イケメンに婚約破棄されましたが面食いなのでぜってえ復縁してみせますわ!

田村ケンタッキー

文字の大きさ
27 / 87
【第3章】盗賊退治も淑女の仕事ですわ! ちょっと寄り道ソボク村

復縁の旅に仲間? が加わるアレクシス嬢

しおりを挟む
 アレクシスは馬に跨り、アナベル一家に見送られて復縁の旅に戻った。
 北の街道に入ったところで自分の頬を叩く。

「いけません、いけませんわよ、アレクシス・バトレ。あなたは淑女なのに、子供の前であんなはしたなく声を上げるなんて」

 アナベルを見ていると過去の自分を思い出した。

「あの時お会いしたお師匠様のように、強く美しい女性になりたいと精進に精進を重ねてきましたが……私もまだまだですわね」

 それでも彼女は前を向く。

「それでも私は諦めませんわ。なりたい自分になるんです。そして最愛の人カルロス様の寵愛を……」
「あ、お取込み中すみませーん」

 決心を新たにしていると突如横から荷車が合流する。

「これからロデオに向かわれるんですよね? よろしければご一緒にさせていただきませんか?」
「あなたは……村に訪れてた商人?」
「そうです、はい! 覚えていてくれたんですね、感激です! あ、自己紹介がまだでしたね! 私の名前はエルメスです! 以後お見知りおきを~!」

 アレクシスは男に出会ったらまず顔を見る。
 エルメスと名乗った青年。そこそこ顔だちが整っており、悪くはない、むしろ良いほうなのだが、

(どうしてでしょう……ときめきよりも胡散臭さが勝りますわ……)

 脅威ではないのになぜか警戒しなくてはいけない気がした。
 眼前でピコピコ動くペラージョの耳にそっと囁く。

「……あなたはどう思います? 怪しいと思いませんか?」
「……フシーン」
「……あなたもそう思いますか?」

 エルメスは怪しまれていることに気付いているのかいないのか、ペラペラとまくし立てる。

「本当はお近づきの印に試供品とか渡したいんですけど、あいにく先日の盗賊にぜーんぶ奪われちゃいまして! えーえー、命があるだけ丸儲けとは言いますが、涙が止まりませんな!」

 おまけに小芝居まで始める。特別おもしろいわけでもなく耳を貸す気にもなれない。職業柄仕方ないのかもしれないが我慢を強いられている。

「……つまりあなたは……女性である私にボディガードをしてほしいと?」
「おっと! そこまで見抜かれてるんでしたら話が早い! まさにその通りです!」
「仕方ありませんわね。淑女として助けを求められては無視はできません。その代わりロデオに着くまでの間でしてよ」
「ありがとうございます、お姫様! ロデオに着いたらタンマリとお礼をさせていただきますので! あっとそういえば! とびっきりの耳寄りの情報を掴んでるんですよ? 知りたい? 知りたいですか?」
「そうですわね、お金を取らないなら知りたいですわね」
「そんなそんな! これしき! 恩人からお金なんて取りませんよ! 先日王都からロデオに届いたお触れなんですよ、ぜひ、目に通していただきたく」

 アレクシスはあまり興味がなかったが一応は受け取っておく。

「なになに、指名手配……罪状は国家転覆……まあ怖い……いったいどなたがそんなことを? 罪人は……アレクシス・バトレ……って私じゃありませんか、これ!??」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...