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第4章 火山のドラゴン編
110話 石を守る者
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私達がその洞窟に足を踏み入れた時、以前訪れた事があるような空間に感じたのだ。
「アクア、気をつけてください。
もう、何らかの者の領域に入ってますよ。」
「ブラック、わかっている。
心配するな。」
私が伝えると、先に進んでいるアクアは余裕の顔をして答えた。
ここは以前森の精霊により作られた空間と酷似していたのだ。
そう考えるとこの洞窟にも、精霊らしき者が存在すると言う事なのだろう。
だからこそ、その者の意思が介在し、石を持ち出す事が困難となっているのだろう。
洞窟を真っ直ぐに進むと明るく開けた場所に出た。
さっきまでの暗い場所とは違い、そこは照明があるかのような明るさだったのだ。
よく見ると丸い形はしているが、水晶のような綺麗な石が数多く存在しており、その光で辺りを照らしていたのだ。
「これだな。」
アクアは沢山ある綺麗な石の中から、躊躇なく光る石を一つ両手に持ったのだ。
よく見ると綺麗ではあるが、その石の中は白い渦を巻いているようにも見えたのだ。
「アクア、大丈夫か?」
スピネルが声をかけると問題ないとアクアは頷いたのだ。
そして両手で大事にその石を抱えて、また細い洞窟を出口に向けて歩き出そうとした時である。
アクアの動きが止まったのだ。
その綺麗な石を見ながら、何やら呟き出したのだ。
私はアクアに声をかけて揺さぶるが、こちらの声が聞こえてないようで、反応が無かったのだ。
アクアはまるでその石と対話しているようだった。
心配ではあったが、私達は少し様子を見ることにしたのだ。
だが、アクアの表情がだんだんと険しくなり、石を抱えたまま座り込んだのだ。
無理矢理アクアから石を取り上げようかとも考えた。
しかし、もしかするとアクアは何者かと精神の領域で会っているのかもしれないと思い、私達はアクアを信じて任せる事にしたのだ。
アクアのドラゴンを封印したいと言う強い気持ちがあれば、きっと問題ないと思ったのだ。
今は岩山のドラゴンの事に集中しなければ大変な事になると頭ではわかってはいたが、私には難しかったのだ。
アクアよりもずっと長く生きているにもかかわらず、私の方がアクアよりも自分の欲を抑えられず、この石に封印されそうな存在であると思ったのだ。
だから自分が代わることも出来ないし、やはり純粋なアクアに頑張ってもらわなければならないと思ったのだ。
もちろんスピネルはこの三人の中で一番強欲である事がわかっていたので、代われる存在ではなかった。
実はここに来る前に人間の城で舞のことを聞いたとき、私はとても狼狽えていたのだ。
岩山の事を考えようと言っておきながら、頭はどうすれば舞とのつながりが復活できるかを考えていたのだ。
私達には約束の指輪があるので、お互いが再会を望めば必ず会う事が出来る代物なのだ。
しかし、舞が再開を望まなかったり、指輪自体をはめていなかったら何の効果も無いのだ。
ただ、舞を守るお守りでもあると伝えたので、ずっと身につけていてくれると思いたかった。
カク達の家の焼けた薬草庫に行けば、転移の魔法陣を復活出来る手掛かりがあるかもしれない。
私はこの件が片付いたらすぐに行ってみる事にしようと思ったのだ。
その為にもドラゴンの復活を阻止し、この世界も平穏で無ければいけないと言う思いは強かったのだ。
自分のためと言うのが正直なところであり、石を問題なく持ち出せるような者では全く無いのだ。
アクアをしばらく見ていると、少しずつだが身体が透けてきているように見えたのだ。
「ブラック、アクアの身体をみて!」
スピネルは不安な顔をして叫んだのだ。
このままではアクアが封印されてしまうかもしれない。
そうなる前にどうにかしたいのだが、良い考えが浮かばなかった。
魔人の王と名乗っているのに、集中出来ない自分が情けなかったのだ。
「スピネル、後のことは頼みましたよ。」
私はそう言い、アクアの持っている水晶のような石に触れたのだ。
もしかしたら自分とアクアの二人なら何とかなるのではと思ったのだ。
アクアの接触している者が何者かわからなかったが、いざとなったらその者を消滅させれば、この石を持ち出す事ができるのではと思ったのだ。
運が悪ければ、二人とも封印されてしまうかもしれないが、薄くなっていくアクアを放っておくことは出来なかった。
「後のことって、何もわからないよ・・・」
スピネルの落胆した声を最後に、私の意識は別のところに移動していたのだ。
気付くと、白い何も無い空間にいたのだ。
そこにはアクアともう一人、予想通り精霊に近い存在の者が立っていたのだ。
見た目は女性にも見える色白の細く小柄な風貌であった。
その者は森の精霊と同じような光を放っていたが、それは暖かな光ではなく、冷たく痛いような光であったのだ。
そしてアクアは頭を抱えて座っていたのだ。
「アクアに何をしたのですか。」
アクアに駆け寄ると、何か自問自答しているようだった。
私はその精霊のような存在を睨みながら話したのだ。
「もう、ドラゴンの民はこの者しかいないのです。
アクアが未熟なのはわかりますが、ドラゴンの復活が近いのです。
どうか、この石を持ち出す事をお許しください。」
「私は何もしていませんよ。
ただ、一つ質問をしただけですよ。
