アダンダラ伝説~Story Of Cait Sith~

笑師勇嬉(えみしゆうき)

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プロローグ

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はぁ…。はぁ…。はぁ…。

濃い青色の瞳が緊張の為か!?それとも数時間前
己が国で恐れに見舞われて姉に急かされた
出来事のせいか?それはワカラナイが濡れて度々
視界が曇る

曇る度に溢れた涙を拭っては再び先へ先へと
走り出す。とにかく逃げなくちゃ少しでも遠くへ
アイツに捕まらないウチ早く遠くへ

俺が捕まったら自分を逃がしてくれた姉や皆の
苦労が無駄になる

絶え間なく

その青色の瞳が、ぐらぐら揺れていた

はぁ…。はぁ…。逃げなきゃ!もっともっと遠く
小さな影が見知らぬ暗闇の通路を走り続ける

少しでも早く

姉様達が助けてくれた!この命
もっと遠く。奴等の手の届かない場所まで・・・
今は少しでも早く!もっと早く!!!

※※※※※※※※※


もう、どれだけ走ったろう?

いい加減、呼吸が荒く喉も痛いし!足ももつれ
身体はその急く思いとは裏腹に少しずつ
ゆっくりスピードが落ち走れなくなりつつあった

ゼェー!ゼェー!ゼェー!

ずっと走り続けてたから
息が荒い! 喉の奥がヒリヒリと痛んだ

痛む喉を時折、黒い毛並みの己の小さな手で
触れ さすりながら それでも必死に
彼は見慣れぬ道を何処へ続いているのか?も
わからぬ見ず知らずの道を先へ先へひた走った

『早くっ・・・もっと遠くっ逃げなくちゃっ』

彼のスピードは落ちてゆく走るスピードが
グングン落ちてゆき終いに一本道
突然バッと突き抜けた見知らぬ歩道のその一角
その場に勢いよくドサッと力尽きると地面に
倒れ込んでしまった!

揺らめく視界が映す世界の情景は!?彼の眼に
ボヤケてハッキリとは定まらず歪んで見えた

歩道には?幾ばくか人通りも少なからず
行き来していたが道行く者で彼の存在に気づき
眼をむける者は誰もいなかった

ゼェー! ゼェー! ヒュー! ヒュー!荒く
喉を盛大に鳴らしながら倒れ込んだまま彼は
震えて動かない身体を必死に小刻みに震わせて
ぎこちない動きで、もがいた

端から見れば?まだまだ幼いその濃い小さな
青色の瞳をした黒猫は視点の定まらない揺らいだ
視界のその先に捉えま歩道の一角に
倒れ込んだまま必死に生きようともがいていた

ー“まだ、死ねない!僕は死ぬ訳にいかない”ー

ボヤケた視界の鮮明度が、さらに一層
ハッキリしなくなりながらも道端の黒猫は!?
心の中で叫んでいた!

ー“僕はまだ死ねない!姉様達を…。国を…。
 助けなきゃ、またユーグスピサへ・・・”ー

黒猫の意識は!?そこで途絶えた。
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