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第4章 火山のドラゴン編
107話 岩山
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サイレイ王国の城では薬師達や軍幹部達がオウギ王のもとに集まっていた。
昨夜の地震と岩山の噴火での被害について、話し合いがもたれていたのだ。
早速、軍部のシウン大将が被害の報告をまとめ、オウギ王に説明を始めたのだ。
「事態は深刻です。
噴石による家屋の倒壊、それによる火災など、岩山に近い街ではかなりの被害が出ております。
現在城のシェルターを開放し、多くの住民が避難している状況です。
人的被害は多くなかったのが幸いですが。」
「なるほど。
シウン、住民には最大限の支援を行うようにしてほしい。
地震はあれから起きてないが、岩山の様子はいかがなものか?」
オウギ王は資料から目を離し、深刻な顔でシウン大将を見て聞いたのだ。
「噴石や灰などはもう降ってきてはいないようで、収束に向かっていると思われます。
ただ・・・」
シウン大将が口ごもると、現在薬師の取りまとめに戻ったヨクが尋ねたのだ。
「何か気になることがあるのですかのう?」
「大した根拠は無いのですが・・・
今回の岩山の噴火はただの火山活動では無い気がするのです。
確かに噴石や火山灰は降ってきていましたが、火砕流や溶岩などが出る事はありませんでした。
そう言う場合もあるのでしょうが、すでに噴煙も出ておりません。
何か別のことが要因では無いかと・・・
私の想像でしか無いのですが。」
「ふむ。
オウギ様、王家では昔の火山の爆発について書かれている書物や、言い伝えられている事などございますかな?」
ヨクはシウン大将の話を聞き、王家に伝えられている話が無いか、確認したかった。
「私も色々調べておいたのだが、特にそのような記載がある書物は見つからなかった。
噴火したと言う話すら無かったのだ。
シウンが言う通り、調べた方がいいかもしれん。
・・・やはり、あの方に話を聞くべきだな。
もともとあの岩山は我々が入れるような場所ではないのだから。」
そこにいる誰もが、王の言う通りだと思ったのだ。
もともと、あの岩山は魔人の国の領土なのだ。
魔人の王なら、何か知っていることがあるかも知れないと、思ったのだ。
オウギ王は急いで魔人の王に向けて手紙を書き、シウンに届けるよう指示をしたのだ。
「そう言えば、カクがいないようだがどうした?」
オウギ王が辺りを見回しヨクに確認したのだ。
「はあ、実は今回の事で少し怪我をしまして。
ああ、擦り傷なので身体は問題は無いのですが、今日は休ませております。」
「そうか、大事に至ってないならよかった。
他の者も、まだどうなるかわからない状況なので、各自気を付けてほしい。」
実はカクは確かに擦り傷を負った程度で、怪我の具合は大した事がなかった。
しかし家の薬草庫を見て、心のダメージが大きかったのだ。
いつ全壊するかわからないので、中に入る事は危険であった。
そのため、秘密の扉が無事かも確認する事は出来なかったのだ。
それに、魔法陣はカクの目の前で燃えてしまったのだ。
もう、舞に会う事は出来ないと思うと、カクは仕事どころでは無かったのだ。
オウギ王と薬師達はその後も話し合いを続け、今後の対策を練っていた。
まずはシェルターにいる怪我人の治療、今後の住む場所など考えなければならない事が多かった。
そして、軍部には魔人の手を借りて、岩山の調査をする方向で話は進められたのだ。
○
○
○
魔人の城では、王であるブラックは退屈していたのだ。
色々とやる事はあったが、数ヶ月もするとまたいつもの平穏な世界となったのだ。
クロルの時に再度現れた黒い影については、この世界を捜索したが見つけることが出来なかったのだ。
引き続き警戒を怠らないようにし、捜索は終了となった。
黒翼人の国とはブロムを窓口とし、今後国交などを結ぶ事も考えられているが、黒翼人が長時間この世界に居られないため、大きな変化はまだ無い状態であった。
