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第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!
ドワーフの過去 その8 ~心配~
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……後々、ラピスはリンとキセノンに対してこんなことを言ったらしい。
「実は男が苦手で、男を目の前にすると恐怖のあまり放心状態になってしまう」ことが……。
サキュバスのくせにそれはどうなんだ? と最初は思ったが、冷静になって「そういう奴がいても仕方がない」と考えた。
ワシだって男女問わず色んな奴を見てきた、それこそ孤児院には、変わった連中が沢山いた……故に、そういうサキュバスがいても、何もおかしくはない。
そんなこんなで、このパーティにいても仕方がないと考えたワシは、リンとキセノンに脱退する旨の事を伝えた。
「……てなわけだ、もうワシの役目は終わった、後は頑張れよ」
「えぇ!? 抜けちゃうの!?」
「そんな……」
2人はワシが抜けることが大きな損害だと考えたのか、必死に止めようとした。
「おいおい、男と一緒だと放心状態になる奴がいるのに、ワシが居たら仕事にならないだろうが」
「そ、そうだけどさ……」
「残念……」
……そんなにワシは役に立っていたか?
「まぁ、何かあればまた声掛けろよ、なに、ずっとソロで探索者やってたんだ、今さら1人でも大丈夫さ」
「そ、そう? うーん……でも、ラピラピのためなら仕方ない……のかな?」
リンとキセノンはとても残念そうな顔をしている……が、ここで、ワシは思った。
「何故ラピスは男が苦手なのか」、「男に何かされた過去でもあるのか」と。
気になったワシは、去り際、2人に伝えた。
「おう、そうだ。あのサキュバスのガキ……ラピスに伝えておいてくれねぇか?」
「な、何を?」
「お前がどういう理由で男が苦手なのか知らねぇが……もしも理由があるなら、誰かに話した方がいい、ましてやお前には仲間が2人もいるんだからな……ってな」
「う、うん! 伝えておくよ! また何かあったらよろしくね!」
「おう、じゃあな」
ワシは2人に背を向け、その場を去った。
☆
「……ってことがあったんですよ」
「そうかい、そりゃ気の毒だねぇ」
パーティを抜けた翌日、受付の姉ちゃんにラピスについて話した。
「にしても、あんた、若い女に囲まれてるのになんで手を出さないんだい? 私なんかよりよっぽどいいじゃないか」
「ワシは現状、貴方しか見ていませんよ。それに、若い女はどうも好きになれないんですよ、なんか、昔面倒見てた奴らを見ているようでね」
「そ、そうかい……」
……面倒を見ていた奴ら、そう、ワシにとってあの3人は、そういう目でしか見れていない。
……と、そういえばあいつら……大丈夫だろうか?
「なんだい、心配そうな顔して」
「そ、そうですか?」
「あぁ、なんだか、『あのパーティ、自分抜きで回るだろうか?』って顔してたよ」
「え、いや……」
どうやら、ワシの考えは筒抜けだったらしい。
「心配なら見に行ったらどうだい? ちょうど今日は、レイザー海岸に現れたダンジョンを探索中だよ」
「そ、そうですか……じゃあ……」
奴らの居場所を聞いたワシは、そこに向かう事にした。
「実は男が苦手で、男を目の前にすると恐怖のあまり放心状態になってしまう」ことが……。
サキュバスのくせにそれはどうなんだ? と最初は思ったが、冷静になって「そういう奴がいても仕方がない」と考えた。
ワシだって男女問わず色んな奴を見てきた、それこそ孤児院には、変わった連中が沢山いた……故に、そういうサキュバスがいても、何もおかしくはない。
そんなこんなで、このパーティにいても仕方がないと考えたワシは、リンとキセノンに脱退する旨の事を伝えた。
「……てなわけだ、もうワシの役目は終わった、後は頑張れよ」
「えぇ!? 抜けちゃうの!?」
「そんな……」
2人はワシが抜けることが大きな損害だと考えたのか、必死に止めようとした。
「おいおい、男と一緒だと放心状態になる奴がいるのに、ワシが居たら仕事にならないだろうが」
「そ、そうだけどさ……」
「残念……」
……そんなにワシは役に立っていたか?
「まぁ、何かあればまた声掛けろよ、なに、ずっとソロで探索者やってたんだ、今さら1人でも大丈夫さ」
「そ、そう? うーん……でも、ラピラピのためなら仕方ない……のかな?」
リンとキセノンはとても残念そうな顔をしている……が、ここで、ワシは思った。
「何故ラピスは男が苦手なのか」、「男に何かされた過去でもあるのか」と。
気になったワシは、去り際、2人に伝えた。
「おう、そうだ。あのサキュバスのガキ……ラピスに伝えておいてくれねぇか?」
「な、何を?」
「お前がどういう理由で男が苦手なのか知らねぇが……もしも理由があるなら、誰かに話した方がいい、ましてやお前には仲間が2人もいるんだからな……ってな」
「う、うん! 伝えておくよ! また何かあったらよろしくね!」
「おう、じゃあな」
ワシは2人に背を向け、その場を去った。
☆
「……ってことがあったんですよ」
「そうかい、そりゃ気の毒だねぇ」
パーティを抜けた翌日、受付の姉ちゃんにラピスについて話した。
「にしても、あんた、若い女に囲まれてるのになんで手を出さないんだい? 私なんかよりよっぽどいいじゃないか」
「ワシは現状、貴方しか見ていませんよ。それに、若い女はどうも好きになれないんですよ、なんか、昔面倒見てた奴らを見ているようでね」
「そ、そうかい……」
……面倒を見ていた奴ら、そう、ワシにとってあの3人は、そういう目でしか見れていない。
……と、そういえばあいつら……大丈夫だろうか?
「なんだい、心配そうな顔して」
「そ、そうですか?」
「あぁ、なんだか、『あのパーティ、自分抜きで回るだろうか?』って顔してたよ」
「え、いや……」
どうやら、ワシの考えは筒抜けだったらしい。
「心配なら見に行ったらどうだい? ちょうど今日は、レイザー海岸に現れたダンジョンを探索中だよ」
「そ、そうですか……じゃあ……」
奴らの居場所を聞いたワシは、そこに向かう事にした。
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