112 / 181
第4章 火山のドラゴン編
112話 森への転移
しおりを挟む
ブラック達が岩山の洞窟に行く少し前の事である。
舞は自分の部屋で光の鉱石の粉末を頭上に投げ、光る霧が消えるのを待った。
すると見慣れた魔人の森の、大木のある広場に転移出来ていたのだ。
足元には舞の家にあった魔法陣の布よりも、10倍くらい大きな魔法陣が記されていたのだ。
それは地面に書かれていると言うわけでなく、精霊と同じような優しい光で複雑な魔法陣のラインや文字が作られているように見えたのだ。
興味深くその魔法陣を見ていると、いつの間にか目の前に精霊が立っていたのだ。
どうも青年の姿になった精霊を見ると、私は少し緊張してしまうのだ。
中身は今までと同じ精霊なのだが、見た目は透き通るような綺麗な顔立ちの青年であったのだ。
「舞、無事来れたのですね。
良かった。」
「ええ、本当にありがとう。
それにしても、あなたにはいつも驚かされるわ。
こんなすごい魔法陣を作る事が出来るなんて。
いつも助けられてばかりね。」
私がそう言うと、精霊は照れたように笑ったのだ。
その顔を見ると少年の姿の時と同じだったので、私はとても安心したのだ。
とにかく、私はカクの家に行く事を考えた。
転移出来なかった理由が一体何なのか、気になったのだ。
ブラックに会うことも考えたが、カク達が無事なのを確認してからにしようと思ったのだ。
そんな私を心配してか、精霊はまた一粒種をくれたのだ。
これで合計3粒になったのだ。
「何かあったら、すぐに私を呼んでください。
無茶はしてはダメですよ。」
精霊は私に種を渡すと、優しい光で包んでくれたのだ。
以前は私の方が、小さかった精霊の頭を撫でたり抱き締めたりしていたが、今は私よりも大きくなっていたので、立場が変わってしまっていたのだ。
私は森を抜け、転移の洞窟に急いだ。
洞窟に着くと、精霊が言っていたように人間の住む世界との行き来をする人達が以前より活発であったのだ。
その中に知っている顔をあった。
向こうも私に気付くと声をかけてきたのだ。
「これは舞殿では無いですか?
いつからこちらに。
今ブラック様は人間の王に会いに行っておりますよ。
今回は色々大変ですな・・・」
そこではネフライトがテキパキと洞窟を行き交う人たちに指示を出していたのだ。
私は人間の世界で何かあったのか聞いてみたのだ。
すると、どうやら人間の世界で火山の噴火があったと言うのだ。
そのため、人間の生活に支障が出ていることから、こちらの世界から必要な物をブラックの指示のもと送っている状況とのことなのだ。
そんな火山などあっただろうか?
私には思い当たる山がなかった。
もしかしたらその影響でカク達と連絡が取れないのかもと思い、急ぎカクのお屋敷に向かおうとした。
するとネフライトは今は安全とは言えない状況なので、ちょうど人間の城に向かうユークレイスと一緒に行くようにと言ってくれたのだ。
「舞殿、お久しぶりです。」
青い鋭い目を持つユークレイスが声をかけてきたのだ。
普段から冷静であまり笑ったところを見た事が無かったので、私はとても緊張したのだ。
「はい、お願いします。」
私はそう言って、急いでユークレイスの後に洞窟のトンネルに進んだ。
私は何を話して良いか分からず、黙って後をついて行ったのだ。
するとユークレイスが話し出したのだ。
「舞殿は人間の世界から来たのでは無いのですか?
すでに、この状況を知っているかと思いましたが。」
どうも私とネフライトの会話を聞いていたようで、私が噴火の事に驚いているのが疑問だったようだ。
私は今回はいつものように転移出来なかった事を話した。
そして、もしかしたらこちらの世界に何かあったのかと思い心配したこと。
また、森の精霊の助けでこの世界に来れたことを話したのだ。
「なるほど。
確かに噴火の影響があったかもしれませんね。
ではカク殿のお屋敷までご一緒しますよ。」
話している間に、ちょうど転移の洞窟の出口に近づき、明るい光が差し込むのが見えてきたのだ。
「さあ、掴まってください。」
洞窟を抜け、通行管理人に挨拶をすると、私に腕に掴まるようにうながしたのだ。
私は気恥ずかしくて少しだけ腕に手をかけたら、笑いながら話したのだ。
「ブラック様でなくてすみません。
でも、ちゃんと送り届けますから安心してください。」
この人も笑うんだと、何だか驚いてしまったのだ。
私はユークレイスが笑うのを初めて見た。
普段の鋭い顔つきと違って、とても優しい笑顔だったのだ。
余計なお世話だと思うが、普段から笑えば良いのにと思ったのだ。
私はユークレイスにしっかり掴まると、一瞬でカクのお屋敷の前に着いた。
そこは私の想像よりもひどい状況だったのだ。
噴石の影響で、薬草庫はほぼ倒壊しており、外からでは分からないが中の薬草などもほとんど燃えてしまっているのでは無いかと思えたのだ。
また薬草が植えられていた花壇の草木も、噴石や灰の影響でかなり痛んだ状態だったのだ。
お屋敷自体は立派な作りだったので大きな問題は無かったが、ところどころ噴石が落ちてきた影響で陥没している場所もあったのだ。
カクやヨクが怪我をしていないかが心配で、急いでお屋敷の扉をノックしたのだ。
すると、少し痩こけた暗い顔でカクが扉を開けたのだ。
