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第3章 この猫、魔法使いで探索者!

第66話 ドラゴン乗りの駆除

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 私はアリスさんとともに、ダンジョンを進んでいる。
 やはりというべきか、戦闘スキルは彼女の方が上だった。

「フーリズ、マキシマム!」
 
 アリスさんが呪文を唱えると、目の前にいるスライムのほとんどが氷漬けになった。

「瑠璃さん! 今です!」
「あ、うん!」

 私は固まったスライムどもを刀で一刀両断した。
 スライムたちは、まるでダイアモンドダストのように粉々になった。
 しかし、これで終わりではなかった。
 向こうから、緑の怪物……恐らくゴブリンの群れがこちらに近づいてきたのだ。
 しかも奴らの中には、地竜のような怪物を使役し、馬のようにまたがっている奴もいた。

「随分手ごわそうじゃない?」
「大丈夫です! もう何回も戦っていますから……瑠璃さん、まずはあの『レッサードラゴン』に乗っているゴブリンを引き付けてください」
「レッサードラゴン……あの地竜のこと?」
「はい! 奴らは前しか見えないので、一直線にしか進みません、一定方向に引き付けてまとめて倒せば……」
「……一石二鳥ってことだね」

 なるほど、参考になる。
 やはり彼女はリン達と同じ、プロフェッショナルのようだ。

「瑠璃さん、これを……」
「……これは?」

 アリスさんは、私に黄色いハンカチのような布を手渡した。

「レッサードラゴンは動いているものに過剰に反応します、これで注意を引き付けてください」
「なんか闘牛みたいだね……わかった、やってみる」

 私は奴らに向かって走り出し、ハンカチを大きく振った。
 すると、レッサードラゴンが逸れに反応したのか、仲間のはずの歩兵たちを吹っ飛ばして、こっちに近づいてきた……って結構早くない!? まずいかも……。

「瑠璃さん! 走って!」
「う、うん!」

 私はハンカチを振りながら、ドラゴンに乗る奴らを引き付ける。
 後ろにいるアリスさんをふと見ると、杖を残った歩兵たちに向けていた。

「大地に眠る植物たちよ、この者たちを縛り付けよ、『プラントバインド』!」

 アリスさんが呪文を唱えると、歩兵たちに蔓が巻き付き、呪文名の通り縛り付けられ、身動きが取れなくなっていた。

「瑠璃さん! こっちに戻ってきてください!」
「Uターンってことね、わかった!」

 私は上手いこと曲がり、アリスさんのところへと駆けていく。
 ドラゴン乗り達は馬鹿正直に私に誘導されていた。

「瑠璃さん! このまま巻き付けている奴らに攻撃を!」
「えぇ!? アリスさんはどうするの!?」
「任せてください! ……『ビルドスカフォード』!」

 アリスさんが呪文を唱えると、私の目の前に床のようなものが出現した。
 私は意図を理解し、それに飛び乗って、それと同時に高く飛び上がった。
 アリスさんを飛び越え、巻き付けている歩兵たちに攻撃を仕掛ける。
 すると奴らは……煙となって消滅した。

一方アリスさんは……。

『大地よ、天高き壁となれ……『ランドウォール マキシマム』!』

 後ろを振り向くと、巨大な土の壁が出来上がっていた。
 すると壁の外側から鈍い音が響き渡る……恐らく、前しか見えない竜に乗る戦隊が、壁に激突しているのであろう。
 激突のたびに消滅しているのか……壁の外側から煙が上がっていた。
 ……どうやら、殲滅できたようだ……あの地竜、知能低すぎじゃない?
 私は消滅を確認し、アリスさんと合流した。
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