梅雨崎歌仙

えーく

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夜叉2

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「こんにちは」

「夜叉」

(夜叉?それって私のこと?)

男の人は、静かにそう言い放ったと同時に、私の攻撃を避けた。

(ちがう!私はあなたに攻撃なんか…………)

そう思っても、体が勝手に動いてしまう。

(お願い!やめて!)

でも、聞こえてない!どうすれば……その時、男の人が持っていた刀が、私に貼られた御札のようななにかを、
真っ二つに切り裂いた。
その途端、何かが私から抜けていったように体が楽になった。
そして私は意識を失った。


「!?」

目が覚めたらそこは私の知らない部屋だった。

「ここ?どこだろう……」

ガラガラ!
ドアが空いてさっきの男の人が入ってきた。

「お!起きましたか。あなた3日も眠ってたんですよ。」

前言撤回。ぜんぜんさっきじゃなかった。

「3……日も……?」

「はい」

そんなに眠っていたなんて……あっ!そうだ!お礼言ってなかった。

「た……助けてくださいましてありがとうございます。」

「そんなに改まらなくてもいいですよ。」

「そっ……そうですか?あぁ!そう言えば、御札……」

「ああー。あれの説明をしなくては」

男の人は改まったようにして、私に三日前の出来事を教えてくれた。

私の中には「夜叉」がいるようだ。「夜叉」の力を使いこなすには、「夜叉と仲良くなる他ない」というのだ。夜叉と仲良くなる?どうやって?あっ!つまり私がここへ来てしまったのは、「夜叉」が原因だそうだ。

「まー。こんなところです。」

「あっ、ありがとうございます。」

(夜叉と仲良くなる……か……)

仲良くなるというのは私が1番苦手としていることだ。

(上手くいくかな?)

「そう言えば、名前聞いてなかった」

ふと思い出し、私は彼に問う。

「…………。天塚律(あまつかりつ)だ。」

「私、古花菜子…………」

「菜子か……?」

「じゃあ、律さんで……」

「律でいいぞ。」

「じゃあ律」

…………。気まずい。その時……

「りーーーーーつーーーーーーうーーーー!」

突然女の人が、部屋に入ってきた。

「なぁーに女の子連れ込んでんの?も・し・か・し・て~誘拐?」

女の人は律にぐいぐい近寄ってきてきて言い放つ。

「律はただ助けてくれただけ」

私は口を挟んだ。

「えっ?そうなの?なぁーんだ。誘拐だったら面白かったのに」

あーあ、うるさいのが来たんとばかりに、深いため息をつく律。

「はじめまして~律の幼馴染の八城和子(やしろわこ)で~す!」

「はじめまして。古花菜子です。」

「菜子ちゃん!いい名前ね!あっ、そうだ~!律~!終夜(しゅうや)とエミたんはもう帰ってきたの~?」

「終夜とエミたん?」

「終夜とエミル。旅をしている仲間だ。そいつらは数年前、ここの危機を救った。私たちにとってはヒーローのようなものだ。」

「ヒーロー……か」

いいな。私もヒーローになってみたい…………。



「せっせっせっせっせっ!」

幼い子の掛け声が聞こえる。

「せっせっせっせっせっせっ!とーーちゃーく!」

アタシは腰に掛けていた手動の除雪機を外して、主人がいる旅館に入った。
ロビーにいくと、着物を着た旅館の人が、こちらをみて、

「あら!エミルちゃん!お疲れ様。除雪ありがとうね。」

と言って温かいお茶を出してくれた。さっきから言っている「除雪」と言うのは、今やっているアタシの仕事。除雪の方法は、アタシの主人が作ってくれた腰からかける除雪機で、歩きながら町を綺麗にすると言うもの。アタシが歩くだけで、町を綺麗にできる!とても嬉しい。

「エミル!」

おっ?ご主人の声!

「終夜ーーーーーー!」

「除雪お疲れ様。はい、お小遣い。」

「いえーい!これでお人形さんが買えるー!」

「人形?」

「うん!この間お人形持っている子を町で見てねー、欲しくなったの!」

「じゃあ、一緒に町に行って、買ってこようか。」

「わーい!」

あっ!自己紹介するね!アタシエミル。んで、こっちがアタシの主人こと八美終夜(やよいしゅうや)。
これから一緒にショッピング!

「ふふふ!楽しみね!」
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みんなの感想(2件)

闇花キャンドル

しずくさんがいないヽ(;▽;)1話だけだったりします?しませんよね!またでてにますよね!

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闇花キャンドル

しずくさん大丈夫なんでしょうか
(´;ω;`)

えーく
2018.12.19 えーく

閲覧ありがとうございます。(初コメントドキドキ!)
はい!大丈夫です。(きっと)
この後何かしらの形で出すかもしれません。
あと新シリーズも書く予定なので、そちらの方も良かったらぜひ!
ちなみに題名は「R★bit」です。

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