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1章
始まり⑤
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「さてさて、今日の授業はですね…」
クレイル先生は生徒をキョロキョロ見渡しながら今からやる授業を決めようとしているようだった。
「う~ん、何がいいかでしょうか?」
「ウォーターマジックでもやりましょうかね。生活でも役に立つでしょうし、何より面白い。」
「先生、ウォーターマジックってなんですか?」
先生の近くにいたオレンジ色の髪の毛の女生徒が聞いた。
「水系の魔法です。その中でも水を操って、動かす魔法です。結構、面白いですよ。王都での祭りでは魔術師達がパフォーマンスで行っていたりしていて壮観ですよ。」
「先生、王都に行ったことがあるんですか?」
チェスターが聞いた。王都はここから結構距離があるので行ったことがある人は少ない。
「ええ、あります。あるというより、王都に住んでいました。王都からここに引っ越してきたのです。」
「なんでですか?俺は王都に行ってみたいのに。」
「私は魔法の研究が好きでしてね。それに新しい知識を学ぶのも好きなのでここに来て働いているのです。」
「へえ、そうなんだ。そしたら、俺たちに魔法を教えるのはついでってこと?」
「あははは。そんなことはありませんよ。若者に知識を教えることはとても刺激的ですからね。」
「ふ~ん。」
「おっと、話が脱線してしまいましたね。」
「そうだ、そうだ。ウォーターマジック面白そうだ。早く教えて欲しい。」
チェスターは自分が脱線させたのに全く悪びれていない。
「まずはやってみましょう。」
先生は水を生成すると僕たちの目の前でその水で輪っかを作ったり、ハートの形を作ったり、蛇みたいに動かしたりした。
「どうでしょうか?」
先生が恭しく頭を下げた。
うぉーとかすげぇーとか生徒達から喝采が起こった。僕も素直に凄いと思った。チェスターとバルクも興奮していた。チョウも真剣に先生の魔法を見ていた。
「それでは、みなさんにまずやってもらうことは…」
クレイル先生はもったいつけて話す癖があるようだ。生徒達を見渡しながらゆっくりと間を取った。
にかっと笑うとこう言った。
「まず、水を汲んできてもらうことです。」
「ええ、なんだよそれー。」
「チェスター君、そうは言っても君たち水を生成することはできないでしょう。」
「水を生成するところから教えてくれればいいじゃないですか?」
「生成魔法は、難しいのですよ。それにウォータマジックだって簡単に出来る魔法じゃないんですよ。」
確かに生成魔法というのはとても難しいと聞いたことがある。
「さあ、時間は限りある物ですからね。それ、行った、行った。」
先生がそう言うと生徒達はバラバラと立ち上がり、水を汲みに行った。
「俺たちも行こうぜ。」
「そうだね。」
僕はこたえる。
「一番、近いのは塔の水飲み場だけど。みんなそこにいくだろうから、外の訓練場の方に行かないか?」
「おう、そうしようぜ。」
バルクの提案に特に僕もチョウも異論はなかったので4人で連れ立って、訓練場の方に向かった。
剣技や体技を訓練するための使用される訓練場だ。
水は先生が用意してくれていたガラスの容器に入れた。用意された容器はいろんな色があった。ただ、僕は何色でも同じだと思って、手前にあったオレンジ色の容器を選んだ。
蛇口を捻ると冷たい水が出てくる。
「生成魔法が使えれば楽なのになあ。」
「生成魔法は大人でも使える人は少ないらしいよ。それにすごい、疲れるらしい。」
「へぇ、じゃあ、あの先生結構すごいんだな。」
「まあ、学びの塔で教えている先生は大体すごい人らしいよ。」
水を汲み終えて、僕たちはさっきの場所まで戻った。
ウォーターマジックは思ったより難しかった。水を動かすことはできても、空中で制御を失って地面に落ちてしまう生徒が大半だった。そのため、何度も水を汲みに行くことになった。水を操って、形を作るなんてとてもじゃないけど、出来なそうだ。
「ええ、みなさん、いいセンスしてますよ。何事も最初から上手くいくことは稀です。」
クレイル先生は生徒たちの間を縫い歩きながら、声をかけてた。
バシャ。
何度やっても水がすぐに落ちてしまう。
「シブリヤ君、悪くないですよ。いいセンスです。まずは30秒空中で水を止めてみましょう。」
先生とは初対面だがもう、シブリヤと認識されている。
他の生徒達を見ると、輪っかくらいなら作れるようになっている人がちらほらいた。
クレイル先生は褒めて指導していくタイプなのかもしれない。
僕は気を取り直して、水に集中した。
「じゃあ、今日はここまで。」
授業を終えるころには2、3分は水を空中に留めておくことは出来るようになった。水で形を作るのはまだ、難しかった。
