現代にダンジョンが現れたので、異世界人とパーティ組んでみた

立風館幻夢/夜野一海

文字の大きさ
341 / 424
第11章 探索者、オンステージ!

第290話 猛獣、巨大化

しおりを挟む
「いた!」
「あそこにいたか!」

 瑠璃を追いかけ、外に出た一行は、ようやっと追いついた。

「るり姉……何か……苦しんでる?」
「な、ななななななななな、何がどうなっているのやら……」
「みんな! バリ危なくなったら、ちゃんと武器を構えるんだよ!」

 親衛隊の面々は万が一に備え、鎧に身に纏っていた。
 しかし、暴走する瑠璃がリーパー達を倒していったのか、辺りに敵は見当たらなかった。

「あれ? るり姉ちゃんが動き出したよ!」
「本当だ……みんな……行こう!」

 瑠璃は獲物を見つけたのか、再び奥へと走り出した。
 一行もそれを追いかけるも、瑠璃の足はいつもよりも早く、まるでサバンナで獲物を追いかけているようだった。

「はぁ……はぁ……るり姉、早い……」
「翡翠ちゃん、こっち!」

 走り疲れた翡翠を見て、リンはすかさず、翡翠を背中に背負った。

「碧ちゃん……大丈夫?」
「アタシは大丈夫! それよりも早く終わないと……」

 目的地が定まらない中、一行は猛獣を追いかけ続けた。
 そして、彼女の目的地は……着いた瞬間にわかった。

「あ、あれはなんだい?」
「琥珀さん、あれは……このダンジョンのダンジョンボス、いわば親玉みたいなもんですよ」
「そ、そういえば病院の時にも大きな怪物がいたけど……それと同じやつかい?」
「それと同じです! 瑠璃の奴……一体どうするつもりなんだ?」

 瑠璃の目的地……それはダンジョンボスがいる場所であった。
 一行の目と鼻の先では、博物館の恐竜の化石をそのまま動かしたかのような怪物が方向を上げながら歩いていた。

「瑠璃の奴、どうするつもりだ?」
「多分……瑠璃ちゃん……あれと……戦う……つもりなのかも」
「えぇ!? 瑠璃姉ちゃん、あんな奴と戦うの!?」
「む、むむむむむむ、無茶じゃないですか!?」

 瑠璃の視線は恐竜の怪物に定められていて、端から見ても目標がそれであることは明確だった。
 瑠璃は狙いを定めると……突然、胸を抑え、苦しみだした。

「る、るり姉?」
「なんか……バリ苦しんでる?」

 瑠璃は唸り声をあげ……しばらくすると、それが解放されたかのように、両手を広げた。

「グオオオオオオオオ!!」

 瑠璃は猛獣のような雄叫びを上げると……またも体が変化した。
 全身に暗闇が覆い、手足からは鋭い爪、背中からは爬虫類のような羽が生え、頭からは角と獣の耳が生え始めた。

「あ、ありゃ……瑠璃を襲った怪物じゃねぇか!?」
「そ、それに、体もどんどん大きくなっていないかい!?」

 瑠璃は……さきほど自身を襲った怪物……キマイラに姿を変えたのだった。
 しかも、先程襲った手のひらサイズではなく……それとはけた違いに巨大であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

最強のコミュ障探索者、Sランクモンスターから美少女配信者を助けてバズりたおす~でも人前で喋るとか無理なのでコラボ配信は断固お断りします!~

尾藤みそぎ
ファンタジー
陰キャのコミュ障女子高生、灰戸亜紀は人見知りが過ぎるあまりソロでのダンジョン探索をライフワークにしている変わり者。そんな彼女は、ダンジョンの出現に呼応して「プライムアビリティ」に覚醒した希少な特級探索者の1人でもあった。 ある日、亜紀はダンジョンの中層に突如現れたSランクモンスターのサラマンドラに襲われている探索者と遭遇する。 亜紀は人助けと思って、サラマンドラを一撃で撃破し探索者を救出。 ところが、襲われていたのは探索者兼インフルエンサーとして知られる水無瀬しずくで。しかも、救出の様子はすべて生配信されてしまっていた!? そして配信された動画がバズりまくる中、偶然にも同じ学校の生徒だった水無瀬しずくがお礼に現れたことで、亜紀は瞬く間に身バレしてしまう。 さらには、ダンジョン管理局に目をつけられて依頼が舞い込んだり、水無瀬しずくからコラボ配信を持ちかけられたり。 コミュ障を極めてひっそりと生活していた亜紀の日常はガラリと様相を変えて行く! はたして表舞台に立たされてしまった亜紀は安らぎのぼっちライフを守り抜くことができるのか!?

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

処理中です...