【完結】 『未熟』スキル 最強ではないが相手を最弱にすれば関係ない ~かつてパーティーを追放された者の物語~

はくら(仮名)

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第八話 まるで

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 ルタはもう一度男に向くと、

「というわけだから、おれのだけ先に作っといてくれ。この人のはもうちょいあとで注文するから」
「まったく、一緒に食べようってこともしねーのか?」
「いいからさっさと作れっての」
「はいはい、お客さん、分かりやしたよ」

 文句を言うように男は応じると、さっそく頼まれた料理を作り始める。そしてルタはあいているテーブル席へと向かい、ロウもそれについていく。
 席に向かいながら、少女はそれとなく定食屋のなかを観察してみた。天井付近の壁にはメニューとおぼしきものがずらっと書かれてある。
 魚定食や肉定食、少年が頼んだ日替わり定食など、様々なバリエーションがあった。

「あれ見て頼んでもよかったかも……」

 小さく少女がつぶやくと、ん? と少年が振り返る。なんのことだか察したようで。

「ああ、あれね。慣れてるならともかく、初めてなんだろ。決めるまでずっと上見てたら、首が疲れると思ってな」
「……」

 どうやら彼の気配りだったらしい。そうこうしているうちにテーブルに着き、彼が座ってから少女も対面側に座る。
 木製のテーブルと椅子で、結構な年季が入っているものだった。椅子には座布団が敷かれていて、座り心地は悪くはないが良くもない。まあ普通といったところだ。

「ほら、これメニュー表」
「あ、ありがとうございます」

 テーブルに置かれていたメニュー表を手渡されて、少女はそれをパラパラとめくっていく。長年使われていたものらしく、端のほうがところどころ曲がっていたり破れていたりしていた。

「いっぱいあるんですね。肉じゃがや漬け物、焼き鳥や刺し身も」
「おう。じゃんじゃん食え。この店のはどれもうまいからな。遠慮はいらねえぞ」
「いや、払うのあたしですし」
「はっはっはっ、だからだよ」
「…………」

 悪びれもなく笑う少年を、彼女は呆れたようにジト目で見た。わりと早い段階で気付いていたことではあるが、この少年は図々しいところがあるらしい。
 と、そのとき店の入口が開いて、数人の冒険者と思われる者達が入ってきた。

「おー、意外とちゃんとしてんじゃん」
「ボロいわりにな。ま、問題は味だよ、味」
「ハハハッ、マズかったら踏み倒しゃあいいだけだっての」

 見た目的には荒々しい戦士や武闘家といった出で立ちだが、人目を憚らないその言動に、ロウは心のなかで訝しんでしまう。

(まるで賊ね)

 そう思っていると、不意に少年が言ってきた。

「おい、早く決めろよ。おやっさんに頼むんだからさ」
「あ、はい、すみません」
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