幽霊祓い

akade

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第2章 再臨編

第146話 3つの道

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今から8年前・・・

「士郎君、今日はどこ行くの?」

「ここら辺で1番出るって言われてる廃病院だッ!!」

「あそこはやめておこうよ。建物老化もかなり進んでいるし、普通に危ないよ」

「大丈夫だよ、俺達には術があるだろ?」

幽霊探偵団。メンバーは新木  士郎、六条  六実、赫子  杭かくし  くい。小学校の時に新木が、他の2人を誘って作ったこのグループは、主に、心霊スポットの探索などを目的とし活動していた。所詮は、子供の遊びだった、最初のうちは・・・。でも、彼らは自身が術を使えるということに気がつき、いつしか幽霊を祓うことまで目的としていた。その日、廃病院に探索に行った彼らは、仲間の1人を失った。

「に、逃げろ・・・」

「士郎君ッ、士郎君ッ!!」

「ク、クソッ・・・!!」

そこで死んだのが赫子  杭で、死因は霊による変死。その日以来、幽霊探偵団は解散。中学になり、六条は地元を立ち去った。新木はたまたま通りかかった鳩山にスカウトされ、GEAに入る。そんなある日、新木はかつて、友を失った廃病院での任務を任される。

目標:1体の幽霊を祓うこと

この時、新木は察していた。それが何を指すのかを。現場に着くと、新木は真っ先に幽霊を探した。かつて、友が死んだ場所に幽霊はいた。

「す、すまねぇッ!!」

新木は術を使わずに幽霊を祓った数が全世界のGEAの中でもで最も多い人物だった。それが原因で新木は鳩山から絶大な信頼を受けていた。一帝の鳩山が信頼するとなると、周りも新木に信頼を寄せた。そんな期待を背負った新木は、幽霊を祓った。新木は表では、優牙たちに気安く振る舞っているが、心の中はずっと落ち込んでいる。そして、今、再びかつての友を失い、同じ人間なのに、命の価値が分かっていない敵を前にして、新木の心は限界を超えた。
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