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お師匠様!?
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魔方陣から現れたのは、深緑色の長髪に170cmくらいの身長、中立的な顔をしている。冒険者風の服装、黒い長いローブを羽織り、小さい肩下げバッグを1つと水筒、手には長い木の杖と串焼きを2本持っている男性だった。
(お師匠様!?なんでこんなところに)
「おや?我が家かと思ったら… 座標あやふやだったから違うとこ来てしまったな。いやぁすみません」
頭をポリポリとかきながら頭を少し下げて謝る。
全員ざわりと驚き、周りは しん と静まり返る。我に返った騎士達は次々と片膝をつき左胸に手を当て礼をした。
王様も俺を抱えたまま左胸に手を当て礼をする。執事達やリード様もアルル様も左胸に手を当て礼をする。
メイドたちや王妃様、彼女は左胸に手を当て、スカートを少しつまみ上げ、足を交差させて礼をしていた。
「あれ?もしかしてここって宮殿?ありゃ、参ったなぁ、この串焼きクロに1本お土産だったのに」
(俺のお土産に串焼き1本て)
買ったばかりなのか、串焼き2本から湯気が立っていた。
この状況にポカンとしていると、俺に気付いたお師匠様が あ!という顔をして俺に両手で手を振ってきた。
「あれ?なんでこんなところにいるのクローぶっ!」
べちゃっ!
俺の名前を言おうとしたお師匠様に食べかけのシュークリームを顔面におもいっきり投げつけた。
「!!!??」
全員びっくりして目を丸くしていた。
そして、俺の存在も知られてしまった。皆、この子誰だろう?という顔になっている。
ずっとローブを目深に被っていたが、さらにローブを引き寄せて顔全体を隠した。
王様が笑いをこらえて震えている。こっちは笑い事じゃないってのに。
「あ、うまい。すみませんこれもう1つ、あ、いや、2つください」
(この自由人め!)
近くにいる女性に声をかけて、同じシュークリームを皿に2つもらっている。
礼から立ち上がったユース卿がお師匠様に声をかける。
「大け「なに?」」
お師匠様の冷たい声で空気に緊張が走る。
「いえ、ヴィル殿、今までどこに?」
ユース卿は言い直し、今までどこにいたのかを聞く。
「ここよりもずっと南の方かな?あ、いや、東?うーん…とりあえず遠かったよ?」
「そうでしたか💦」
でた。お師匠様の重度の方向音痴が。
地図も方位磁針も持っているのに、何故か迷う。ちなみに自分の家まではいつも転移魔法を使っているため、まだ帰れてはいる。
どうやら今回は長く帰っていないため、家の座標を忘れたらしい。
「帰ったらクロードにお土産あげようと思って買ってきたんだけど、クロぶっ!」
べちゃっ!
お師匠様にもう1つシュークリームを顔面に投げる。
(だから俺の方を向いて話しかけるなって!)
思わず少しだけ魔法を使ってしまった。少量の魔力で物を引き寄せるだけだが、体に激痛が一瞬走る。
「ぅっ…」
「………。おやおや、食べ物を粗末にしちゃダメじゃないか。ん?」
にっこり笑顔で俺に近づき、王様に「この子を私に」と一礼をした。
王様から俺を受け取ると俺の背中をさすりながら「お邪魔しましたぁ。では皆さん、ご機嫌よう」と手をヒラヒラと振ってかかとを3回鳴らし魔方陣を展開、音と共に大食堂から城の外に移動した。
「大丈夫かい?」
背中をさすりながらよしよしと俺をあやす。
「お…し、しょ、さ、はな、し、か…な…」
「まさかみんなに言ってなかったの?それは悪かった💦よしよし」
「や、めろ」
「少しおやすみ」
「………」
夕日が沈みかけている空をボーッと見た後、ス…と目を閉じた。お師匠様の魔力が背中に流れてくる。痛くない。じゃあこれは精霊魔法 ────
懐かしい夢。
昔眠れなくてお師匠様のベッドに潜り込んだときの夢を見た。
温かい
懐かしくて落ち着く匂い
薬草の匂い、花と風の香り、お日様とお月様の匂い、お師匠様の匂い ────「……ド、そろそろ起きようか」
「ん………」
お師匠様の声で夢から現実に引き戻される。
(ずいぶん、懐かしい夢…)
俺はお師匠様にずっと抱かれたまま眠っていたようだ。眠たい目を擦りながら周りを見ると、お師匠様は座ったまま木にもたれ掛かっていた。待っている間本を読んでいたのか、本を閉じる音が耳の近くで聞こえた。
「空も暗くなってきた。今は8時ちょっと過ぎくらいだから、そろそろ帰ろうと思うんだけど…座標、教えてくんない?」
彼は俺を抱えたままポリポリと頭をかいて、ごめんごめんと笑顔で謝っている。
「……忘れたんですか?」
自分家ですよね💧と呆れた声を出す。まだ起き上がる力がでなくて、彼にもたれ掛かったままになっている。
「うっかり、ね」
「すっかり、の間違いでしょう」
「参ったねこりゃ(笑)」
「笑い事じゃないですよ、まったく」
とりあえず俺の部屋に行きましょう。と提案をし、座標を教えて部屋に転移してもらった。
(お師匠様!?なんでこんなところに)
「おや?我が家かと思ったら… 座標あやふやだったから違うとこ来てしまったな。いやぁすみません」
頭をポリポリとかきながら頭を少し下げて謝る。
全員ざわりと驚き、周りは しん と静まり返る。我に返った騎士達は次々と片膝をつき左胸に手を当て礼をした。
王様も俺を抱えたまま左胸に手を当て礼をする。執事達やリード様もアルル様も左胸に手を当て礼をする。
メイドたちや王妃様、彼女は左胸に手を当て、スカートを少しつまみ上げ、足を交差させて礼をしていた。
「あれ?もしかしてここって宮殿?ありゃ、参ったなぁ、この串焼きクロに1本お土産だったのに」
(俺のお土産に串焼き1本て)
買ったばかりなのか、串焼き2本から湯気が立っていた。
この状況にポカンとしていると、俺に気付いたお師匠様が あ!という顔をして俺に両手で手を振ってきた。
「あれ?なんでこんなところにいるのクローぶっ!」
べちゃっ!