ブラックはネフライトに言われるがまま、王としての執務をこなしていただけなので、本当につまらなかったのだ。
舞が帰ってから三ヶ月くらいたっていた。
退屈の1番の原因は舞がいない事なのが、ブラックはよくわかっていたのだ。
舞に渡した指輪と同じ指輪をはめている右手を見ると、余計気分が憂鬱になったのだ。
もう少しこの世界に居て貰えば良かったとは思うのだが、舞自身の世界があるのだ。
自分が会いたいからと、そう簡単に呼ぶわけにはいかないとはわかっているのだ。
ただ、舞といると純粋に楽しかったのだ。
ハナを無くしてからの自分の白黒な世界が、舞いに会ったことで色鮮やかな世界に変わったのだ。
ずっとその世界の中に居たいと思うことは、ワガママな事なのだろうか。
そんな事は考えていた時、ドアがノックされて、トルマが執務室に現れた。
「失礼します。
人間のサイレイ国のシウン殿がいらっしゃいました。
何やら、向こうの世界で問題が起きたようで、王からの手紙をブラック様にと頼まれたようです。
お通ししてよろしいでしょうか?」
「ああ、もちろんです。
シウン殿に会うのも久しぶりですね。」
トルマは頷き、シウンを中に招き入れた。
シウンは軍人らしく、テキパキとした動きで挨拶をし、ブラックの前に手紙を差し出したのだ。
ブラックはすぐに手紙を読むと、顔をしかめたのだ。
「ブラック様、是非お力を借りたいと我が王が申しております。」
そう言って、シウンは頭を下げたのだ。
ブラックは退屈な日常から脱却したいとは思っていたが、この手紙に書いてある事が確かであるなら、退屈しのぎというレベルでは無く、かなりの難題になるだろうと思ったのだ。
それはかつて魔人の国にあった岩山の事であり、放っておく訳にはいかなかった。
「要件はわかりました。
準備出来次第、王のところに伺います。
シウン殿ご苦労様です。」
ブラックはそう言うと、トルマにアクアを呼ぶように伝えたのだ。
あの岩山はかつてドラゴンの民が住んでいた場所。
そう、アクアの故郷なのだ。
昨夜の地震と岩山の噴火での被害について、話し合いがもたれていたのだ。
早速、軍部のシウン大将が被害の報告をまとめ、オウギ王に説明を始めたのだ。
「事態は深刻です。
噴石による家屋の倒壊、それによる火災など、岩山に近い街ではかなりの被害が出ております。
現在城のシェルターを開放し、多くの住民が避難している状況です。
人的被害は多くなかったのが幸いですが。」
「なるほど。
シウン、住民には最大限の支援を行うようにしてほしい。
地震はあれから起きてないが、岩山の様子はいかがなものか?」
オウギ王は資料から目を離し、深刻な顔でシウン大将を見て聞いたのだ。
「噴石や灰などはもう降ってきてはいないようで、収束に向かっていると思われます。
ただ・・・」
シウン大将が口ごもると、現在薬師の取りまとめに戻ったヨクが尋ねたのだ。
「何か気になることがあるのですかのう?」
「大した根拠は無いのですが・・・
今回の岩山の噴火はただの火山活動では無い気がするのです。
確かに噴石や火山灰は降ってきていましたが、火砕流や溶岩などが出る事はありませんでした。
そう言う場合もあるのでしょうが、すでに噴煙も出ておりません。
何か別のことが要因では無いかと・・・
私の想像でしか無いのですが。」
「ふむ。
オウギ様、王家では昔の火山の爆発について書かれている書物や、言い伝えられている事などございますかな?」
ヨクはシウン大将の話を聞き、王家に伝えられている話が無いか、確認したかった。
「私も色々調べておいたのだが、特にそのような記載がある書物は見つからなかった。
噴火したと言う話すら無かったのだ。
シウンが言う通り、調べた方がいいかもしれん。
・・・やはり、あの方に話を聞くべきだな。
もともとあの岩山は我々が入れるような場所ではないのだから。」
そこにいる誰もが、王の言う通りだと思ったのだ。
もともと、あの岩山は魔人の国の領土なのだ。
