【スピンオフ】学園トップに反抗したら様子がおかしくなったいろいろ

いとこんドリア

文字の大きさ
19 / 79
黒崎一家(子供四人付き)

夫婦の受難

しおりを挟む
「ねーねーパパとママさいきんいっしょにねないけど……けんたいき?れすってやつ?」
「ぶっ!」

 朝食時、甲梨のマセた何気ない疑問に俺はお茶を吹き出していた。

「あかちゃんきたいしてるのに」

 朝食時の会話内容がこれってどうよ。つか甲梨は相変わらずこの時代でも早熟だな。レスとか倦怠期なんて言葉は前世で覚えたのかそれとも最近覚えたのか知らんが、そもそも男同士なんで赤ん坊はできません。

「あかちゃんできりゅの?」

 直樹が口の周りをご飯粒だらけにして目をキラキラさせている。

「いや、できないからね」

 そうして直樹の口の周りをふきふきする俺。子供が変な事を覚えてくるたびに説明が大変だ。純粋な面持ちで訊ねてくるものだから変にごまかすと後が大変だしよ。

「できないの?じゃあどーやってあかちゃんできりゅの?」

 それを説明しろというのか。朝食時に。とりあえず純粋無垢な直樹にはコウノトリが運んでくると言った方がいいだろうか。まだ二歳だもんな。

「ばかねーなおき。よるにぱぱとままがでぷろれすごっこしてたらできるのよ」
「ちょっ……」

 コウノトリが運んでくるという説明をする前に、甲梨がオブラートに包まないような包んだような説明に直樹はきょとんとしている。

「そーなの?」

 直樹の純粋そうな疑問に俺が固まっている横で、直は何食わぬ顔で「そうだな」って肯定しながらズズっと味噌汁をすすっている。他人事みたいな反応だなこやつ。

 ぷろれすごっこ……まあ、傍から見ればそうなんだろうけど、裸でっていうパワーワードに真白が顔を赤くさせている。中身は純粋な17歳だもんな。まだまだお年頃だもんな。その反面、甲夜は150歳以上の大人だから動揺もせずにニコニコしている。

「ま、真白、パパとママいる時、邪魔しない方がイイ、かな?」
「父様母様、うちも配慮した方がいいでしょうか?甲梨と直樹はウチが夜に面倒みますよ」
「や……そこはそういうの気を使わなくていいから」

 旦那とは別に倦怠期というわけではない。普通に仲良くしているし、不満があるわけでもない。ちょっと昨日はささいな事でケンカしたけど。

 ただ、最近すれ違いが多いという事だけ。二人きりになれる時間がほとんどないのだ。

 本業の学園生活はもちろんの事、バイトに修行、子供達の面倒や育児もあるので、おかげで疲れて夜の営みはご無沙汰レス状態だ。子供達と一緒に寝る事も増えたしな。だから、これは仕方のない事なんだと思っていた。





「直様、最近なんだかお疲れよねー」
「ねー。顔色悪い感じもするし、休めてないのかしら」
「心配だわ~」

 親衛隊の連中が直の顔色の悪さを把握している。この頃は帰ってくるのが遅いので、そりゃあ疲れがたまっている事だろうと思っていた。さっきの全校集会でも、矢崎直としている時の機嫌の悪さと顔色の優れなさは話題であった。仕事の疲労もそうだけど、一番の原因はだろうな。

「直様、なんかさっきの数学の授業すっごい顔してたわねェ。あんた達、なんかあったの?」
「ちょっとしたケンカだよ」
「なんのケンカしたの?」
「えー……最近、営みが……ご無沙汰だから……かな」

 こういう男同士の性的話題は他の皆にはしづらいものがある。健一も宮本君らもノンケだし、悠里に至っては双子の兄の性事情なんて知りたくないだろうし。

 だから、いろいろ経験している篠宮や、新宿二丁目感覚で話せるオネエの五反田には話しやすい。五反田は自分も男の彼氏がいるとカミングアウトしてくれたので、こういう問題は一番の適任だろう。

「あーそういう事ね。よくあるパターンだわ。アタシもそれでよく彼氏とケンカしたわよォ」

 五反田はポッキーを片手に頬杖をついて膝を組んでいる。ポッキーではなくて煙草だったらスナックのママ感出ていてサマになるものだ。

「多忙であえない時とかすれ違いなんて多くなると不満も溜まるでしょ。しかも相手は直だしね」
「篠宮も宮本君と……」
「まあ、今のアンタと同じ悩みでたまにケンカにはなるな。あたしは性欲強い方だからね。直もあたしと同じで強いから、できないとなるとすっごいストレス感じてるんじゃない」

 篠宮もなんかスナックにいるママな感じが似合っている。

「でも、彼氏が体調悪そうにしてたなら、あたしなら忙しくてもどこかで時間作るわ。それこそ寝る間も惜しんで尽くしてあげたいと思うわけ」
「そうね。愛に見返りは求めちゃダメなんだから。そこは彼氏のためだと思って、忙しくてもどこかで時間取らないと」
「そーだよなぁ……」

 自分自身も欲求不満でそろそろ辛い。女以上に男って性欲がたまって発散させないとやばいのだ。

 そろそろ何かで発散させるか……。二次元の美少女で……いや、最近二次元だけじゃ勃たなくなった。現実の気持ちよさを知ってしまうと二次元ってすべてが娯楽のように思えてしまうから不思議だ。

 

 ピンポンパンポーン


『えーEクラスの架谷甲斐。すぐに上のラウンジに来い。繰り返す。架谷甲斐は~』

 いきなりの校内放送で旦那の声が響き渡った。俺は呆然として聞いていた。

「あら、お呼び出し」
「ついに愛しのカレが我慢できなくて権力行使で呼び出そうって事ね」
「へ……」
「先生には早退って言っておくわネ」
「腰痛には気を付けな。明日は無理して学校来なくていいから。じゃあな」

 五反田と篠宮は問題が片付いたと言わんばかりにあっさりと去って行った。その台詞をよく考えずに俺は四天王専用VIPラウンジに向かう。矢崎直の従者として。実際、俺は未だに従者だからな。



「甲斐、来たな」
「え……あ、あのっ……っあ」

 ぎゅっといきなり抱き締められて、尻を躊躇いもなく撫でまわされた。性欲が溜まりに溜まっているので、それだけで股間に熱がこもるのを感じる。

「もう我慢できないんだ。溜まりすぎてイライラと不調が多くてマジやばいんだよ。仕事もミスばかりでっ」

 切羽詰まった表情の直は顔色が朝より悪そうだ。欲求不満のせいで仕事も失敗ばかりだという。

「っ……ま、まさか……呼び出した理由って……」
「家では子供らがいてできないし、なかなか二人きりにもなれない。だから、もうここでしかできないだろ」
「ッ――!」


 その言葉を最後に、濃厚なキスで唇を塞がれた。もう言葉はいらんだろ、ヤラセロと行動に移された。

 キスだけで腰がガクガクした俺は直に横抱きで持ち上げられ、仮眠室として使っているベットに押し倒された。

 あっさりと服を取っ払われ、下着も脱がされ、そして、一気に貪り尽くされた。もうこれでもかってくらい直に欲望をぶちまけられ、激しくも甘く抱かれまくって、放課後になるあたりまで抱き潰されましたとさ。

 当然、俺は途中で白濁だらけのグチャドロで気絶していた。計7回も中出しとかこいつ頭おかしくね?絶倫すぎだろ。


 *


「パパ!ママ、どうしちゃったの?」
「あー……いろいろあって疲れたみたいだ」

 気絶した甲斐を横抱きで持ち帰ったその晩、子供達に純粋な視線を向けられたのが心苦しかったが、まあ仕方のない事だ。適度に発散させないと絶倫な自分にとっては毒なのだ。許せ、甲斐。

「まま、まいにちいそがしいもんね」
「おかしゃ、だいじょぶ?」
「休んでれば大丈夫だ」
「じゃあ今日はウチが家事をがんばります!父様は母様の看病よろしくお願いしますね」

 にこっと笑う甲夜はさすが中身が大人だけあって事情は察しているようだ。

「あ、そうそう。今日から甲梨と直樹はウチの部屋で寝ようね」
「まあ、しかたないよねー」
「えーー!かよねえちゃん、なんで?」

 甲梨は変に事情がわかっているが、純粋培養の直樹は不満そうだ。

「父様と母様が大変だからですよ」
「おとしゃとおかしゃたいへんなの?」
「そりゃたいへんよ。ふうふなんだからよるにイチャイチャできないもん。ね?ぱぱ」

 さすが甲梨。オレに似てその年齢ながらマセているものだ。

「ま、まあな。でも、たまになら一緒に寝てもいいからな」
「……ほんと?」
「ああ。子供達との時間も大事にしたいからな」

 という事で、これからの甲斐との夜の営みの時間はなんとか確保できそうだ。これで平和な毎日を送れるようになる事だろう……



「……って思うかバカ!お前にとっては平和だが俺にとっては地獄だよ!あんたの無限大な性欲地獄に抱きつぶされて日々大変なんだからな!少しは自重しろっ!」
「まあまあ。毎日じゃねーから。せいぜい週3くらいの三回中出しペースだから」
「その三回で地獄を見るんだよバカ野郎!ううう、マジで俺……直に抱き殺されるんですけど。テクノブレイクで死ぬ……」


 完

 夫婦の受難ではなく、甲斐の受難でした。
 



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

処理中です...