表面、うねる動き、沢山の足、そしてあの太さ、私の大嫌いなイモムシと同じ形態のものが近寄って来ていたのだ。
私はアクアにつかまりながら、立っているのがやっとであった。
あっという間にイモムシの大群に周囲を囲まれ、建物の中に戻るのすら簡単では無くなっていた。
とにかく、私はそれを正視する事が出来なかった。
アクアにつかまりながら、下を向くしかなかった。
そして、イモムシ達は白い糸のようなものを吐き出し、私達を捕まえようとしたのだ。
スピネルはその瞬間丸いドームを作り出し私達を囲んだのだ。
その巨大なイモムシ達は糸を吐き出し続け、スピネルが作ったドームを白い繭のように作り出したのだ。
しかし、スピネルが指をパチンと叩くと、ドームの表面が炎で囲まれ、白い糸を全て燃やしたのだ。
それを見たイモムシ達は動きを止めたのだ。
このイモムシ達に知能がどのくらいあるか不明だが、こちらを警戒し始めたのだ。
このままどこかに消えてくれれば良いと思ったのだが、簡単には撤退してくれなかったのだ。
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