18 / 25
不思議ちゃんの理想3
しおりを挟む
今日は朝から落ち着かなかった。ふだんは聞こえない自分の息の音がよく聞こえた、昼休みにレイコを見つけるとほっとした。
「結局茶色か。なんで茶色でそんなにそわそわしてたわけ?」
「ごめん」
「染めて弱くなったわね」
「…ごめん」
「まあ、茶色じゃそんな感じよね。ちなみに夢で見た妖精は青髪ボウズだったわ。まじめにしたいのかヤンチャにしたいのかよくわからないわね」レイコは肩をすくめた。
「いや一番破天荒だよ」
「じゃあまずボウズにするわね」レイコは小さめのバッグからバリカンを取り出した。驚くほどぴったり入っていた。
「そういうバッグってバリカン入れるためにあったんだね」
彼女は何も言わずバリカンのスイッチをつけた。ヴィーンっとうなる音が聞こえる。
「ちょっと待ってよ、染めるの4000円かかったんだけど」
「馴染んでないじゃない」
「青髪ボウズの方が馴染めないよ」
「青髪ボウズに馴染める人なんていないわ」
僕は納得はできないのだが何を言えばいいかわからなかった。
「あっ、待って。先こっちの説明するわ」
待ってはこっちから言おうとしていたためほっとした。
「あのね、こんなこともあろうかと魔法の染髪料を用意したわ」
「出たよ、占い師の怪しい高額商品」
「20円よ」
「安い!」
「しかも手作りよ」
「えっ、どうやって作ったの?」
「ざっくり言うと、空の色を抽出したの」レイコは夢見がちな声で言った。
「あっそう。本当は?」
「青い昆虫の羽を砕いて水で溶かしたの」
「えっ、まじ?」僕の顔は血の気が引いておそらく真っ青な顔になった。
「あんたのその顔も砕いて混ぜればいいわ」
「そうなると僕は頭のない髪を染めることになる。できた髪は首にふりかけるのかい」
「何を言ってるの?」
「のってあげたのに…でその虫はいつ集めたの?」
「前から。お父さんがいつか役に立つから集めておきなさいって言った。最初は半信半疑だったけど」
「無信全疑でも親不孝にはならない」
「じゃあこれ今染めちゃいましょうか」
「えっ、嫌だよ」
「青い虫の羽を自発的に髪にすりこむ人はいないわ」
「強制的にすりこむといじめだ!」
「ただのおせっかいよ」
「似たようなもんさ」
「わかったわ、自分で決めてちょうだい」レイコはバリカンと染髪料を机に置いた。
僕は帰宅するとバリカンで髪を剃って青く染めた。どうなっても今より悪くなることはない。
「結局茶色か。なんで茶色でそんなにそわそわしてたわけ?」
「ごめん」
「染めて弱くなったわね」
「…ごめん」
「まあ、茶色じゃそんな感じよね。ちなみに夢で見た妖精は青髪ボウズだったわ。まじめにしたいのかヤンチャにしたいのかよくわからないわね」レイコは肩をすくめた。
「いや一番破天荒だよ」
「じゃあまずボウズにするわね」レイコは小さめのバッグからバリカンを取り出した。驚くほどぴったり入っていた。
「そういうバッグってバリカン入れるためにあったんだね」
彼女は何も言わずバリカンのスイッチをつけた。ヴィーンっとうなる音が聞こえる。
「ちょっと待ってよ、染めるの4000円かかったんだけど」
「馴染んでないじゃない」
「青髪ボウズの方が馴染めないよ」
「青髪ボウズに馴染める人なんていないわ」
僕は納得はできないのだが何を言えばいいかわからなかった。
「あっ、待って。先こっちの説明するわ」
待ってはこっちから言おうとしていたためほっとした。
「あのね、こんなこともあろうかと魔法の染髪料を用意したわ」
「出たよ、占い師の怪しい高額商品」
「20円よ」
「安い!」
「しかも手作りよ」
「えっ、どうやって作ったの?」
「ざっくり言うと、空の色を抽出したの」レイコは夢見がちな声で言った。
「あっそう。本当は?」
「青い昆虫の羽を砕いて水で溶かしたの」
「えっ、まじ?」僕の顔は血の気が引いておそらく真っ青な顔になった。
「あんたのその顔も砕いて混ぜればいいわ」
「そうなると僕は頭のない髪を染めることになる。できた髪は首にふりかけるのかい」
「何を言ってるの?」
「のってあげたのに…でその虫はいつ集めたの?」
「前から。お父さんがいつか役に立つから集めておきなさいって言った。最初は半信半疑だったけど」
「無信全疑でも親不孝にはならない」
「じゃあこれ今染めちゃいましょうか」
「えっ、嫌だよ」
「青い虫の羽を自発的に髪にすりこむ人はいないわ」
「強制的にすりこむといじめだ!」
「ただのおせっかいよ」
「似たようなもんさ」
「わかったわ、自分で決めてちょうだい」レイコはバリカンと染髪料を机に置いた。
僕は帰宅するとバリカンで髪を剃って青く染めた。どうなっても今より悪くなることはない。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる