幽霊祓い

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第1章 日本旋廻 常紋トンネル及び慰霊の森編

第60話 佐神家襲撃

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俺は小さい時に父さんが不倫して、それで家を出て行った。母さんは女手一つで俺と姉貴を育ててくれた。でも、俺が中学になる頃、精神的に限界がきていたのか、母さんは自殺してしまった。それから、俺は姉貴と2人暮らしだった。母さんが残してくれた多額のお金を少しでも残しつつ、暮らしていくため家を捨て、姉貴と空き家を自分たちで少しづつDIYしながら生活をしていた。なかなか大変な生活だったが、割と楽しい生活でもあった。その日もいつも通りの生活を送っていた。確か、土曜日か日曜日だったか?日中は姉貴はバイトに出て行ってるから、俺は家のDIYを進めつつ、過ごしていた。その日の夜、幸せというものは一瞬にして壊れた。部屋で俺が寝ていると部屋の外から焦げ臭い匂いがした。戸の隙間から見えるオレンジ色の光。俺は急いで部屋を飛び出した。部屋を出ると、廊下は火の海になりかけていた。燃え盛る炎の中に傷だらけの姉貴が倒れていた。

「姉貴ッ!!」

俺は急いで姉貴に駆け寄ろうとしたが、誰かに持ち上げられた。その後の記憶は無いが、最後、姉貴はこちらを見て笑っていた気がする。目を覚ますと、家は無くなっていた。俺の隣にはガタイのいい男が座っていた。俺は見た瞬間に、こいつが俺を持ち上げたんだと確信した。

「少年、無事で何よりだ」

俺はその言葉を言われた瞬間、今までに経験したことのないくらいの憎悪を抱いた。俺は、その場から全力で走り去った。いつか、いつか必ず、俺が、あいつを殺してやる。姉貴を見殺しにした、お前をッ!!そんな思いで走った。そして、凪澤に出会い、やつはGEAの岩山ということを教えてもらった。俺は凪澤のもとで強くなるために修行することにした。そうして今まで生きてきた。俺が憎むべき相手は本当に岩山こいつなのか・・・?そもそも、姉貴を殺した幽霊を生み出したのは凪澤だ。俺は一体何をしているんだ?
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