18 / 1,738
18.転売屋は新しい商売を思いつく
しおりを挟む
「へ~、シロウさんは商人なんだ。」
「あぁ、この間ここに来たばかりだが主に冒険者関係の品を扱っている。偶に露店を出しているからよかったら宣伝しておいてくれ。」
「あ、それってもしかしてマックさんの言ってたやつかな?」
「マックさん?」
残念ながら俺に縞々男の知り合いはいないぞ。
ちなみにそんな呼び方もしない。
俺は断然マクド派だ。
「最近大柄の冒険者にすごい斧売らなかった?」
「あぁ、あの人か。」
「あの上級冒険者のマックさんが宣伝していたぐらいだからよっぽどすごい人なんだと思ってたんだけど、まさかエリザの恩人だとはねぇ。」
「ちゃんと宣伝してくれていたんだな。」
有難い話だ。
そしてなにより上級冒険者だったのか。
「で、上級冒険者ってのはすごいのか?」
「当たり前じゃない!上級になれるのは冒険者の一握りだけ、大抵はそこまで行けずに引退するか死ぬかのどちらかよ。」
わかった、わかったから大声を出すな。
急に声を荒げるエリザをニアさんがほほえましく見ている。
この構図はどう考えてもオカン的ポジションだろう。
見た目と違って結構年上なのかもしれない。
この世界じゃ見た目の年齢なんてあてにならないってことはザラにある。
特に女性の年齢を聞く時は注意しなければならない。
この間それでやらかしたばかりだしな。
「ちなみにエリザは中級冒険者になって長いのか?」
「私で三年・・・かな。さすがの私もこの間はもうダメかと思ったわ。」
「全身血まみれでギルドに駆け込んできた時はどうしようかと思ったわよ。でもよかった、こうして戻ってきてくれて。」
「それも全てシロウのおかげ、危なく助かった命を自分で終わらせるところだった。」
先程の蛸坊主は叫び声を上げながら外に放り出されたようだ。
ポーションを使えば骨折程度は治るらしいので今頃ケロッとしているのだろう。
薬を飲めば骨折が治るってどういうカラクリなんだろうな。
「で、エリザとの馴れ初めはやっぱり教えてくれないの?」
「本人が拒んでいる以上俺が言う事はない。」
「絶対にダメ、いくらニアの胸に惑わされても言っちゃダメだからね。」
「だ、そうだ。」
「ちぇ、つまんないの~。」
ちなみに俺達がいるのはギルドのど真ん中に設置された机。
ど真ん中という事は周りに大勢の屈強な男たちがいる。
そのほとんどが俺達の会話に聞き耳を立てているあたり、エリザが人気なのは本当のようだ。
「用事は終わったのか?」
「うん、冒険者証は戻って来たしこれで終わり。シロウはどうするの?」
「時間があるから露店でも回って帰るつもりだ、せっかくの休みだしついてこなくてもいいぞ。」
「え~、私も装備探したいんだけど。」
「それなら商店の方に行けよ。ついてきたって買ってやらないからな。」
「ケチ~、お金あるんだからちょっとぐらいいじゃない。」
「お前の装備はちょっとで済まないだろうが。」
中級冒険者として二つ名まで持っているエリザ。
その名声を支えていたのは屈強な体・・・だけではなく優秀な装備のおかげでもあった。
金貨4枚ぐらいとこの間は言っていたが、話を聞いているとそれでは済まないという事が分かった。
よかった、あの時貸してやるとか言わないで。
やっぱり自分の装備は自分で稼がないとな!