俺の名前を言おうとしたお師匠様に食べかけのシュークリームを顔面におもいっきり投げつけた。
「!!!??」
全員びっくりして目を丸くしていた。
そして、俺の存在も知られてしまった。皆、この子誰だろう?という顔になっている。
ずっとローブを目深に被っていたが、さらにローブを引き寄せて顔全体を隠した。
王様が笑いをこらえて震えている。こっちは笑い事じゃないってのに。
「あ、うまい。すみませんこれもう1つ、あ、いや、2つください」
(この自由人め!)
近くにいる女性に声をかけて、同じシュークリームを皿に2つもらっている。
礼から立ち上がったユース卿がお師匠様に声をかける。
「大け「なに?」」
お師匠様の冷たい声で空気に緊張が走る。
「いえ、ヴィル殿、今までどこに?」
ユース卿は言い直し、今までどこにいたのかを聞く。
「ここよりもずっと南の方かな?あ、いや、東?うーん…とりあえず遠かったよ?」
「そうでしたか💦」
でた。お師匠様の重度の方向音痴が。
地図も方位磁針も持っているのに、何故か迷う。ちなみに自分の家まではいつも転移魔法を使っているため、まだ帰れてはいる。
どうやら今回は長く帰っていないため、家の座標を忘れたらしい。
「帰ったらクロードにお土産あげようと思って買ってきたんだけど、クロぶっ!」
べちゃっ!
お師匠様にもう1つシュークリームを顔面に投げる。
(だから俺の方を向いて話しかけるなって!)
思わず少しだけ魔法を使ってしまった。少量の魔力で物を引き寄せるだけだが、体に激痛が一瞬走る。
「ぅっ…」
「………。おやおや、食べ物を粗末にしちゃダメじゃないか。ん?」
にっこり笑顔で俺に近づき、王様に「この子を私に」と一礼をした。
王様から俺を受け取ると俺の背中をさすりながら「お邪魔しましたぁ。では皆さん、ご機嫌よう」と手をヒラヒラと振ってかかとを3回鳴らし魔方陣を展開、音と共に大食堂から城の外に移動した。
「大丈夫かい?」
背中をさすりながらよしよしと俺をあやす。
「お…し、しょ、さ、はな、し、か…な…」
「まさかみんなに言ってなかったの?それは悪かった💦よしよし」
「や、めろ」
「少しおやすみ」
「………」
夕日が沈みかけている空をボーッと見た後、ス…と目を閉じた。お師匠様の魔力が背中に流れてくる。痛くない。じゃあこれは精霊魔法 ────
懐かしい夢。
昔眠れなくてお師匠様のベッドに潜り込んだときの夢を見た。
温かい
懐かしくて落ち着く匂い
薬草の匂い、花と風の香り、お日様とお月様の匂い、お師匠様の匂い ────「……ド、そろそろ起きようか」
「ん………」
お師匠様の声で夢から現実に引き戻される。
(ずいぶん、懐かしい夢…)
俺はお師匠様にずっと抱かれたまま眠っていたようだ。眠たい目を擦りながら周りを見ると、お師匠様は座ったまま木にもたれ掛かっていた。待っている間本を読んでいたのか、本を閉じる音が耳の近くで聞こえた。
「空も暗くなってきた。今は8時ちょっと過ぎくらいだから、そろそろ帰ろうと思うんだけど…座標、教えてくんない?」
彼は俺を抱えたままポリポリと頭をかいて、ごめんごめんと笑顔で謝っている。
「……忘れたんですか?」
自分家ですよね💧と呆れた声を出す。まだ起き上がる力がでなくて、彼にもたれ掛かったままになっている。
「うっかり、ね」
「すっかり、の間違いでしょう」
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「笑い事じゃないですよ、まったく」
とりあえず俺の部屋に行きましょう。と提案をし、座標を教えて部屋に転移してもらった。
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