幽霊祓い

第1章 日本旋廻 虹の大橋編

第31話 死神術

馬鹿な。かなりの霊気を込めて吹っ飛ばしたはずなのに、なぜ、動いている？なかなかにやる祓い師だ。まぁ、その方が面白い。

「貴様、名は何と言う？」

「・・・・・・・・・死神」

「名が死神ィ？ほんとか、お前？」

「・・・・・・・・・。」

「そうか、死神か。我はペウォヘゴ。貴様、強いのか？」

「・・・・・・・・・知らない」

「そうか。何も自分のことを理解していないんだなッ!!仏術・心判の響きぶつじゅつ  しんぱんのひびき」

我は咄嗟に簡易な術を使った。その術を華麗にかわして、死神は反撃にでた。

「死神術・死鎌の祭しにがみじゅつ  しがまのさい」

死神は手持ちの鎌を振り回し、回転しながら近づいてき、我の手を切り落とした。なら、こちらもッ!!

「仏術・大仏轟音の怒りぶつじゅつ  だいぶつごうおんのいかり」

「死神術・死苦の祭しにがみじゅつ  しくのさい」

我と死神が術をぶつけ合いし始めてから2、3分経っただろうか。先に動いたのは死神だった。

「・・・・・・お前、嫌い。死神術・神王の祭しにがみじゅつ  しんおうのさい」

気がついた時には、我の体は散り始めていた。どうやら、かなり高火力の術を食らってしまったらしい。我も落ちるのか。残りの16体も、コイツらなら簡単に倒してしまうかもしれないな・・・。

「す、すげぇ…。あれが死神の力・・・。ん、う、うわァァァァァァ!!」

死神の戦いに見入ってしまったせいで、奥義の時間が切れ、阿蛇陀羅の手が俺の腹を貫いた。嘘だろ・・・。俺、こんなダサい死に方するのかよ。術もろくに使えないのにGEAに入って、死に様はこれか。ここはもう、死神にかけるしかないな。

「死神ィ、お、お前が絶対にか、勝てよ。俺は見たからな。お、お前ェがつぇと・・・ころ・・・よ・・・」

あぁ、もう、目を開ける元気も出ねぇ。どうやら、死ぬらしい・・・。