「ふふ、あのエリザがこんなに楽しそうに話をするなんてね。」
「男嫌いで有名だったとか?」
「ん~、どっちかっていうと人嫌いかも。あまり馴れ馴れしくしてる所を見たことなかったし。」
「へぇ意外だな。」
「だからこんな風に笑うのがうれしくて、ありがとうシロウさん。」
「別にお礼を言われる理由は無いが・・・。」
そんな時、ふとあることを思いついた。
ここは冒険者ギルドだ。
そして目の前にいるのはギルド職員、しかもそれなりに地位の高い所に居るらしい。
物のついでだ、ちょっと聞きたいことを聞いておこう。
「その代わりと言ってだが聞きたいことがある、構わないか?」
「胸の件はダメよ?」
「俺が聞きたいのは冒険者ギルドで固定買取している物についてだ。薬草なんかの品はどこでも同じなのは知っているが、冒険者ギルド固有のものはあるのか?」
ついさっき羊とやり合ったばかりだが、事前にわかるものは知っておきたい。
特に、今思いついたネタが使えるかはここにかかっている。
「そうねぇ、繊維系や鉱石系、革系は産業ギルドが買い取ってくれるから固定買取しているわ。あと薬品の材料になる物も固定買取してるけど、こっちは数が多いからあくまでも薬系に限ってと思ってもらっていいかな。」
「結構あるんだな。」
「まぁねぇ、過去に色々あったからこういう形にしているのよ。決まりが出来るときは随分と揉めたらしいわ。」
そうだろうな。
需要は常に変動するし、それを先読みして大量に仕入れたりなんてのも行われていたはずだ。
それこそ、俺みたいな転売をメインで行っていたやつもいただろう。
それが急に固定で買い取ります、注意を無視すれば投獄しますなんて言われれば暴れたくなるのもわかる。
でもすべては価格安定の為。
そういう決断があることを俺は否定しない。
それで食い扶持を潰されたのならば別の食い扶持を探せばいい。
俺達の商売なんてそんなものだ。
転売屋と蔑み嫉まれないだけマシだろう。
「じゃあ、それ以外の品については俺みたいなのが売買しても構わないんだな?」
「そうね、よっぽど過激にやらなければ大丈夫かな。」
「過激とは?」
「うちの二倍とか三倍で大量に仕入れたり独占したりする事かしら。」
「逆を言えばそうしなければ問題ないという事だな。」
「そうなるわ。でも、出来れば緊急で必要とする依頼なんかも出るからそういう時は放出してくれると助かるかな。そんなときは高値で買い取るし損はさせないつもりよ。」
それぐらいの分別はあるつもりだ。
バカな連中は買い占めて値段を吊り上げてやろうなんて考えるが、それをすれば自分達の首を絞めることになると何故気づかないのだろう。
物事には節度というものがある。
節度を守って取引をすればお互いに損は出ないし、関係は良好のままだ。
わざわざ自分から敵を作る必要などない。
ようは儲かればいいんだよ。
「素材に関してはエリザが詳しいよな。」
「ある程度はね。でも魔法関係の品はあんまり詳しくないからそっちは聞かないで。」
「魔法関係?」
「魔導書や魔装具、魔道具なんかは専門外なの。」
「やっぱり脳筋か。」
「うるさいわね!そういうのに頼らなくても何とかなるのよ!」
そうやってすぐに怒る所が脳筋だと言っている。
確かに力は正義だが、それだけでどうにもならないことはある。
まぁ道具関係に関しては鑑定スキルもあるし、値段に関しても相場スキルを使えばおおよそ把握できる。
そこらに落ちている草や石にも相場スキルは発動するんだ、素材系も問題ないだろう。
「高値で取引される品を扱えれば最高だな。」
「さっすが、エリザを買うほどの人ね、こんな所でも商売について考えるなんて。」
「別に買ったわけじゃない、貸しただけだ。」
「でも体は使ってるんでしょ?」
「ちょっとニア!」
「担保みたいなものだ、だが別に俺から強要はしていないぞ、あくまでも公平な立場でいるつもりだ。」
イヤなら部屋を出て行けばいい。
それをしないのはエリザの意志だ。
俺はそう解釈している。
「お願い、恥ずかしいからもうやめて・・・。」
「あはは、ゴメンゴメンもう言わないから。」
「うぅ、せっかく戻って来たのにニアが容赦ない。」
「でも戻ってきてくれて本当に良かった。エリザのパーティが壊滅してから高難度の依頼が片付かないのよ。」
そういえば複数人のパーティーだったそうだな。
なるほど実力のある人間が同時にいなくなったらそりゃ依頼も滞るか。
「片付かないって言っても装備もなんにもなくなっちゃったから、当分無理よ?」
「シロウさんに借りればいいじゃない。」
「借りる?」
「あんな凄い装備を持ってるんだし、借りたらすぐに依頼をこなせるわよ。そうすれば借金もすぐ返せるんじゃない?」
おぉ、その発想は無かった。
確かに金を持っている俺が装備を揃えて貸し出せば話が早い。
金が貯まり次第それを売るという方法もある。
そうすれば借金はすぐに帰ってくるし、継続して使用料も取れる。
問題は装備の劣化だな。
使えば道具は傷んでくる、減価償却についても考えなければならない。
貸し装備か・・・いい商売かもしれないな。
「ちょっとニア、変なこと言うからシロウが固まっちゃったじゃない。」
「え、私のせいなの?」
「こうなったらシロウ長いんだから。」
「エリザがキスすればいいんじゃない?」
「何でそうなるのよ!」
横で小鳥が騒いでいるが今はそれどころじゃない。
仮に貸し装備をするとして規模はどうする?
