119 / 181
第4章 火山のドラゴン編
119話 アクアの変貌
しおりを挟む
石の扉に到着すると、アクアは書いてある文字を目で追ったのだ。
するとそこが最後の扉のようで、神妙な顔つきでアクアはその扉に力を込めたのだ。
重そうな音を立てて石の扉が開くと、そこは広い空間になっていた。
中は暗い洞窟のはずなのだが、アクアが持っている石と同じものが何箇所かに散乱して、怪しく光を放っていた。
そのため特に暗すぎる事はなく、辺りを見回す事も出来たのだ。
そして奥に進むと祭壇のようなものがあり、そこにはアクアの持つ石と同じようなものが置いてあったのだが、それは本来の大きさではなく大きく膨れ上がっていたのだ。
よく見るとその中には赤黒い生き物が丸まって入っており、眠っているかのようだった。
しかし時折身体を小刻みに動かして、まるで自分を閉じ込めている石を破ろうと力を込めているかのようだった。
その生き物が体を動かすと、この洞窟全体が揺れるような感覚があったのだ。
それがあのドラゴンであったのだ。
「もともと封印の石は、今持っているのと同じ大きさのはずなのだ。
こんなに大きくなっているのは封印が破られそうな証拠だろう。
・・・急がなければまずい。」
アクアはそう言って急いで祭壇に新しい石を置き、石と石の間に立ち、祈る様に両手を組んで目を閉じたのだ。
移し替えの儀式がなぜドラゴンの民にしか出来ないのかがなんとなくわかったのだ。
アクアを見ていると、大きく今にも破裂しそうな石の中からエネルギーの流れのようなものが出てきて、アクアに入っていくように見えたのだ。
そしてアクアから新しい石に注ぎ込まれるような流れが見えたのだ。
アクアを仲介する事で、ドラゴン自体のエネルギーを新しい石に取り込ませているようだった。
そうする事で、新たな石に封印するのだろう。
このまま問題なく移せる事を祈ったのだが、やはりドラゴンの民が一人であるのでエネルギーを受け取るアクアに負担がかかっているように見えたのだ。
アクアの様子が明らかに変わってきたのだ。
本来ドラゴンの姿になれるのはわかっている事だが、目の前にいるアクアは半分ドラゴン、半分人型と言う何とも言えない風貌に化してきたのだ。
移し替えを見た者は誰もいないため、そう言うものかとみんなが思っていたのだが、赤黒い鱗を纏い変貌していくアクアを見ると、とても心配であり恐ろしくも感じたのだ。
そして元の石に入っていたドラゴンの形がだんだんと崩れていき、新しい石の中に新たなドラゴンの身体が作られていくように見えたのだ。
だが、やはりそんな簡単な事では無かったようで、アクアは目を閉じながら急に倒れたのだ。
私は倒れたアクアに駆け寄ろうと思った時、ブラックが止めたのだ。
ブラックは真剣な顔で伝えたのだ。
「ドラゴンのエネルギーがアクアの身体の中で停滞している。
新しい石に抜け出ていないですね。
あれはアクアであって、アクアでは無い者だよ。
危ないから近づいてはいけない。」
確かにブラックが言う通り、倒れたアクアの身体がだんだんと今までの何倍もの大きさとなっていき、人型の雰囲気があっという間に消えていったのだ。
開けた場所ではあったが、これ以上大きくなると洞窟が崩れるくらいの大きさにまでなっていたのだ。
普段のドラゴンの姿のアクアと違い、表面は石に封印されていたドラゴンの赤黒い色の鱗となり、牙や爪なども今までと違い以前より鋭く攻撃的な風貌に変化したように感じたのだ。
見ていた誰もが、眠っていたドラゴンが復活したのではと思うくらいであった。
「これはアクアを依り代にしてドラゴンが復活したのですか?」
いつも冷静なユークレイスでさえ、かなりの焦りようであった。
「・・・いや、それはまだですね。
元からある石を見るとまだ半分ほどしかエネルギーは移動して無いですね。
しかし半分でこの気配・・・
全てのエネルギーを備えたドラゴンでは誰も手出しが出来ないでしょう。」
「ねえブラック、・・・アクアはどうなるの?」
私は恐々尋ねたのだ。
「どうなるかわかりませんが、身体の中に入り込んだドラゴンのエネルギーに負けて自分自身が取り込まれれば、自我を失うかもしれませんね。
・・・そうなるとアクアは消えてしまうかもしれません。」
私はもしかしたらと思っていた事を、ブラックから言われて動揺したのだ。
一瞬、めまいや吐き気に襲われたのだ。
しっかりしなくてはと自分に言い聞かせたのだ。
あの、純粋で自由や冒険が大好きなアクアが消滅することだけは絶対に避けたかった。
何百年も生きていても、まだまだ中身は子供のような存在であるのだ。
そして私はもしかしたらあの薬が使えるかもと、カバンから一つの薬を取り出したのだ。
取り出した薬を見て考えていると、私のポケットに収まっていた森の精霊が声をかけてきたのだ。
「舞、それを使うのは危険かもしれないよ。
もしもだけど、すでにある程度以上にドラゴンがアクアの身体を支配していたら、異物はアクアの方になってしまうかもしれない。
そうなると、外に出されるのはアクアの方になるかも・・・」
そう、私は身体から異物などを分離する薬が使えるかと思ったのだ。
だが、精霊の言うことももっともなのだ。
私は巨大化して攻撃的な風貌になったアクアを見て、どうすれば良いかわからなかったのだ。
するとそこが最後の扉のようで、神妙な顔つきでアクアはその扉に力を込めたのだ。
重そうな音を立てて石の扉が開くと、そこは広い空間になっていた。
中は暗い洞窟のはずなのだが、アクアが持っている石と同じものが何箇所かに散乱して、怪しく光を放っていた。
そのため特に暗すぎる事はなく、辺りを見回す事も出来たのだ。
そして奥に進むと祭壇のようなものがあり、そこにはアクアの持つ石と同じようなものが置いてあったのだが、それは本来の大きさではなく大きく膨れ上がっていたのだ。
よく見るとその中には赤黒い生き物が丸まって入っており、眠っているかのようだった。
しかし時折身体を小刻みに動かして、まるで自分を閉じ込めている石を破ろうと力を込めているかのようだった。
その生き物が体を動かすと、この洞窟全体が揺れるような感覚があったのだ。
それがあのドラゴンであったのだ。
「もともと封印の石は、今持っているのと同じ大きさのはずなのだ。
こんなに大きくなっているのは封印が破られそうな証拠だろう。
・・・急がなければまずい。」
アクアはそう言って急いで祭壇に新しい石を置き、石と石の間に立ち、祈る様に両手を組んで目を閉じたのだ。
移し替えの儀式がなぜドラゴンの民にしか出来ないのかがなんとなくわかったのだ。
アクアを見ていると、大きく今にも破裂しそうな石の中からエネルギーの流れのようなものが出てきて、アクアに入っていくように見えたのだ。
そしてアクアから新しい石に注ぎ込まれるような流れが見えたのだ。
アクアを仲介する事で、ドラゴン自体のエネルギーを新しい石に取り込ませているようだった。
そうする事で、新たな石に封印するのだろう。
このまま問題なく移せる事を祈ったのだが、やはりドラゴンの民が一人であるのでエネルギーを受け取るアクアに負担がかかっているように見えたのだ。
アクアの様子が明らかに変わってきたのだ。
本来ドラゴンの姿になれるのはわかっている事だが、目の前にいるアクアは半分ドラゴン、半分人型と言う何とも言えない風貌に化してきたのだ。
移し替えを見た者は誰もいないため、そう言うものかとみんなが思っていたのだが、赤黒い鱗を纏い変貌していくアクアを見ると、とても心配であり恐ろしくも感じたのだ。
そして元の石に入っていたドラゴンの形がだんだんと崩れていき、新しい石の中に新たなドラゴンの身体が作られていくように見えたのだ。
だが、やはりそんな簡単な事では無かったようで、アクアは目を閉じながら急に倒れたのだ。
私は倒れたアクアに駆け寄ろうと思った時、ブラックが止めたのだ。
ブラックは真剣な顔で伝えたのだ。
「ドラゴンのエネルギーがアクアの身体の中で停滞している。
新しい石に抜け出ていないですね。
あれはアクアであって、アクアでは無い者だよ。
危ないから近づいてはいけない。」
確かにブラックが言う通り、倒れたアクアの身体がだんだんと今までの何倍もの大きさとなっていき、人型の雰囲気があっという間に消えていったのだ。
開けた場所ではあったが、これ以上大きくなると洞窟が崩れるくらいの大きさにまでなっていたのだ。
普段のドラゴンの姿のアクアと違い、表面は石に封印されていたドラゴンの赤黒い色の鱗となり、牙や爪なども今までと違い以前より鋭く攻撃的な風貌に変化したように感じたのだ。
見ていた誰もが、眠っていたドラゴンが復活したのではと思うくらいであった。
「これはアクアを依り代にしてドラゴンが復活したのですか?」
いつも冷静なユークレイスでさえ、かなりの焦りようであった。
「・・・いや、それはまだですね。
元からある石を見るとまだ半分ほどしかエネルギーは移動して無いですね。
しかし半分でこの気配・・・
全てのエネルギーを備えたドラゴンでは誰も手出しが出来ないでしょう。」
「ねえブラック、・・・アクアはどうなるの?」
私は恐々尋ねたのだ。
「どうなるかわかりませんが、身体の中に入り込んだドラゴンのエネルギーに負けて自分自身が取り込まれれば、自我を失うかもしれませんね。
・・・そうなるとアクアは消えてしまうかもしれません。」
私はもしかしたらと思っていた事を、ブラックから言われて動揺したのだ。
一瞬、めまいや吐き気に襲われたのだ。
しっかりしなくてはと自分に言い聞かせたのだ。
あの、純粋で自由や冒険が大好きなアクアが消滅することだけは絶対に避けたかった。
何百年も生きていても、まだまだ中身は子供のような存在であるのだ。
そして私はもしかしたらあの薬が使えるかもと、カバンから一つの薬を取り出したのだ。
取り出した薬を見て考えていると、私のポケットに収まっていた森の精霊が声をかけてきたのだ。
「舞、それを使うのは危険かもしれないよ。
もしもだけど、すでにある程度以上にドラゴンがアクアの身体を支配していたら、異物はアクアの方になってしまうかもしれない。
そうなると、外に出されるのはアクアの方になるかも・・・」
そう、私は身体から異物などを分離する薬が使えるかと思ったのだ。
だが、精霊の言うことももっともなのだ。
私は巨大化して攻撃的な風貌になったアクアを見て、どうすれば良いかわからなかったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる