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【第4章】ロデオに吹く情熱の風 フラメンコも愛も踏み込みが肝心
自他共に反省を促すアレクシス嬢
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「ありがとう、アレクシスお姉さま。あなたがいなければ僕はカルメンと一生、和解できなくなったかもしれない。いろいろと迷惑をかけたけど……本当にありがとう。あはは、何度言っても足りないくらいだ」
アルフォンスはアレクシスの手を握って何度も振る。
「いいえ、これしきのこと淑女として当然のことですわ。それに私としてもカルロス様の願いに貢献出来て嬉しく思っていますの」
アレクシスはニコニコと笑った後に、
「……実はもう一つ、アルフォンス様に用事がありましたの」
「僕に用事かい? なんでも遠慮なく言ってよ!」
「ええ、それでは失礼します……」
アレクシスは膝を曲げ、アルフォンスと目線の高さを合わせてから手を振るった。
パチン!
頬を叩き、少年の柔肌は赤く染まる。
「……え?」
何が起こったかわからないアルフォンスに、怒りの表情を浮かべるアレクシス。
「アルフォンス様! 私はあなたには失望しました! なんですか、この体たらくは! あなたは誇り高きカスターニャ王国の第二王子アルフォンス様でしょう! それなのに民を不安にさせ、苦しめるような行為など言語道断です! いくら若いと言っても圧政に、いたいけな町娘を夜な夜な攫うなんて、カルロス様が聞いたら悲しみますわよ!」
「待ってくれ、アレクシス! 拙だ、全面的に拙が悪いんだ! ウーゴと結託していたのだ! あいつの圧政を見逃す代わりに拙の悪事も見逃すように互いに不可侵の約束を結んだんだ! だから罰するなら拙を罰してくれ!」
カルメンは歯を食いしばり殴り待ち。
「なるほど、ウーゴと結託を……」
アレクシスはため息をこぼした後に、再びアルフォンスの頬を叩いた。
「アレクシス! 貴様、それ以上アルフォンス様を侮辱するなら──」
「とまれ、カルメン! これは当然の罰だ!」
銃を取り出そうとしたカルメンをアルフォンスは手で止める。彼は頬を叩かれたことで目を覚ましたようだった。
「あなたの言う通りです、アレクシス様……僕は自分の若さを理由に、なすべき責務を見て見ぬふりをし放棄していました……これは国や民に対する背信行為だ……どんな重罰でも僕は受けるつもりです」
「アルフォンス様……ならば拙も……償える日が来るかはわかりませんが……一生お供します……」
二人は覚悟した目でアレクシスに向けた。
「勘違いなさらないでください。審判を下すのは私ではなく、カルロス様ですわ……ですがあの優しいお方なら償おうとする意志のある者には必ずや道を指し示してくれますわ。きっと二人にも寛大な処置が待っているでしょう。これにて一件落着ですわ、おーっほっほっほ!」
お約束の高笑いをした後に、
「さてと次の罰は私の番ですわね」
自らの右側頭部を殴り始めた。
「アレクシス姉さま!? いったい何やってんのさ!」
「情緒不安定か、貴様は!!!」
二人がかりで腕を抑えるがアレクシスは自傷をやめようとしなかった。
「離してくださいまし! 卑劣な私には罰が必要ですわ! 目的のためとはいえカルメンの心の傷をもてあそんだこと、そして手段のためとはいえアルフォンス様を盾にしたこと! どちらも淑女として許されることではありませんわ!」
殴って出来たタンコブは五段アイスみたいになる。
「拙は怒ってないぞ! むしろ感謝してるくらいだ!」
「そうだよ、お姉さまがいなければ僕たちはずっと平行線だったんだ! 感謝しきれないくらいだよ!」
「はーなーしーてーくーだーさーいーまーしー!」
アレクシスを説得するまで三十分ほど時間を要した。
アルフォンスはアレクシスの手を握って何度も振る。
「いいえ、これしきのこと淑女として当然のことですわ。それに私としてもカルロス様の願いに貢献出来て嬉しく思っていますの」
アレクシスはニコニコと笑った後に、
「……実はもう一つ、アルフォンス様に用事がありましたの」
「僕に用事かい? なんでも遠慮なく言ってよ!」
「ええ、それでは失礼します……」
アレクシスは膝を曲げ、アルフォンスと目線の高さを合わせてから手を振るった。
パチン!
頬を叩き、少年の柔肌は赤く染まる。
「……え?」
何が起こったかわからないアルフォンスに、怒りの表情を浮かべるアレクシス。
「アルフォンス様! 私はあなたには失望しました! なんですか、この体たらくは! あなたは誇り高きカスターニャ王国の第二王子アルフォンス様でしょう! それなのに民を不安にさせ、苦しめるような行為など言語道断です! いくら若いと言っても圧政に、いたいけな町娘を夜な夜な攫うなんて、カルロス様が聞いたら悲しみますわよ!」
「待ってくれ、アレクシス! 拙だ、全面的に拙が悪いんだ! ウーゴと結託していたのだ! あいつの圧政を見逃す代わりに拙の悪事も見逃すように互いに不可侵の約束を結んだんだ! だから罰するなら拙を罰してくれ!」
カルメンは歯を食いしばり殴り待ち。
「なるほど、ウーゴと結託を……」
アレクシスはため息をこぼした後に、再びアルフォンスの頬を叩いた。
「アレクシス! 貴様、それ以上アルフォンス様を侮辱するなら──」
「とまれ、カルメン! これは当然の罰だ!」
銃を取り出そうとしたカルメンをアルフォンスは手で止める。彼は頬を叩かれたことで目を覚ましたようだった。
「あなたの言う通りです、アレクシス様……僕は自分の若さを理由に、なすべき責務を見て見ぬふりをし放棄していました……これは国や民に対する背信行為だ……どんな重罰でも僕は受けるつもりです」
「アルフォンス様……ならば拙も……償える日が来るかはわかりませんが……一生お供します……」
二人は覚悟した目でアレクシスに向けた。
「勘違いなさらないでください。審判を下すのは私ではなく、カルロス様ですわ……ですがあの優しいお方なら償おうとする意志のある者には必ずや道を指し示してくれますわ。きっと二人にも寛大な処置が待っているでしょう。これにて一件落着ですわ、おーっほっほっほ!」
お約束の高笑いをした後に、
「さてと次の罰は私の番ですわね」
自らの右側頭部を殴り始めた。
「アレクシス姉さま!? いったい何やってんのさ!」
「情緒不安定か、貴様は!!!」
二人がかりで腕を抑えるがアレクシスは自傷をやめようとしなかった。
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殴って出来たタンコブは五段アイスみたいになる。
「拙は怒ってないぞ! むしろ感謝してるくらいだ!」
「そうだよ、お姉さまがいなければ僕たちはずっと平行線だったんだ! 感謝しきれないくらいだよ!」
「はーなーしーてーくーだーさーいーまーしー!」
アレクシスを説得するまで三十分ほど時間を要した。
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