武器だけか?
それとも防具もか?
死んだらどうする?
うーむ、何をするにしても場所が無いか。
武器も防具も種類が多いし、それ全てに対応するのは難しい。
いっそのこと高価な補助装備なんかをレンタルで始めるのはどうだ?
指輪なら場所を取らないし、レンタルできるとなれば金が無くても使用できるだろう。
問題はやはり紛失と死亡か・・・。
どれぐらいの頻度で起きるかがカギだな。
「よし、わかった。」
「え、なにがわかったの?」
「とりあえず貸すのは無しだ、予定通り稼いで返せ。」
「えぇぇぇ!?」
「ギルドでは装備の貸出はやってないんだろ?」
「初心者はあるけど、エリザ程になると無理ね。」
「なら仕方ない、素材の買い取りも場所が無い以上無理だ。獣臭い部屋で寝たくはないだろ?」
「それは確かにそうかも。」
実物を見ていないからわからないが、魔物の死骸を剥ぐんだからそれなりの臭いはするだろう。
そんな中で寝る気はないし、いくら金を払っているとはいえマスターに文句を言われる。
「へぇ、一緒の部屋前提なんだ。やるじゃんエリザ。」
「だーかーらー!」
また小鳥が騒いでいるがまぁいいだろう。
新しい商売を行うにしてもまずは店を持ってからって事だな。
とりあえず今はそれが分かっただけでも良しとするか。
「あぁ、この間ここに来たばかりだが主に冒険者関係の品を扱っている。偶に露店を出しているからよかったら宣伝しておいてくれ。」
「あ、それってもしかしてマックさんの言ってたやつかな?」
「マックさん?」
残念ながら俺に縞々男の知り合いはいないぞ。
ちなみにそんな呼び方もしない。
俺は断然マクド派だ。
「最近大柄の冒険者にすごい斧売らなかった?」
「あぁ、あの人か。」
「あの上級冒険者のマックさんが宣伝していたぐらいだからよっぽどすごい人なんだと思ってたんだけど、まさかエリザの恩人だとはねぇ。」
「ちゃんと宣伝してくれていたんだな。」
有難い話だ。
そしてなにより上級冒険者だったのか。
「で、上級冒険者ってのはすごいのか?」
「当たり前じゃない!上級になれるのは冒険者の一握りだけ、大抵はそこまで行けずに引退するか死ぬかのどちらかよ。」
わかった、わかったから大声を出すな。
急に声を荒げるエリザをニアさんがほほえましく見ている。
この構図はどう考えてもオカン的ポジションだろう。
見た目と違って結構年上なのかもしれない。
この世界じゃ見た目の年齢なんてあてにならないってことはザラにある。
特に女性の年齢を聞く時は注意しなければならない。
この間それでやらかしたばかりだしな。
「ちなみにエリザは中級冒険者になって長いのか?」
「私で三年・・・かな。さすがの私もこの間はもうダメかと思ったわ。」
「全身血まみれでギルドに駆け込んできた時はどうしようかと思ったわよ。でもよかった、こうして戻ってきてくれて。」
「それも全てシロウのおかげ、危なく助かった命を自分で終わらせるところだった。」
先程の蛸坊主は叫び声を上げながら外に放り出されたようだ。
ポーションを使えば骨折程度は治るらしいので今頃ケロッとしているのだろう。
薬を飲めば骨折が治るってどういうカラクリなんだろうな。
「で、エリザとの馴れ初めはやっぱり教えてくれないの?」
「本人が拒んでいる以上俺が言う事はない。」
「絶対にダメ、いくらニアの胸に惑わされても言っちゃダメだからね。」
「だ、そうだ。」
「ちぇ、つまんないの~。」
ちなみに俺達がいるのはギルドのど真ん中に設置された机。
ど真ん中という事は周りに大勢の屈強な男たちがいる。
そのほとんどが俺達の会話に聞き耳を立てているあたり、エリザが人気なのは本当のようだ。
「用事は終わったのか?」
「うん、冒険者証は戻って来たしこれで終わり。シロウはどうするの?」
