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969.転売屋は武闘大会で一儲けする
しおりを挟む「これより、聖騎士団と冒険者による武闘大会を行う!我らがエドワード陛下の御前である、皆の者その才を存分に発揮せよ!」
「「「「おぉ!!!!」」」」
会場の最上段では参加者の視線を一身に受けても堂々と手を揚げるエドワード陛下の姿が見える。
さぁ、いよいよ陛下来訪のメインイベントが始まる。
普段相見える事のない王都を守護する聖騎士団と冒険者。
どちらも実力者揃いだが、お互いに戦うフィールドが違うのでどうしても実力を比較することが出来ない。
なので、せっかくなら直接戦ってお互いの実力を確認すればいいじゃないかという至極安直な発想で今回の武闘大会は開催されることとなった。
最初は拒否されると思っていたのだが、案外聖騎士団も乗り気になってくれたので中々面白い戦いを期待することが出来るだろう。
これもホリアとセインさんの力添えが合ったからこそ。
その旨を朝一番でお礼したら、『俺も戦ってみたかったから受けただけだ』というとても脳筋な返答が帰ってきた。
聖騎士団の浄化と銘打たれた粛清を主導し主に裏の部分で活躍していたホリアだったが、中身はガチガチの武闘派らしく、団長の座について尚最前線に出向いているらしい。
補佐役のセインさんが居なかったら別の意味で聖騎士団は瓦解していたかもしれない。
ともかく、向こうがその気ならこちらも最高の面々でお出迎えしようじゃないか。
そんな感じで冒険者側も実力者を集めこの場に乗り込んできている。
なんせここは俺達の街。
表向きは対等な立場だが、実際の所は戦いを挑まれている側という感じのようだ。
街の威信をかけて負けられない。
そういう意味でも冒険者達の闘志は燃え上がっているようだ。
「エリザ、しっかりな。」
「頑張ってくださいエリザ様。」
「ルカ君も見てるからね、お姉ちゃんしっかり!」
「任せといて!」
全員に見送られ、久々にフル装備に身を固めたエリザが集合場所へ向かっていく。
その後姿は妊娠前よりも勇ましく、かっこよく見えるのは気のせいではないだろう。
息子にかっこいいところを見せようと気合十分、と言った感じだ。
「さて、エリザも見送ったところだし俺も戦いに行くかな。」
「ぶっつけ本番になってしまいましたが大丈夫でしょうか。」
「まぁ何とかなるだろう。試作段階ではうまく行っていたしダメだったら普通に売れば良いだけだ。」
「冷たいエールを店まで買いに行かなくてもその場で買うことが出来る。こんなことを思いつくのは旦那様だけですね。」
「保冷箱があったからこそ出来た技だ。まだまだ改良の余地はあるが、これが成功すれば王都でもバカ売れすること間違いなし。いや、闘技場や舞台のあるところならどこでも導入できるか。」
足元に置いてあった高さ1m程の保冷箱。
ヒートゴーレムの装甲を加工して作られているそれの上部は外せるようになっており、本来は底に氷などを入れて長距離移動や長時間保存に用いられている。
だが、下にあるのはそんな従来型と発想が違う。
中身を冷やしたままにするという考え方は一緒だが、従来のものと違って箱に肩紐がついておりリュックのように背負えるようになっている。
更には保冷箱から茶色い管のようなものが伸びていて、その先端は白いキャップのようなもので蓋をされていた。
『キャラメルカメールの水袋。主に砂漠地帯の移動手段として重宝されているカメール種。そのなかでもキャラメルカメールの巨大なこぶの中にはこぶと同じサイズの水袋が入っており、水分を摂取することなく砂漠を移動できるようなつくりになっている。水袋は非常に薄く軽いが丈夫で破れにくくなっており、大量の水を運ぶことに用いられている。最近の平均取引価格は銀貨7枚。最安値銀貨5枚、最高値銀貨9枚、最終取引日は6日前と記録されています。』
