幽霊祓い外伝シリーズ

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幽霊祓い 『命の座』

第1話 戻れない過去

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「今日はどこ行くんだ、士郎」

放課後、夕日が差し込む教室でそう声をかけてきたのは、赫子  杭かくし  くいだった。その横には六条   六実ろくじょう  むつみの姿もあった。

「そうだなぁ、近場いいよな」

「なら、学校の裏山の頂上にある墓地とかどうよ?」

「いいな、六実。それにしよう」

「そうとなれば、準備だ!!」

そう言って、1度解散し、各自家に帰った。午後8時すぎ、俺達は再び学校に集まった。

「よし、裏山を登るぞ。皆、懐中電灯は持ってきたか?」

「そういう、士郎は忘れてないんだろうな?」

「今日は流石に・・・って、あれ、おっかしいなぁ、ここに入れたはずなのに」

「ほら、予備のやつ貸してやるよ」

「お、サンキュー、杭」

こうして、俺達は裏山を登り、山頂の墓地に着いた。

「ここ、噂では6体ほどの幽霊が同時徘徊しているらしいぞ」

「6体か・・・」

「俺と、六実と、杭で2体づつ相手にすれば、いけるんじゃない?」

「待てッ、何か聞こえなかったか?今」

杭にそう言われて、耳を済ませると微かに

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、どこだよ・・・」

「私の子はどこなの・・・」

「妻を返してください・・・」

様々な声が聞こえた。しかも、それらは少しづつ近づいて来ているようにも感じる。そして、その声の主はとうとう、俺らの周りを囲んだ。

「囲まれた。噂通り、6体だな」

「さて、幽霊探偵団のリーダー・新木  士郎。どうする?」

「杭、六実、やるぞッ」

「あいよ」

「士郎君ッ、後ろッ」

「うりゃゃゃゃゃゃッ」

「ふんッ!!」

俺は後ろから襲いかかってきた幽霊を刀で切り裂いた。しかし、幽霊はすぐに切られた部位を再生した。

「クソッ、やっぱ、普通の刀はダメか」

刀で切られたことで怒り狂った幽霊が俺へと迫る。

漆術・羽赫うるしじゅつ  うかくッ」

幽霊がパラパラと消えていった。

「ほら、俺の霊気をその刀に流し込むから貸せ」

「さすがは杭。俺の頼れる相棒だぜ」

こうして、杭の霊気が付与された刀を俺は持った。さぁ、反撃の時だ。

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