「時間があるから露店でも回って帰るつもりだ、せっかくの休みだしついてこなくてもいいぞ。」
「え~、私も装備探したいんだけど。」
「それなら商店の方に行けよ。ついてきたって買ってやらないからな。」
「ケチ~、お金あるんだからちょっとぐらいいじゃない。」
「お前の装備はちょっとで済まないだろうが。」
中級冒険者として二つ名まで持っているエリザ。
その名声を支えていたのは屈強な体・・・だけではなく優秀な装備のおかげでもあった。
金貨4枚ぐらいとこの間は言っていたが、話を聞いているとそれでは済まないという事が分かった。
よかった、あの時貸してやるとか言わないで。
やっぱり自分の装備は自分で稼がないとな!
「ふふ、あのエリザがこんなに楽しそうに話をするなんてね。」
「男嫌いで有名だったとか?」
「ん~、どっちかっていうと人嫌いかも。あまり馴れ馴れしくしてる所を見たことなかったし。」
「へぇ意外だな。」
「だからこんな風に笑うのがうれしくて、ありがとうシロウさん。」
「別にお礼を言われる理由は無いが・・・。」
そんな時、ふとあることを思いついた。
ここは冒険者ギルドだ。
そして目の前にいるのはギルド職員、しかもそれなりに地位の高い所に居るらしい。
物のついでだ、ちょっと聞きたいことを聞いておこう。
「その代わりと言ってだが聞きたいことがある、構わないか?」
「胸の件はダメよ?」
「俺が聞きたいのは冒険者ギルドで固定買取している物についてだ。薬草なんかの品はどこでも同じなのは知っているが、冒険者ギルド固有のものはあるのか?」
ついさっき羊とやり合ったばかりだが、事前にわかるものは知っておきたい。
特に、今思いついたネタが使えるかはここにかかっている。
「そうねぇ、繊維系や鉱石系、革系は産業ギルドが買い取ってくれるから固定買取しているわ。あと薬品の材料になる物も固定買取してるけど、こっちは数が多いからあくまでも薬系に限ってと思ってもらっていいかな。」
「結構あるんだな。」
「まぁねぇ、過去に色々あったからこういう形にしているのよ。決まりが出来るときは随分と揉めたらしいわ。」
そうだろうな。
需要は常に変動するし、それを先読みして大量に仕入れたりなんてのも行われていたはずだ。
それこそ、俺みたいな転売をメインで行っていたやつもいただろう。
それが急に固定で買い取ります、注意を無視すれば投獄しますなんて言われれば暴れたくなるのもわかる。
でもすべては価格安定の為。
そういう決断があることを俺は否定しない。
それで食い扶持を潰されたのならば別の食い扶持を探せばいい。
俺達の商売なんてそんなものだ。
転売屋と蔑み嫉まれないだけマシだろう。
「じゃあ、それ以外の品については俺みたいなのが売買しても構わないんだな?」
「そうね、よっぽど過激にやらなければ大丈夫かな。」
「過激とは?」
「うちの二倍とか三倍で大量に仕入れたり独占したりする事かしら。」
「逆を言えばそうしなければ問題ないという事だな。」
「そうなるわ。でも、出来れば緊急で必要とする依頼なんかも出るからそういう時は放出してくれると助かるかな。そんなときは高値で買い取るし損はさせないつもりよ。」
それぐらいの分別はあるつもりだ。
バカな連中は買い占めて値段を吊り上げてやろうなんて考えるが、それをすれば自分達の首を絞めることになると何故気づかないのだろう。
物事には節度というものがある。
節度を守って取引をすればお互いに損は出ないし、関係は良好のままだ。
わざわざ自分から敵を作る必要などない。
ようは儲かればいいんだよ。
「素材に関してはエリザが詳しいよな。」
「ある程度はね。でも魔法関係の品はあんまり詳しくないからそっちは聞かないで。」
「魔法関係?」
「魔導書や魔装具、魔道具なんかは専門外なの。」
「やっぱり脳筋か。」
