幽霊祓い

第3章 ゴースト・キング編

第193話 準備は大切

「まず、始めに本日はゴースト・キング討伐のためにお集まりいただきありがとうございます。

それでは、早速、ゴースト・キング討伐の話を進めていこうと思います。

ゴースト・キングについては皆様にお伝えしたことがあるので、ある程度ご理解されていると思われるので省略します。今回お伝えするのは、ゴースト・キングの亜空間についてです。ここからはターネット氏に解説していただきます」

デリック氏が壇上を下りると、ターネット氏と思われる人物が壇上に上がった。

「え～、初めまして、私はアメリカGEA副会長兼アメリカGEA幽霊研究部の部長を務めております、ターネット・アルサルドです。今回、ゴースト・キング討伐の前に皆さんに認知しておいてもらいたいことがあります。それが、ゴースト・キングの亜空間の件です。モンタナ州が消えたことは皆さん、ご存知でしょう。モンタナ州は現在、亜空間にあります。ゴースト・キングはモンタナ州ごと亜空間に取り込んでいるのです」

「ちょっと、待ってくれよ。てことは、ゴースト・キングの内部に入らないとゴースト・キングには攻撃できないってことか？」

1人の外国人がターネット氏に問う。服から見て、恐らく、ロシアGEAの人だろう。

「えぇ、そういうことになります。現在、亜空間内部にいるGEAの者から、死者は今のところ確認しておらず、街の機能も安定しているそうです。ただ、幽霊が大量に発生しているとのことです。ゴースト・キングの本体が亜空間に存在するということが亜空間内からの情報で確認できているので、デリック会長と話し合い、とある作戦を決行することに致しました。ゴースト・キングが次に取り込むのは恐らく、アイダホ州。我々はアイダホ州に移動して、取り込みと同時に亜空間に侵入するという作戦です」

「おいおい、それ、本気かい？」

さっきと同じ人が再び、ターネット氏に問う。

「もちろん本気ですよ。現在、アイダホ州にいる研究部が亜空間侵入への調査を進めていますが、侵入方法は分かっていません。なのでアイダホ州に移動し、亜空間に取り込まれた後に行動を開始します」

ターネット氏はそう言って、デリック氏の顔を見た。デリック氏は

「それでは皆さん、アイダホ州に移動してください」

と言った。俺たちはアイダホ州に向かった。