「結構、疲れたな。」
4人はヘトヘトになって、学びの塔に戻った。
クレイル先生は生徒をキョロキョロ見渡しながら今からやる授業を決めようとしているようだった。
「う~ん、何がいいかでしょうか?」
「ウォーターマジックでもやりましょうかね。生活でも役に立つでしょうし、何より面白い。」
「先生、ウォーターマジックってなんですか?」
先生の近くにいたオレンジ色の髪の毛の女生徒が聞いた。
「水系の魔法です。その中でも水を操って、動かす魔法です。結構、面白いですよ。王都での祭りでは魔術師達がパフォーマンスで行っていたりしていて壮観ですよ。」
「先生、王都に行ったことがあるんですか?」
チェスターが聞いた。王都はここから結構距離があるので行ったことがある人は少ない。
「ええ、あります。あるというより、王都に住んでいました。王都からここに引っ越してきたのです。」
「なんでですか?俺は王都に行ってみたいのに。」
「私は魔法の研究が好きでしてね。それに新しい知識を学ぶのも好きなのでここに来て働いているのです。」
「へえ、そうなんだ。そしたら、俺たちに魔法を教えるのはついでってこと?」
「あははは。そんなことはありませんよ。若者に知識を教えることはとても刺激的ですからね。」
「ふ~ん。」
「おっと、話が脱線してしまいましたね。」
「そうだ、そうだ。ウォーターマジック面白そうだ。早く教えて欲しい。」
チェスターは自分が脱線させたのに全く悪びれていない。
「まずはやってみましょう。」
先生は水を生成すると僕たちの目の前でその水で輪っかを作ったり、ハートの形を作ったり、蛇みたいに動かしたりした。
「どうでしょうか?」
先生が恭しく頭を下げた。
うぉーとかすげぇーとか生徒達から喝采が起こった。僕も素直に凄いと思った。チェスターとバルクも興奮していた。チョウも真剣に先生の魔法を見ていた。
「それでは、みなさんにまずやってもらうことは…」
クレイル先生はもったいつけて話す癖があるようだ。生徒達を見渡しながらゆっくりと間を取った。
にかっと笑うとこう言った。
「まず、水を汲んできてもらうことです。」
「ええ、なんだよそれー。」
「チェスター君、そうは言っても君たち水を生成することはできないでしょう。」
「水を生成するところから教えてくれればいいじゃないですか?」
「生成魔法は、難しいのですよ。それにウォータマジックだって簡単に出来る魔法じゃないんですよ。」
確かに生成魔法というのはとても難しいと聞いたことがある。
「さあ、時間は限りある物ですからね。それ、行った、行った。」
先生がそう言うと生徒達はバラバラと立ち上がり、水を汲みに行った。
「俺たちも行こうぜ。」
「そうだね。」
僕はこたえる。
「一番、近いのは塔の水飲み場だけど。みんなそこにいくだろうから、外の訓練場の方に行かないか?」
「おう、そうしようぜ。」
バルクの提案に特に僕もチョウも異論はなかったので4人で連れ立って、訓練場の方に向かった。
剣技や体技を訓練するための使用される訓練場だ。
水は先生が用意してくれていたガラスの容器に入れた。用意された容器はいろんな色があった。ただ、僕は何色でも同じだと思って、手前にあったオレンジ色の容器を選んだ。
蛇口を捻ると冷たい水が出てくる。
「生成魔法が使えれば楽なのになあ。」
「生成魔法は大人でも使える人は少ないらしいよ。それにすごい、疲れるらしい。」
「へぇ、じゃあ、あの先生結構すごいんだな。」
「まあ、学びの塔で教えている先生は大体すごい人らしいよ。」
水を汲み終えて、僕たちはさっきの場所まで戻った。
ウォーターマジックは思ったより難しかった。水を動かすことはできても、空中で制御を失って地面に落ちてしまう生徒が大半だった。そのため、何度も水を汲みに行くことになった。水を操って、形を作るなんてとてもじゃないけど、出来なそうだ。
「ええ、みなさん、いいセンスしてますよ。何事も最初から上手くいくことは稀です。」
クレイル先生は生徒たちの間を縫い歩きながら、声をかけてた。
バシャ。
何度やっても水がすぐに落ちてしまう。
「シブリヤ君、悪くないですよ。いいセンスです。まずは30秒空中で水を止めてみましょう。」
先生とは初対面だがもう、シブリヤと認識されている。
他の生徒達を見ると、輪っかくらいなら作れるようになっている人がちらほらいた。
クレイル先生は褒めて指導していくタイプなのかもしれない。
僕は気を取り直して、水に集中した。
「じゃあ、今日はここまで。」
授業を終えるころには2、3分は水を空中に留めておくことは出来るようになった。水で形を作るのはまだ、難しかった。
「結構、疲れたな。」
4人はヘトヘトになって、学びの塔に戻った。
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