「うるさいわね!そういうのに頼らなくても何とかなるのよ!」
そうやってすぐに怒る所が脳筋だと言っている。
確かに力は正義だが、それだけでどうにもならないことはある。
まぁ道具関係に関しては鑑定スキルもあるし、値段に関しても相場スキルを使えばおおよそ把握できる。
そこらに落ちている草や石にも相場スキルは発動するんだ、素材系も問題ないだろう。
「高値で取引される品を扱えれば最高だな。」
「さっすが、エリザを買うほどの人ね、こんな所でも商売について考えるなんて。」
「別に買ったわけじゃない、貸しただけだ。」
「でも体は使ってるんでしょ?」
「ちょっとニア!」
「担保みたいなものだ、だが別に俺から強要はしていないぞ、あくまでも公平な立場でいるつもりだ。」
イヤなら部屋を出て行けばいい。
それをしないのはエリザの意志だ。
俺はそう解釈している。
「お願い、恥ずかしいからもうやめて・・・。」
「あはは、ゴメンゴメンもう言わないから。」
「うぅ、せっかく戻って来たのにニアが容赦ない。」
「でも戻ってきてくれて本当に良かった。エリザのパーティが壊滅してから高難度の依頼が片付かないのよ。」
そういえば複数人のパーティーだったそうだな。
なるほど実力のある人間が同時にいなくなったらそりゃ依頼も滞るか。
「片付かないって言っても装備もなんにもなくなっちゃったから、当分無理よ?」
「シロウさんに借りればいいじゃない。」
「借りる?」
「あんな凄い装備を持ってるんだし、借りたらすぐに依頼をこなせるわよ。そうすれば借金もすぐ返せるんじゃない?」
おぉ、その発想は無かった。
確かに金を持っている俺が装備を揃えて貸し出せば話が早い。
金が貯まり次第それを売るという方法もある。
そうすれば借金はすぐに帰ってくるし、継続して使用料も取れる。
問題は装備の劣化だな。
使えば道具は傷んでくる、減価償却についても考えなければならない。
貸し装備か・・・いい商売かもしれないな。
「ちょっとニア、変なこと言うからシロウが固まっちゃったじゃない。」
「え、私のせいなの?」
「こうなったらシロウ長いんだから。」
「エリザがキスすればいいんじゃない?」
「何でそうなるのよ!」
横で小鳥が騒いでいるが今はそれどころじゃない。
仮に貸し装備をするとして規模はどうする?
武器だけか?
それとも防具もか?
死んだらどうする?
うーむ、何をするにしても場所が無いか。
武器も防具も種類が多いし、それ全てに対応するのは難しい。
いっそのこと高価な補助装備なんかをレンタルで始めるのはどうだ?
指輪なら場所を取らないし、レンタルできるとなれば金が無くても使用できるだろう。
問題はやはり紛失と死亡か・・・。
どれぐらいの頻度で起きるかがカギだな。
「よし、わかった。」
「え、なにがわかったの?」
「とりあえず貸すのは無しだ、予定通り稼いで返せ。」
「えぇぇぇ!?」
「ギルドでは装備の貸出はやってないんだろ?」
「初心者はあるけど、エリザ程になると無理ね。」
「なら仕方ない、素材の買い取りも場所が無い以上無理だ。獣臭い部屋で寝たくはないだろ?」
「それは確かにそうかも。」
実物を見ていないからわからないが、魔物の死骸を剥ぐんだからそれなりの臭いはするだろう。
そんな中で寝る気はないし、いくら金を払っているとはいえマスターに文句を言われる。
「へぇ、一緒の部屋前提なんだ。やるじゃんエリザ。」
「だーかーらー!」
また小鳥が騒いでいるがまぁいいだろう。
新しい商売を行うにしてもまずは店を持ってからって事だな。
とりあえず今はそれが分かっただけでも良しとするか。
51
あなたにおすすめの小説
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる