かつて天才と言われた落ちこぼれ。ムカついたので自由に生きてたらいつの間にか最強と言われるようになってた件

はくら(仮名)

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第二章 ゾディアックにまつわる面倒な連中

第十話 たいまん

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 放課後。時刻は既に夕方を過ぎ、太陽も沈んで外は暗くなっている。
 場所は学園内の総合訓練施設。昼間、オーク達が出た建物だ。
 高い天井から明かりが降り注ぐその施設内に、向かい合うようにして、二年生のゾディアック、モード=サーと対峙していた。

「へえ。この俺に辿り着くまでにもう少し掛かると思ってたけど、意外と早かったな。いつ頃には気付いてたんだ?」

 日に焼けたような色黒の肌に、男としては長めの髪を後ろでまとめた髪型。外見だけ見れば軟派なように見受けられ、学園の天才集団のゾディアックの一人とは思えないだろう。

「昼休みには目星を付けていた」

 だが油断はしない。奴の身体から漏れ出ている魔力の質は、同年代のそれよりも遥かに高いレベルにある。

「ハハッ。マジか。こりゃ、いよいよ、そうかもな」

 面白そうに笑う奴に言う。

「口振りからして、あんたがオーク達を召喚した犯人ってことでいいんだな?」
「イエス」

 意外とあっさり奴は白状する。悪びれることもなく、むしろ楽しそうに。

「で? この俺を呼び出したってことは、仕返しでもするつもりか? それとも、こんなことはもうしないでっていうお願いか?」
「……仕返しでもお願いでもない。ただ思い知らせて、命令するだけだ。二度と俺に関わるなってな」
「……へえ……」

 奴の瞳がキラリと光る。一年生如きが何を言ってるんだと、気に障ったのかもしれない。

「一応聞いておくけどよ、どうするつもりなんだ?」
「分かってんだろ。あんたは俺の実力を知りたい。サフィが言っていたように、俺が本当にゾディアックになれるだけの奴かどうか確かめるために」
「……」
「サフィには人払いをさせてある。いまなら思いっきり戦り合えるぜ」

 昼間した時と同じように、両手を合わせて魔力の剣を作り出す。握ったその剣先を奴に向けながら。

「俺が勝ったら、二度とこんなことはしねえと誓ってもらおうか」

 奴がニヤリと笑った。その両手の周囲にいくつもの魔法陣を出現させながら。

「んじゃあ、俺が勝ったら、てめえは永久にゾディアックに入る資格を失ってもらうぜ」

 その言葉に、不敵な笑みを返した。

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