保冷箱に仕込まれているのはカメールの水袋で、中に入れられた液体は箱のおかげで冷気を維持したまま運ぶことが出来る。
普通は飲料水を運ぶのに用いられるのだが、今回はそこにエールを入れて運ぶことになっている。
野球の試合などで観客席の間を売り子が動き回っているのを思い出し、真似をして作ってみた。
急ごしらえの割には中々いい出来だと思うんだけどなぁ。
「よっこいしょ。」
「大丈夫ですか?」
「思ったより重かっただけだ、ちょいと行ってくる。エリザの試合は会場で見るから、適当にやってくれ。」
保冷カバンを背負い、邪魔にならないように右の腰に固定。
反対の腰には簡易のカップをいくつもぶら下げてあるので、そこにエールを注いで販売する予定だ。
これこそ今回の大会の為に考案した秘密兵器。
陛下の接待は羊男達がやってくれるので、俺は俺で外の屋台に戦いを挑んでみようと思う。
どちらの方がたくさん売れるのか。
武闘大会の試合開始とともにそちらの戦いの火蓋も切って落とされたのだった。
「さぁさぁ冷たいエールはいかが?この炎天下の中で飲むエールは最高だよ。一杯銀貨銀貨1枚、ただしカップがあるなら銅貨80枚でも販売中だ。」
「こっちに一杯くれ。」
「毎度、ちょっと待ってくれよ。」
早速注文が入ったので、腰にぶら下げたカップを客に渡して反対の管についた蓋を取る。
すると、金色の液体が管を通り客のカップにシュワシュワと泡を立てながら注がれていく。
「つめた!」
「そりゃキンキンに冷やしてるからな、最高の戦いを見ながら冷たいエールをのどに流し込む。最高だろ。」
「これで銀貨1枚は安すぎだな。もう一杯。」
「試合は始まったばかりだ、飲みすぎてつぶれるなよ。」
「俺もくれ!」
「こっちもだ!」
一人が飲むと周りもそれに釣られて注文を入れるおかげで最初の区画を回り終える前に保冷箱の中身は空っぽになってしまった。
これは予想以上の反応だ。
通常銅貨30枚ほどで飲めるエールを銀貨1枚で売れるのも、この暑さと目の前で繰り広げられる熱戦のおかげだろう。
とはいえ俺の戦いもまだ始まったばかり。
急ぎ会場裏に戻り、キンキンに冷やしたエールを水袋に入れなおす。
午前中は熱戦を横目にひたすらエールを売り続け、疲労困憊のまま一度女達の待つ貴族席へと戻ったのだった。
「ただいま。」
「お帰りなさいませ。」
「すごい人気でしたね、こちらからも見えていましたよ。」
「こんなことなら試作品も持ってくるんだった、コレ一個じゃぜんぜん追いつかない。」
「そんな感じですね。」
貴族席は陛下の近くに設けられており、会場中を一望できるようになっている。
ここからならエリザの試合も俺の仕事も見放題。
ちなみにエリザは順当に予選を勝ち上がり、昼からの決勝トーナメントへと進出していた。
産後すぐと思えないほどの機敏な動きは、最盛期に勝るとも劣らない気がする。
「見事な働きだな。」
「お父様どうしたんですか、こんなところに。」
「彼らの戦いも中々見ものだがシロウの仕事ぶりにも感心していたのだ。こんなに働く名誉男爵は他にはおらんぞ。」
休憩している貴賓席にいるはずのエドワード陛下が俺たちの所にやってきた。
いやいや休憩させてくれよと一瞬思ったものの、なんとなく雰囲気に違和感を感じる。
「お褒めに預かり光栄です陛下。一杯銀貨3枚ですが、いかがですか?」
「私から金を取るのか?」
「はい、例え陛下であってもお客であることに変わりありません。特別価格でご販売させていただきます。」
「まったく私から金を取るのもお前ぐらいなものだ。」