魔人の王なら、何か知っていることがあるかも知れないと、思ったのだ。
オウギ王は急いで魔人の王に向けて手紙を書き、シウンに届けるよう指示をしたのだ。
「そう言えば、カクがいないようだがどうした?」
オウギ王が辺りを見回しヨクに確認したのだ。
「はあ、実は今回の事で少し怪我をしまして。
ああ、擦り傷なので身体は問題は無いのですが、今日は休ませております。」
「そうか、大事に至ってないならよかった。
他の者も、まだどうなるかわからない状況なので、各自気を付けてほしい。」
実はカクは確かに擦り傷を負った程度で、怪我の具合は大した事がなかった。
しかし家の薬草庫を見て、心のダメージが大きかったのだ。
いつ全壊するかわからないので、中に入る事は危険であった。
そのため、秘密の扉が無事かも確認する事は出来なかったのだ。
それに、魔法陣はカクの目の前で燃えてしまったのだ。
もう、舞に会う事は出来ないと思うと、カクは仕事どころでは無かったのだ。
オウギ王と薬師達はその後も話し合いを続け、今後の対策を練っていた。
まずはシェルターにいる怪我人の治療、今後の住む場所など考えなければならない事が多かった。
そして、軍部には魔人の手を借りて、岩山の調査をする方向で話は進められたのだ。
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魔人の城では、王であるブラックは退屈していたのだ。
色々とやる事はあったが、数ヶ月もするとまたいつもの平穏な世界となったのだ。
クロルの時に再度現れた黒い影については、この世界を捜索したが見つけることが出来なかったのだ。
引き続き警戒を怠らないようにし、捜索は終了となった。
黒翼人の国とはブロムを窓口とし、今後国交などを結ぶ事も考えられているが、黒翼人が長時間この世界に居られないため、大きな変化はまだ無い状態であった。
ブラックはネフライトに言われるがまま、王としての執務をこなしていただけなので、本当につまらなかったのだ。
舞が帰ってから三ヶ月くらいたっていた。
退屈の1番の原因は舞がいない事なのが、ブラックはよくわかっていたのだ。
舞に渡した指輪と同じ指輪をはめている右手を見ると、余計気分が憂鬱になったのだ。
もう少しこの世界に居て貰えば良かったとは思うのだが、舞自身の世界があるのだ。
自分が会いたいからと、そう簡単に呼ぶわけにはいかないとはわかっているのだ。
ただ、舞といると純粋に楽しかったのだ。
ハナを無くしてからの自分の白黒な世界が、舞いに会ったことで色鮮やかな世界に変わったのだ。
ずっとその世界の中に居たいと思うことは、ワガママな事なのだろうか。
そんな事は考えていた時、ドアがノックされて、トルマが執務室に現れた。
「失礼します。
人間のサイレイ国のシウン殿がいらっしゃいました。
何やら、向こうの世界で問題が起きたようで、王からの手紙をブラック様にと頼まれたようです。
お通ししてよろしいでしょうか?」
「ああ、もちろんです。
シウン殿に会うのも久しぶりですね。」
トルマは頷き、シウンを中に招き入れた。
シウンは軍人らしく、テキパキとした動きで挨拶をし、ブラックの前に手紙を差し出したのだ。
ブラックはすぐに手紙を読むと、顔をしかめたのだ。
「ブラック様、是非お力を借りたいと我が王が申しております。」
そう言って、シウンは頭を下げたのだ。
ブラックは退屈な日常から脱却したいとは思っていたが、この手紙に書いてある事が確かであるなら、退屈しのぎというレベルでは無く、かなりの難題になるだろうと思ったのだ。
それはかつて魔人の国にあった岩山の事であり、放っておく訳にはいかなかった。
「要件はわかりました。
準備出来次第、王のところに伺います。
シウン殿ご苦労様です。」
ブラックはそう言うと、トルマにアクアを呼ぶように伝えたのだ。
あの岩山はかつてドラゴンの民が住んでいた場所。
そう、アクアの故郷なのだ。
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