幽霊祓い

akade

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第1章 GEA入会編

第13話 GEA試験

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次の日、紙に書いてある場所通りに行くと、結構な感じでボロボロな廃ビルに着いた。

「ここであってるのかなぁ…」

と言いながら、少し不安そうな顔をする羽川さん。

「この紙に書いてある通りに来たんだけどなぁ…」

「ここ、GEAの本部であってるよ」

僕が紙を見返そうとした時、声がした。廃ビルの正面玄関のところに若い男性が立っていた。

「君、青山  優牙君やろ?んで、そっちが羽川  柚瑠さん?俺は鳩山  士郎。ヨロピク!!で、先に伝えておくと、羽川さんは合格で優牙には試験を受けてもらう」

すらすらと話を進めている、この男性が、GEAトップクラスの師帝の一帝・鳩山  士郎!!なんか、目の前にいるだけで緊張するなぁ・・・。ん、待てよ。今、鳩山さんなんて言った?羽川さんは合格で俺には試験があるだと?

「あの~、鳩山さん、なんで羽川さんは合格で僕は試験を?」

「それについては私からお答えしましょう」

そう言って、廃ビルから蔵宮さんが出てきた。

「羽川さんが使う回復術というのは、かなり重宝されているものでしてな、全世界のGEAに所属する回復術師は合計で300人いるか、いないか。だから、GEAは回復術師なら即合格判定を下すように決まっているんです。しかし、青山君のような攻撃するような術というのは、1度戦力調査をしてから合格かどうかが決まるんだ。そうでないと、GEAに入ってすぐに死ぬことになる。それ程までにこの業界は危ないんですよ」

「そうなのか・・・。で、試験っていうのはどう言ったものを?」

「先日、宮城県にある化女沼で凪澤の霊気が確認されました。そこで、化女沼の主霊を祓って来てもらいたいのです。試験官は鳩山が務めます。何かあれば鳩山が助けてくれます」

「主霊っていうのは、一体・・・?」

「主霊というのはその心霊スポットの主のことです。心霊スポットというのは、そこに住む主霊とそこに集まってくる霊から構成されている。主霊を祓えば、しばらくは新たな主霊が出てくるまで、心霊スポットとしての役割を失うのです。つまり、主霊がいなければ、心霊スポットでの神隠しなどは起きなくなるというわけです」

「そろそろ、いいですか?蔵宮さん」

「あぁ、すまなかった。では、お願いしますよ、鳩山」

「了解!」

鳩山さんがそう言うと、一瞬にして目の前が草むらになった。
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