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第12章 戦いの結末は、探索者たちが決める!

第315話 日本の民として

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「そして余は、日本の民に認められるようになった……今、隣に立っている日本の民、『猪飼瑠璃殿』もその一人だ!!」

 ダイヤさんは突然、私の肩を掴み、紹介し始めた。
 え、えぇ!? な、なんで私!? い、いや、認めたも何もないと思うんだけど……。

「よいか! 日本の民は皆、そなたらを蔑むようなものだけではない! 瑠璃殿のような、サンルートの民を認めてくれる者もいる! この周りにいるサンルートの民、並びに余たちと同じくこの世界に転移した外国の民も、全て瑠璃殿の協力者……仲間だ!!」

 な、なるほど……これを訴えるために私たちを出させたのか……。
 なんか……照れくさいかも。

「そして、今……サンルートの民が、日本の民に認められるときである!! 今こそ、『日本国旗』を掲げ、進軍してくるラブカルドを『日本国民として』戦うのだ!!」

 そういうと、ダイヤさんは何やら呪文を唱え……日本国旗を取り出した。
 な、なんで突然そんなものを?

「この太陽の旗……この旗を掲げ、東へと向かえ!! そこに、ラブカルドがいる!! 今こそ、ラブカルドを駆逐せよ!! ラブカルドは、ダンジョンを蔓延させ、ダンジョンのモンスターを使い、日本の中心に進軍しようとしているのだ!!」

 な、なるほど、確かに国旗を上げて戦えば、誤って自衛隊とかに攻撃される心配も無いかもね。
 実際、国旗の起源といえば、他の土地で戦争をするときに、自分たちの所属を明確にするために挙げられたのが始まりとか言うし……。

「ラブカルドを……あの半魚人どもを……今すぐ駆逐するのだ!! 繰り返すぞ!! この太陽の旗が日本国旗、そして……」

 ダイヤさんは繰り返し、カメラに向かって呼び掛けた……。
 そ、そうだ、私も何か声を上げないと……。

「み、みなさん! 今、日本が大変な状況なんです! わ、私たちだけではどうにもできません! 助けてください! お願いします!!」

 私もカメラに向かって叫び……頭を下げた。
 今、私たちだけではどうにもできない、どうしても人がいる……図々しいのは分かるけど、今はお願いするしかない。

「アタシたちも戦います! みんなもバリ協力して!」
「ウチらサンルート人はこんなんで逃げるようなへっぴり腰ちゃうやろ!」
「ワシも戦うぞ!」
「私も……」
「俺もピカピカ守りたい!」
「私だって、みんなの為に戦うよ!」

 ……私の言葉に乗じて、皆も声を上げてくれた……。

「この者らの言う通り! 今はこの土地を守るために戦う時だ! まだ繰り返すぞ! 今こそ日本国旗を揚げ、日本の民としてラブカルドと戦うのだ!!」

 私たちは、カメラに向かって訴え続けた。
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