それに答えてくれれば、今まで訪れた者達と同じに持って行って構わないですよ。」
その精霊らしき者は冷たく話し笑ったのだ。
「アクア、気をつけてください。
もう、何らかの者の領域に入ってますよ。」
「ブラック、わかっている。
心配するな。」
私が伝えると、先に進んでいるアクアは余裕の顔をして答えた。
ここは以前森の精霊により作られた空間と酷似していたのだ。
そう考えるとこの洞窟にも、精霊らしき者が存在すると言う事なのだろう。
だからこそ、その者の意思が介在し、石を持ち出す事が困難となっているのだろう。
洞窟を真っ直ぐに進むと明るく開けた場所に出た。
さっきまでの暗い場所とは違い、そこは照明があるかのような明るさだったのだ。
よく見ると丸い形はしているが、水晶のような綺麗な石が数多く存在しており、その光で辺りを照らしていたのだ。
「これだな。」
アクアは沢山ある綺麗な石の中から、躊躇なく光る石を一つ両手に持ったのだ。
よく見ると綺麗ではあるが、その石の中は白い渦を巻いているようにも見えたのだ。
「アクア、大丈夫か?」
スピネルが声をかけると問題ないとアクアは頷いたのだ。
そして両手で大事にその石を抱えて、また細い洞窟を出口に向けて歩き出そうとした時である。
アクアの動きが止まったのだ。
その綺麗な石を見ながら、何やら呟き出したのだ。
私はアクアに声をかけて揺さぶるが、こちらの声が聞こえてないようで、反応が無かったのだ。
アクアはまるでその石と対話しているようだった。
心配ではあったが、私達は少し様子を見ることにしたのだ。
だが、アクアの表情がだんだんと険しくなり、石を抱えたまま座り込んだのだ。
無理矢理アクアから石を取り上げようかとも考えた。
しかし、もしかするとアクアは何者かと精神の領域で会っているのかもしれないと思い、私達はアクアを信じて任せる事にしたのだ。
アクアのドラゴンを封印したいと言う強い気持ちがあれば、きっと問題ないと思ったのだ。
今は岩山のドラゴンの事に集中しなければ大変な事になると頭ではわかってはいたが、私には難しかったのだ。
アクアよりもずっと長く生きているにもかかわらず、私の方がアクアよりも自分の欲を抑えられず、この石に封印されそうな存在であると思ったのだ。
だから自分が代わることも出来ないし、やはり純粋なアクアに頑張ってもらわなければならないと思ったのだ。
もちろんスピネルはこの三人の中で一番強欲である事がわかっていたので、代われる存在ではなかった。
実はここに来る前に人間の城で舞のことを聞いたとき、私はとても狼狽えていたのだ。
岩山の事を考えようと言っておきながら、頭はどうすれば舞とのつながりが復活できるかを考えていたのだ。
私達には約束の指輪があるので、お互いが再会を望めば必ず会う事が出来る代物なのだ。
しかし、舞が再開を望まなかったり、指輪自体をはめていなかったら何の効果も無いのだ。
ただ、舞を守るお守りでもあると伝えたので、ずっと身につけていてくれると思いたかった。
カク達の家の焼けた薬草庫に行けば、転移の魔法陣を復活出来る手掛かりがあるかもしれない。
私はこの件が片付いたらすぐに行ってみる事にしようと思ったのだ。
その為にもドラゴンの復活を阻止し、この世界も平穏で無ければいけないと言う思いは強かったのだ。
自分のためと言うのが正直なところであり、石を問題なく持ち出せるような者では全く無いのだ。
アクアをしばらく見ていると、少しずつだが身体が透けてきているように見えたのだ。
「ブラック、アクアの身体をみて!」
スピネルは不安な顔をして叫んだのだ。
このままではアクアが封印されてしまうかもしれない。
そうなる前にどうにかしたいのだが、良い考えが浮かばなかった。
魔人の王と名乗っているのに、集中出来ない自分が情けなかったのだ。
「スピネル、後のことは頼みましたよ。」
私はそう言い、アクアの持っている水晶のような石に触れたのだ。
もしかしたら自分とアクアの二人なら何とかなるのではと思ったのだ。
アクアの接触している者が何者かわからなかったが、いざとなったらその者を消滅させれば、この石を持ち出す事ができるのではと思ったのだ。
運が悪ければ、二人とも封印されてしまうかもしれないが、薄くなっていくアクアを放っておくことは出来なかった。
「後のことって、何もわからないよ・・・」
スピネルの落胆した声を最後に、私の意識は別のところに移動していたのだ。
気付くと、白い何も無い空間にいたのだ。
そこにはアクアともう一人、予想通り精霊に近い存在の者が立っていたのだ。
見た目は女性にも見える色白の細く小柄な風貌であった。
その者は森の精霊と同じような光を放っていたが、それは暖かな光ではなく、冷たく痛いような光であったのだ。
そしてアクアは頭を抱えて座っていたのだ。
「アクアに何をしたのですか。」
アクアに駆け寄ると、何か自問自答しているようだった。
私はその精霊のような存在を睨みながら話したのだ。
「もう、ドラゴンの民はこの者しかいないのです。
アクアが未熟なのはわかりますが、ドラゴンの復活が近いのです。
どうか、この石を持ち出す事をお許しください。」
「私は何もしていませんよ。
ただ、一つ質問をしただけですよ。
それに答えてくれれば、今まで訪れた者達と同じに持って行って構わないですよ。」
その精霊らしき者は冷たく話し笑ったのだ。
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