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瑠色と寝た男4
修也・22歳*1
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修也に先にお風呂へ行くように促して、ボクは寝室のベッドを整えた。
それから、修也が着られそうな服を見繕って風呂場に持っていく。
「修也、着替え此処に出しておくよ。あと、ちょっとコンビニ行ってくるね」
と声を掛けた。
「えっ? なんで?」
中から、戸惑うような声がした。心配しなくてもここはボクの家だから居なくなることはないのにな、と考える。
「家には買い置きをしてないから、ゴムを買いに行ってこないといけないし、下着はさすがにボクのじゃ無理だから…」
ボクの言葉に動揺したのか、扉の向こうから桶が床に転がる音がした。
「行ってくるから、ゆっくり入ってて」
そしてボクは財布と鍵を持って、コンビニに向かった。
最寄りのコンビニは、自転車ならすぐだ。
コンビニでゴムとローション、それから、さっきは買わなかったスポーツドリンクとお茶、簡単に食べられるおにぎりやサンドイッチを買い込む。
それから、修也の下着も。
店員に何て思われてるかな…とか、余計なことを考えつつ、急いで家に帰ることにした。
「ただいま~」
修也はまだお風呂に居るようだった。よかった。
買ってきたものを、食べ物はテーブルの上に置いて、飲み物は冷蔵庫に入れた。ローションとゴムは寝室へ。
そして、修也の所へパンツを届けに行った。
「修也、ただいま」
「おっ、おかえり…!」
修也は動揺しまくりだ。
「大丈夫? のぼせない?」
「平気、だ。もうすぐ出るから…!」
了解だよ、と声をかけて、服の上にパンツを置いてボクは寝室へ向かった。
とりあえず、枕元に諸々をセッティングしておいた。
ティッシュの残量なんかを確認していると、寝室の扉が開いた。
「おかえり」
ボクが言うと、修也は小さな声でただいまと返してくれた。
「じゃあ、ボクもシャワー浴びてくるからね。雑誌とかテレビとか好きに見てて? 冷蔵庫に飲み物も入ってるから。あ、蒼太の名前書いてあるヤツは飲まないでね、怒られるから」
「…わかった」
ボクは着替えを手にしてシャワーへ向かう。
あまり待たせていても緊張が高まるだけだからと、手早く体を洗う。
そういえば、ちょっとだけどお酒入ってたな…とか、そんなことを考えつつ、シャワーから上がる。
キッチンへ行き、冷蔵庫からお茶を出して、飲みながら寝室へ戻ると、修也は部屋の真ん中で立ち尽くしていた。
「えっ…ずっとそうしてた?」
「…いや、違うけど…落ち着かなくて…」
ボクは飲んでいたボトルを修也へ渡した。
「飲む?」
「ん…」
ボクからボトルを受け取った修也は、一気に半分ほど飲み干した。
修也から緊張が伝わってくる。だからと言ってボクまでつられて緊張してては、修也が余計に緊張してしまう。
「おいで、修也。そんなとこ立ってても何もできないよ?」
手招きをすると、修也はこくりと喉を鳴らして、ボクのところまで歩み寄って来た。
でも、ボクのとなりには座らない。
「…本当に、良いんだな、るい」
「うん。っていうかそれはボクが言うセリフだよ。良いの?」
「良い。…だから、るいも覚悟を決めてくれ」
そんな事を言う割りに、修也は覚悟が決まっているような様子に見えなかった。
「解った。…嫌だと思ったら止めるから、ちゃんと言ってね?」
「…おう」
修也は神妙な面持ちで、ボクのとなりに座った。
「明かり落とす?」
「…いい」
ぶっきらぼうな返答に笑いつつ、ボクは修也の頬に手を触れた。
「こっち向いて…?」
修也の顔がこちらに向いた。でも、目は合わない。
「…今度はさ、ボクの涙を止めるためじゃない、ちゃんとしたキスしようよ」
「…ああ」