わざと三倍の値段を吹っかけたのに、当たり前のように金を払おうとしたので慌ててその手を止める。
俺は別に陛下から金を取ることを何とも思わないのだが、それを見た周りの印象が流石によろしくない。
たった銀貨3枚で反感を買う訳には行かないからなぁ。
「冗談ですって。」
「いい仕事にはいい報酬を、それがお前の心情であろう?」
「それを貫いてよからぬ反感を買うのは流石にリスクが大きすぎます。すぐに席までお持ちしますのでどうぞ向こうでお待ちください。世間的には義父ではなく国王と臣民、この街の住民はともかく遠方よりも来ている貴族に忠義を果たす姿を見せれば名誉男爵の地位に反感を抱く人も納得するでしょう。」
「それもそうか。冷たい奴をよろしく頼む。」
「おまかせください。」
どうやらすんなり納得してくれたようだ。
さっきも言ったように世間的には俺は陛下より名誉男爵位を授かった下級貴族の一人に過ぎない。
マリーさんは平民で、偶然オリンピアを預かっただけ。
それだけでも反感を抱く人はいるというのに更なる火種に自分から油を注ぐ必要はないだろう。
昼休憩の間にキンキンに冷えたエールを堪能してもらい、一度大会本部にも顔を出す。
今回の武闘大会はチャリティの意味合いも含んでいるので、出店の販売状況も一緒に確認しておかなければならない。
要は敵情視察だ。
「シロウさん、なかなか盛況なようですね。」
「お陰様で大儲けだ。こんなことなら二・三人誰か雇っておけばよかったと後悔してるよ。」
「ちなみに日給はどのぐらいで?」
「一日銀貨2枚に加えて歩合制で販売金額の二割って所か。」
確か元の世界でもビール売りは自給のほか歩合制だった記憶がある。
売れば売るだけ金が入ってくるとなればやりたいと思う奴は多いだろう。
ただし中々の重労働に加えて、酔っ払った客の相手もしなければならない。
その辺をうまくあしらえるような奴じゃないと売上げは伸びないだろうなぁ。
「え、私やります。」
「馬鹿を言え、お前が抜けたらここの仕事はどうするんだよ。」
「他の職員が居ますから。」
「馬鹿なこと言っている暇があったら出店の対応しなさいよねまったく。」
やる気満々の羊男の頭を嫁がスパンといい音を立ててひっぱたく。
中々の衝撃、羊男の首は大丈夫だろうか。
「ニア、冒険者も中々頑張っているみたいじゃないか。」
「個人戦でここまで残れたのは想定内だけど、団体戦は予想通り苦戦しているわね。」
「それは仕方ない、向こうは集団で戦うことを得意にしているんだ。むしろ全滅じゃないことを褒めてやるべきだろ。」
「ダンジョンみたいに魔物相手ならそれなりに戦えると思うんだけど・・・。」
午前中は各予選が行われていたのだが、個人戦は聖騎士団と冒険者が半数ずつ残ったような感じだったのだが団体戦は3割ほどしか残ることが出来なかった。
そもそもが魔物相手の商売であって、知恵とチームワークを発揮する相手は不向きなので致し方ないといえば致し方ない。
それでも全部押されていたわけではなく、それなりに戦った結果ぎりぎりの所で敗れた印象があるので決して弱いわけでもないんだよなぁ。
ニアの言うように魔物相手の集団戦だったら・・・。
「た、大変です!大量の魔物がこっちに向かって押し寄せてきました!」
「何ですって!」
「街道から逃げてきた商人の話なので間違いありません!」
大量の魔物が街を襲うのはコレが初めてじゃないし、この世界じゃそれなりに起きることではある。
だが、このタイミングでそれが起きるとかマジで勘弁してほしいんだが。
確かに集団戦だったらと考えはした。
でもそれを今すぐ証明しろとは一言も言ってないんだけどなぁ。
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