なにわ友あれダンジョン1「オタ社長が空手ギャルや巨乳バニーと同棲中(●秘)?」これは事案ですか。いいえ。人助けですからセーフ。

内村うっちー

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第二章 現実の社会はさほど甘くない。

第三十七話 バニーちゃんと一緒(16)

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 永依のヒーロー呼ばわり。自分には何もできなかったけど……
「いやいやいや。いつもどおりで雰囲気に流された結果だから。
二人を助けられたのも結果オーライ……AI。紹介しよっか?」

 胸ポケットのスマホに触れる。女性型femaleの本体だ。

 元ネタがナイト2000。中年は理解する懐かし海外ドラマ。
もちろんネーちゃんに布教された。いくつも見せられたDVD。
 
「信じらんないけど全自動AIの運転なんだ。男性型male。
足代わり車いすは女性型female。協力してくれたんだよ」


 言葉の説明と同時だ。ナビの液晶パネルが起動する。二次元で
アニメ絵の男女が現れた。投影されると会釈で勝手な自己紹介。

『ケージさまの相棒になるジョーカー搭載AI。maleです』

『車いす用の女性型AIです。femaleとお呼びください』
 アニメ映像。執事とメイドの綺麗な所作。厳かに頭をさげた。

「迷宮で生まれた元ウサギ。宇佐美ココだ。ココと呼べばいい」
 助手席の背後はココ。妙にあっさりした口調。端的に伝える。

「ふーん。二人がケーちゃん手伝ってくれたんだ。ありがとね」
 永依に同意だ。単独で何もできるはずがない自分。感謝だよ。


「あーしは姪っ子ちゃん。去年は全中女子の空手チャンピオン。
これからマルくんとヒメちゃんが足代わりなんだね。よろしく」
 自己紹介のあとが問題。いつものアヤシイ名づけはおかしい。

 ニックネームで呼ばれた瞬間。執事とメイドが驚きの表情だ。
いきなりの全身フリーズ。悪くないのかな。すぐ笑顔に戻した。

 車内で互いの紹介がおわるとサイレン音。周囲に鳴り響いた。
頭を振ったフロントガラスは多数の特殊車両。こっちにくるね。

 パトカーにつづいた大型車輛。団体さんの装甲車は陸自かな。

 前で急停止するパトカー。助手席を飛びだした美里が駆ける。
背後の装甲車。助手席から白衣が現れる。走りよるのは鈴音だ。


「学校帰り拉致された情報で驚いたの。みんな無事でよかった。
佳二くんが近いから車で追走。聴いたけど余計に心配でね……」
 駆けよる美里が息をきらして伝える。同時に鈴音も追随した。

「ケージくんらしいけど。ハリウッド映画みたいでビックリよ」
「誘拐犯? どこの何者ですか。チャラい男たちの集団ってさ。
ナンパじゃないし組織的ですよね」マジメな表情で二人に問う。

 黙秘は難しいと考えたのか。美里がこわい表情でうなずいた。
「大陸の覇権国家が黒幕らしいの。ちょうど今晩からだよね?」

 仕方ないと応じる鈴音だ。視線を向けるとゆっくり追加した。


「冬季オリンピックを首都で開催するの……かなり前だけどね。
夏のオリンピック会場も同じ地域にある。公園にできちゃった」
 鈴音のキレイな声だ。悔しげに顔をゆがめながら説明される。

「できちゃった? あぁ。もしかしなくてもダンジョンですか」
 一瞬だけ顔をしかめて悩む。すぐ正解までたどりついたけど。

「そうそう。そのものずばりよ。オリンピック公園ダンジョン。
国家の威信。精鋭チームを即時投入……全滅した」美里の声だ。

「それは悲惨な状況だけど……ココに繋がる理由。わかんない」
 この国は離れ小島だ。敵対する国も直接。攻撃は難しいよね。


「うん。ダンジョンから世界中に届いた機械音。あれが直接的な
要因かもね。階層主を攻略した情報。詳細は内緒にしてるから」
 鈴音の説明に悩む。ココの存在がもれて誘拐に至る不可解さ。

 広範囲に思考を巡らせる。ココが必要になる理由は何だろう?

 ダンジョンの攻略に関することなのか。この周囲にいる誰かが
ココの個人情報……敵国に売り渡した可能性。原因はそれかな。

 だけどさ。中学に通い始めた初日だよね。拉致はその帰り道。
どこかに見落とした情報もある。もしくは落ち度があったのか。

 とにかく中学に通わせるのはヤメ。危機がなくなってからだ。
普通に暮らしたいけど。相手も国家の威信をかけた勝負なんだ。


「ケーちゃんどしたの? ケーちゃんっ!」永依の声が響いた。

 急激な頭痛で崩れるように倒れる。運転席の正面コンソール。
いつのまにかぶつけていた。かなりの衝撃音も伝わったらしい。


 まだ闘いが始まってはいない状況だ。なぜか倒れたんだけど。
何が起こるかわからない。静かな悪意……それだけが忍びよる。
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