一瞬だけ、修也は悲しそうな顔をした。そして、ボクを抱きしめる。
思いがけず強く抱きしめられて、ボクは少し驚いた。
「好きだよ、るい…」
耳の近くでささやかれた声は、苦しそうで、泣きそうで、すごく辛そうだった。
「…ありがとう、ごめんね」
ボクがそう返したら、修也はぎゅっと眉を寄せて、ボクにキスをした。
この間、居酒屋のトイレでされたような、無理やりなキスじゃなくて、柔らかくてふわふわした、優しいキスだ。
まるで、ためらっているみたいに修也の唇が震えている。緊張しているんだろうか、ボクにキスをするっていうだけなのに。
「…ん…」
くすぐったくて、ボクから声がこぼれる。それを聞いたからか、修也がぐいっと近づいてきてキスが急に深くなった。
思わず唇を開けば、当たり前の様に修也の舌が入って来る。
いきなり大胆に舌をからめとられて、きつく吸い上げられる。舌先を甘噛みされてビリビリと刺激が走る。求められるキスって、すごく気持ちが良い。
やると言ったからには、応えてあげよう。そう思って、情熱的なキスを返す。
キスをしながら、修也の手がボクの服を脱がしにかかる。
「ん…ッ」
大きな掌が、ボクの身体を撫でまわすのが、くすぐったくて不思議に気持ちがいい。触れられることでゾクゾクと興奮が沸き上がって来る。
別に、飢えてるわけでも、ご無沙汰な訳でもないのに。
今度はボクが、修也の服を脱がそうと手を伸ばす。二人とも、被って着るタイプの服を着ていた為に、キスは中断。
相手を脱がすより自分から脱いだ方が早いと思って、ボクは上着を脱ぎすてた。
「……想像していたのよりも、もっと綺麗だ…」
たまらない様子でつぶやいた修也の声は、ボクの胸をくすぐった。
「えっ…ボクの…?」
思わず聞き返してしまった。
「いや、ちが、…違わない…。違わないな…、ずっと想像してた…、るいと、こうなる事…」
修也の言葉は、ボクの胸を打った。
ボクが想像していたより、ずっとずっと、修也はボクが好きなんだ…と。
一途に思われるっていうのは、こんなに胸に迫るものなのか…。
それから、修也が着られそうな服を見繕って風呂場に持っていく。
「修也、着替え此処に出しておくよ。あと、ちょっとコンビニ行ってくるね」
と声を掛けた。
「えっ? なんで?」
中から、戸惑うような声がした。心配しなくてもここはボクの家だから居なくなることはないのにな、と考える。
「家には買い置きをしてないから、ゴムを買いに行ってこないといけないし、下着はさすがにボクのじゃ無理だから…」
ボクの言葉に動揺したのか、扉の向こうから桶が床に転がる音がした。
「行ってくるから、ゆっくり入ってて」
そしてボクは財布と鍵を持って、コンビニに向かった。
最寄りのコンビニは、自転車ならすぐだ。
コンビニでゴムとローション、それから、さっきは買わなかったスポーツドリンクとお茶、簡単に食べられるおにぎりやサンドイッチを買い込む。
それから、修也の下着も。
店員に何て思われてるかな…とか、余計なことを考えつつ、急いで家に帰ることにした。
「ただいま~」
修也はまだお風呂に居るようだった。よかった。
買ってきたものを、食べ物はテーブルの上に置いて、飲み物は冷蔵庫に入れた。ローションとゴムは寝室へ。
そして、修也の所へパンツを届けに行った。
「修也、ただいま」
「おっ、おかえり…!」
修也は動揺しまくりだ。
「大丈夫? のぼせない?」
「平気、だ。もうすぐ出るから…!」
了解だよ、と声をかけて、服の上にパンツを置いてボクは寝室へ向かった。
とりあえず、枕元に諸々をセッティングしておいた。
ティッシュの残量なんかを確認していると、寝室の扉が開いた。
「おかえり」
ボクが言うと、修也は小さな声でただいまと返してくれた。
「じゃあ、ボクもシャワー浴びてくるからね。雑誌とかテレビとか好きに見てて? 冷蔵庫に飲み物も入ってるから。あ、蒼太の名前書いてあるヤツは飲まないでね、怒られるから」