舞は自分の部屋で光の鉱石の粉末を頭上に投げ、光る霧が消えるのを待った。
すると見慣れた魔人の森の、大木のある広場に転移出来ていたのだ。
足元には舞の家にあった魔法陣の布よりも、10倍くらい大きな魔法陣が記されていたのだ。
それは地面に書かれていると言うわけでなく、精霊と同じような優しい光で複雑な魔法陣のラインや文字が作られているように見えたのだ。
興味深くその魔法陣を見ていると、いつの間にか目の前に精霊が立っていたのだ。
どうも青年の姿になった精霊を見ると、私は少し緊張してしまうのだ。
中身は今までと同じ精霊なのだが、見た目は透き通るような綺麗な顔立ちの青年であったのだ。
「舞、無事来れたのですね。
良かった。」
「ええ、本当にありがとう。
それにしても、あなたにはいつも驚かされるわ。
こんなすごい魔法陣を作る事が出来るなんて。
いつも助けられてばかりね。」
私がそう言うと、精霊は照れたように笑ったのだ。
その顔を見ると少年の姿の時と同じだったので、私はとても安心したのだ。
とにかく、私はカクの家に行く事を考えた。
転移出来なかった理由が一体何なのか、気になったのだ。
ブラックに会うことも考えたが、カク達が無事なのを確認してからにしようと思ったのだ。
そんな私を心配してか、精霊はまた一粒種をくれたのだ。
これで合計3粒になったのだ。
「何かあったら、すぐに私を呼んでください。
無茶はしてはダメですよ。」
精霊は私に種を渡すと、優しい光で包んでくれたのだ。
以前は私の方が、小さかった精霊の頭を撫でたり抱き締めたりしていたが、今は私よりも大きくなっていたので、立場が変わってしまっていたのだ。
私は森を抜け、転移の洞窟に急いだ。
洞窟に着くと、精霊が言っていたように人間の住む世界との行き来をする人達が以前より活発であったのだ。
その中に知っている顔をあった。
向こうも私に気付くと声をかけてきたのだ。
「これは舞殿では無いですか?
いつからこちらに。
今ブラック様は人間の王に会いに行っておりますよ。
今回は色々大変ですな・・・」
そこではネフライトがテキパキと洞窟を行き交う人たちに指示を出していたのだ。
私は人間の世界で何かあったのか聞いてみたのだ。
すると、どうやら人間の世界で火山の噴火があったと言うのだ。
そのため、人間の生活に支障が出ていることから、こちらの世界から必要な物をブラックの指示のもと送っている状況とのことなのだ。
そんな火山などあっただろうか?
私には思い当たる山がなかった。
もしかしたらその影響でカク達と連絡が取れないのかもと思い、急ぎカクのお屋敷に向かおうとした。
するとネフライトは今は安全とは言えない状況なので、ちょうど人間の城に向かうユークレイスと一緒に行くようにと言ってくれたのだ。
「舞殿、お久しぶりです。」
青い鋭い目を持つユークレイスが声をかけてきたのだ。
普段から冷静であまり笑ったところを見た事が無かったので、私はとても緊張したのだ。
「はい、お願いします。」
私はそう言って、急いでユークレイスの後に洞窟のトンネルに進んだ。
私は何を話して良いか分からず、黙って後をついて行ったのだ。
するとユークレイスが話し出したのだ。
「舞殿は人間の世界から来たのでは無いのですか?
すでに、この状況を知っているかと思いましたが。」
どうも私とネフライトの会話を聞いていたようで、私が噴火の事に驚いているのが疑問だったようだ。
私は今回はいつものように転移出来なかった事を話した。
そして、もしかしたらこちらの世界に何かあったのかと思い心配したこと。
また、森の精霊の助けでこの世界に来れたことを話したのだ。
「なるほど。
確かに噴火の影響があったかもしれませんね。
ではカク殿のお屋敷までご一緒しますよ。」
話している間に、ちょうど転移の洞窟の出口に近づき、明るい光が差し込むのが見えてきたのだ。
「さあ、掴まってください。」
洞窟を抜け、通行管理人に挨拶をすると、私に腕に掴まるようにうながしたのだ。
私は気恥ずかしくて少しだけ腕に手をかけたら、笑いながら話したのだ。
「ブラック様でなくてすみません。
でも、ちゃんと送り届けますから安心してください。」
この人も笑うんだと、何だか驚いてしまったのだ。
私はユークレイスが笑うのを初めて見た。
普段の鋭い顔つきと違って、とても優しい笑顔だったのだ。
余計なお世話だと思うが、普段から笑えば良いのにと思ったのだ。
私はユークレイスにしっかり掴まると、一瞬でカクのお屋敷の前に着いた。
そこは私の想像よりもひどい状況だったのだ。
噴石の影響で、薬草庫はほぼ倒壊しており、外からでは分からないが中の薬草などもほとんど燃えてしまっているのでは無いかと思えたのだ。
また薬草が植えられていた花壇の草木も、噴石や灰の影響でかなり痛んだ状態だったのだ。
お屋敷自体は立派な作りだったので大きな問題は無かったが、ところどころ噴石が落ちてきた影響で陥没している場所もあったのだ。
カクやヨクが怪我をしていないかが心配で、急いでお屋敷の扉をノックしたのだ。
すると、少し痩こけた暗い顔でカクが扉を開けたのだ。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる