time goes by

852633B

文字の大きさ
9 / 16
戦闘開始

マニュアルを読んだことなんてない

しおりを挟む
意外にも運搬はトレーラーだった。マンガや映画の見過ぎか完成した機体は立って現地に向かうものだと勝手に思っていた。急に造成した道路の為まだ舗装が不十分で塞がる木々をかき分けて進む場所もあって自然破壊に加担したようで萎える。まだ青々とする葉群が揺さぶられる度に鳥たちが羽ばたく。しかしそれはそれとしてこの巨大機体であるこのままこのトレーラーがエンコしてずっと立ち往生でもしてくれればいいのに可愛い彼女の前でカッコ付けて任せろと胸を叩いた状況が幾度となく目に浮かぶ。
面倒なことは早く終わらせたいだが車やバイクはもちろん携帯電話などのモバイルガジェットの類に付属している説明書に目を通したことなどここ数年記憶にない。だからというわけではないがこの巨大な機械人形を動かすのに係員の説明以上の情報をインプットしなかった。してもわかるとは思えなかったし彼らはそれを敬遠した。乗って覚えろ職人気質というわけじゃないだろうが彼らの目が訴えていた。とにかく既存の常識に捉われた方法で取り組むなかれと叱咤激励を受けた気分だ。その時点でこの身に降り掛かった災難に拒否反応を示していたのだろう。大博打に等しい。博士の娘さんの手前断ることは選択肢にない上手く操れればもっと気を引けただろうに投げやりはそうだがちょっとパニクって判断に狂いがあったのが正直なところだ。幼い頃買ってもらったゼンマイ仕掛けのロボットに手を焼いたことを思い出していた。規模がまるで違うのに笑えてくる
喜劇だこのいい加減さに適当さだが真剣に彼女のハートを射止めるための背水の陣そして周囲の過剰な期待確かに未知の敵が全く想像の及ばない高度な科学力を駆使して作った異次元のハイテクを誇る超兵器を迎え撃つ機体がこの乾電池(サイコパワーセルというらしい)で動くゴーガシャなどロンギ星人敵からすればゼンマイ仕掛けで動くブリキの玩具に等しい。だから数発の攻撃を受けてまだ
動くのは称賛に値する。ビギナーズラック同様の運転でこれ以上回避に失敗するのはいただけない。被弾で散らばった足元の硬質な床に散らばる無数のコード類の配線を元に戻すなど気が遠くなる。だが大勢が向ける銃身の長い銃の銃口の如きジャックに正しくプラグを差し込むくらいなら敵弾の餌食になった方がいいかもしれないなどとまた投げやりになる。こんなもの正確に繋がなくても平気な気がする。こんなインチキな手抜きの機械人形が多少イージーな操作でダメージを被るなんて見た目の出鱈目さにそぐわない。だから、俺の思考や身体のデータなどがこの木偶のコントロールに要るとかで一心同体になっているのだろう。だったら、少しは俺の諦観を慮りやがれ張りぼてのクラウンめ!
邪悪な脅威に対する心ばかりの贈り物と差し出した紳士の異星人のプレゼントよ。
だが彼らは搭乗者の不在をも説明した。
パイロット付きでくれるわけにはいかないのか。異星間防衛会議の名で集まった面子の苦渋の表情が罷り間違って場に参加していた素人の俺に白羽の矢を立ててその場凌ぎをして
議論に終止符を打った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

妻への最後の手紙

中七七三
ライト文芸
生きることに疲れた夫が妻へ送った最後の手紙の話。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

処理中です...