「…わかった」
ボクは着替えを手にしてシャワーへ向かう。
あまり待たせていても緊張が高まるだけだからと、手早く体を洗う。
そういえば、ちょっとだけどお酒入ってたな…とか、そんなことを考えつつ、シャワーから上がる。
キッチンへ行き、冷蔵庫からお茶を出して、飲みながら寝室へ戻ると、修也は部屋の真ん中で立ち尽くしていた。
「えっ…ずっとそうしてた?」
「…いや、違うけど…落ち着かなくて…」
ボクは飲んでいたボトルを修也へ渡した。
「飲む?」
「ん…」
ボクからボトルを受け取った修也は、一気に半分ほど飲み干した。
修也から緊張が伝わってくる。だからと言ってボクまでつられて緊張してては、修也が余計に緊張してしまう。
「おいで、修也。そんなとこ立ってても何もできないよ?」
手招きをすると、修也はこくりと喉を鳴らして、ボクのところまで歩み寄って来た。
でも、ボクのとなりには座らない。
「…本当に、良いんだな、るい」
「うん。っていうかそれはボクが言うセリフだよ。良いの?」
「良い。…だから、るいも覚悟を決めてくれ」
そんな事を言う割りに、修也は覚悟が決まっているような様子に見えなかった。
「解った。…嫌だと思ったら止めるから、ちゃんと言ってね?」
「…おう」
修也は神妙な面持ちで、ボクのとなりに座った。
「明かり落とす?」
「…いい」
ぶっきらぼうな返答に笑いつつ、ボクは修也の頬に手を触れた。
「こっち向いて…?」
修也の顔がこちらに向いた。でも、目は合わない。
「…今度はさ、ボクの涙を止めるためじゃない、ちゃんとしたキスしようよ」
「…ああ」
一瞬だけ、修也は悲しそうな顔をした。そして、ボクを抱きしめる。
思いがけず強く抱きしめられて、ボクは少し驚いた。
「好きだよ、るい…」
耳の近くでささやかれた声は、苦しそうで、泣きそうで、すごく辛そうだった。
「…ありがとう、ごめんね」
ボクがそう返したら、修也はぎゅっと眉を寄せて、ボクにキスをした。
この間、居酒屋のトイレでされたような、無理やりなキスじゃなくて、柔らかくてふわふわした、優しいキスだ。
まるで、ためらっているみたいに修也の唇が震えている。緊張しているんだろうか、ボクにキスをするっていうだけなのに。
「…ん…」
くすぐったくて、ボクから声がこぼれる。それを聞いたからか、修也がぐいっと近づいてきてキスが急に深くなった。
思わず唇を開けば、当たり前の様に修也の舌が入って来る。
いきなり大胆に舌をからめとられて、きつく吸い上げられる。舌先を甘噛みされてビリビリと刺激が走る。求められるキスって、すごく気持ちが良い。
やると言ったからには、応えてあげよう。そう思って、情熱的なキスを返す。
キスをしながら、修也の手がボクの服を脱がしにかかる。
「ん…ッ」
大きな掌が、ボクの身体を撫でまわすのが、くすぐったくて不思議に気持ちがいい。触れられることでゾクゾクと興奮が沸き上がって来る。
別に、飢えてるわけでも、ご無沙汰な訳でもないのに。
今度はボクが、修也の服を脱がそうと手を伸ばす。二人とも、被って着るタイプの服を着ていた為に、キスは中断。
相手を脱がすより自分から脱いだ方が早いと思って、ボクは上着を脱ぎすてた。
「……想像していたのよりも、もっと綺麗だ…」
たまらない様子でつぶやいた修也の声は、ボクの胸をくすぐった。
「えっ…ボクの…?」
思わず聞き返してしまった。
「いや、ちが、…違わない…。違わないな…、ずっと想像してた…、るいと、こうなる事…」
修也の言葉は、ボクの胸を打った。
ボクが想像していたより、ずっとずっと、修也はボクが好きなんだ…と。
一途に思われるっていうのは、こんなに胸に迫るものなのか…。
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