どん底から頂点を目指しました

ゴーレム破壊の時間です

「562番、初め」
 数分後、やっと俺の番となり刀、いや剣を構える。
 俺が立てた作戦は簡単。ゴーレムは鋼鉄。破壊はこの剣では普通にやったら多分無理。俺の腕力ならなおさら。
 ならば関節部分を狙えばいいだけだ。
 関節部分、つまり接合部分を一点集中で狙って攻撃していけば完全な破壊は不可能でもその部位、腕や足などが動かせなくなるだろう。
 時間制限があるなかでどれだけ壊せるかが勝負だ。
 あと…ゴーレムからの攻撃も避けなきゃなんだよなぁ…
 どうやらゴーレムもただでやられてくれる訳ではないようだ。
 いや…鋼鉄のゴーレムに殴られたら死ぬ。物理的に死ぬ。まじで。
 俺は大きく息を吐き、地を蹴る。
 幸いほぼ毎日の魔物討伐のお陰で瞬発力はかなり上がってるようだ。
 ゴーレムとの距離を詰めたら全力で剣を腕と胴体の関節部分に振り下ろす。
 ーいっ……てぇ……
 うん。響いた。痺れた。けど、
「手応えあり、ってところか」
 ならこの作戦は有効だ。
 俺は更に攻撃を重ねる。
 しかしゴーレムはやばいと感じたのか俺から距離を取る。
「逃がすか…」
 時間が無いんだからなっ！
 俺はすぐさま反応し取られた距離を詰める。
 距離を取るのを諦めたゴーレムは拳をふるう。
 ひえっ！スピードやばっ！！！！
 え、こんな速いの！？嘘っ！
 冷や汗が流れるのがわかる。傍から見ても間抜けな避け方をしているだろうが気にしない。痛いの嫌だ。
 そして何回か同じ部位に攻撃を加えると片腕が動かなくなる。ダラン、と力の抜けた腕を目の端でとらえ次はもう片腕の関節部分へと攻撃をうつす。
 時々ゴーレムはとんでもない動きをしてくる。
 動く方の片腕を地面へとつき、蹴りを放ってきたりかかと落としをくらわせてきたり、と。
 うん。これ絶対当たったら死ぬやつ。
 てかかかと落としなんてもう試験官殺す気でしょ！！！！頭に当たったらやばいって！！！
 必死で避けながらもう片腕も破壊。
 足は…ともう時間がかなりない。
 ので頭部へと映る。
 頭部と言っても狙うは首と頭部の僅かな隙間。
 両腕が使えないゴーレムの攻撃はほぼ単純。
 距離をとっても詰めるためどんどんダメージが蓄積されている。
 俺は剣を振るい続ける。
 ガキんっ…
 よし、これで
「終わりだァァ」
 全力で剣を振るう。
 それと同時に鳴る終了の合図。
 動かなくなったゴーレムを見て不安になる。
 え、これ出来た？破壊？え、不合格？ちょ、まっ。
 俺の焦りなどしらぬ、という感じで第2闘技場を追い出された。
 次の受験者が始められない、とさ。

 頑張ったんだよおおおおおお！！！！！！！！！！





 はい、次行きます。泣