35歳バツイチオッサン、アーティファクト(美少女)と共に宇宙(ソラ)を放浪する

エルリア

文字の大きさ
15 / 63

15.思わぬ才能を見出して

しおりを挟む
「で、具体的にどうやって依頼を達成するんだ?」

「もちろん目的地まで我々が行きますよ?」

 傭兵ギルドで初仕事を手引き受けた後、具体的にどうやって達成するのかを聞いたんだが全く答えになってない答えが返ってきた。

 いや、俺たちがいくのはわかるZ

 わかるんだが具体的にどうやって宙族の跋扈する小惑星群を抜けるんだっていう具体的な方法を聞きたかったんだが、聞き方が悪かっただろうか。

「何度もいうが俺たちは輸送業者で傭兵じゃない。この年でドンパリやり合うような気力に体力もないぞ」

「もちろんマスターには期待してませんのでご安心を」

「だから言い方」

「なのでイブさんに頑張ってもらおうと思っています」

「え、私ですか!?」

 突然名前を呼ばれてハッとした顔をするイブさん。

 つい先日目覚めたばかりの彼女にいったい何をやらせるつもりなんだ?

「今回の依頼達成の鍵はすべてイブさんにかかっています。具体的にどうするのかについては、実際見ていただく方が早いでしょう。」

「私なんかで役に立つんでしょうか」

「もちろん、マスターに比べれば何倍も役に立つことを飛翔保証いたします」

 さも当たり前のように俺をディスるアリスに先導されて向かったのは傭兵ギルドの一角、大きなホールの天井からは丸い物体が吊り下げられていた。

「ここは?」

「傭兵用のシュミレーションルームです、手前が白兵用で奥がコックピットになっています。まずは奥のコックピットから行きましょう」

「あの、船の操縦なんて私やった事ないです」

「心配には及びません、コックピットと言っても操縦用ではなく迎撃用ですので」

「銃座か」

「まぁまずは座ってみてください、使い方はアナウンスが流れますのでそれに従って動かせばいいだけです。ゲームですから気軽に行きましょう。

 動揺するイブさんを言いくるめてアリスがコックピットへ誘導、カプセル型のコックピットとではあるけれどヘッドセットをつける事で360°全方向の映像を視認できる。

 無理やり座らされたイブさんだが、なんだかんだ言いながら自然と操縦桿を握っていた。

「ではまずは初心者用から、スコアが9割以上で次に進みます。イブさん好きなように動かしていいですからね」

「なんだかよくわからないけど頑張ります!」

 ムン!と腕の前で気合を入れるイブさん、たわわな果実が腕に挟まれ想像以上の膨らみを作り出す。

 うーむ、ダメだとわかっているのについつい見ちゃうんだよなぁ。

 イブさんが見ている映像はモニタールームにも投影されており、広大な宇宙空間が目の前に広がっているようだ。

「対宙族用迎撃戦闘シュミレーション起動します」

「本当に彼女にできるのか?」

「まぁ見ていてください」

 出会ってまだ二日、インプラントがない以外には特に変わった部分はないけれどもアリスには思うところがあるんだろう。

 シュミレーションを開始してすぐ、画面の奥から白い物体が姿を現す。

 まだまだ距離は離れているけれどあれが仮想敵のようだ。

『操縦桿をを動かしターゲットを中心に入れトリガーを引くと模擬弾が発射されます。自動で補充されますがリロード中攻撃できませんので残数にはご注意ください』

 ご丁寧に使い方まで説明してくれているのでおそらくは大丈夫だろう。

 段々と近づいてくる仮想的、それでもかなりの距離があるのでもう少し近づいてから・・・と思った次の瞬間イブさんがトリガーを引く。

「ヒット!」

「マジか、この距離で当てるのかよ」

「次、行きます」

 続いてフェイズ2が開始、先ほどよりも近い距離で複数の標的が姿を現すもこれまた瞬殺。

 フェイズ3は先ほどの倍の敵に加えて上下左右に動き始めるもあっという間に仕留めてしまった。

 まるで経験者のような動き、アリスの方を見るとこれでもかというドヤ顔をしている。

 うーむ、何かあると思っていたけどまさかここまでとは。

 結局上位ランカーと呼ばれる人たちのレベルまで言った所で終了してしまったが、あまりの実力に開いた口がふさがらなかった。

「お疲れ様でした、中々の腕前でしたよ」

「いや、マジですごかった。最後のなんてどう考えても人間が追えるような速度じゃなかったのにバンバン当ててるし、全部見えてたのか?」

「全部ではありませんけど大体は、まさか私にこんな技術があったなんて・・・」

 信じられないという感じで自分の手を見るイブさん。

 そりゃ出来ないと思ってあんな結果を出したらそうなるよなぁ。

「驚くのはまだ早いですよ。次は白兵シミュレーションです、奥の部屋に専用のボディスーツがあるのでそちらに着替えてからヘッドセットをつけてください」

「わかりました」

 今度は白兵戦のシミュレーションを行うらしい。

 奥の部屋に入っていったイブさんがボディラインのばっちり出るなんともセクシーなスーツを着て登場、アリスの目線がかなり痛いがあれを見ずにいられるわけがない。

「ヘッドセットを起動すると仮想敵が姿を現します、後は思い通りに動いて撃退してください」

「はい!」

 元気いっぱいに返事をするイブさん、起動すると同時にモニターにはいかにもチンピラという感じの人物が姿を現した。

「ここまでやる必要あるのか?」

「マスターが戦えない以上他の人に戦っていただく必要があります。前回は偶然全員生身でしたけどサイボーグ化していた場合はあの方法で倒すことが出来ません。出来る限りソルアレスに侵入されないように努めますが最悪を想定するのも大事なことです」

「で、それを彼女にやらせると。さっきのもそうだけどそういう訓練か何かを受けているのか?」

「インプラントがないので定かではありませんがスキャンをした際に明らかにそういう訓練を受けたような痕跡を発見しました。本人は出来ないとおしゃっていましたがおそらく操縦も出来るかと」

「うーむ、ますます出自がやばくなるなぁ」

 イブは星間ネットワーク上のどこにも情報がなくどの防犯カメラにもその姿は映っていない。

 それでいて上位ランカー顔負けの迎撃技術を持ち、更にはご白兵戦でもあっという間に敵を倒してしまう実力がある。

 そこから導き出されるのは軍関係者か、はたまたどこかしらで非合法の改造を受けたのか。

 一人倒しては倒されてはより強い相手が出て来るが、それすらワンパンで倒していく。

 信じられない身のこなし、その度に胸が大きく揺れて・・・って見るべきはそこじゃない。

 いや、そこも見ないといけないけれど、気づけば軍人レベルの実力者とダンスをするような組手を披露していた。

「まさかイブさんにこんな才能があるとはなぁ」

「おそらくどこかで戦闘訓練を受けていたのでしょう、スキャンした時にはそこまで気になりませんdしたが、この間マスターが投げそこなったものをキャッチするのを見て確信しました。彼女がいれば宙賊への対処も可能、仕事を受けた理由をご納得いただけましたか?」

「納得するしかないだろう。確かに彼女の腕があれば近づく前に迎撃できそうだし乗り込まれても十分対処できる、そしてソルアレスにはそれを行える機能が備えられていると」

「その通りです、いくらマスターが自由を望んでも丸腰で旅はできませんのでソルアレスの最上部には銃座が設置してあります」

 ボロ船を引き継いだ時にはそんなもの付いていなかったはずなのになんでこんなことになったんだろうか。

 自己進化システムだっけ?

 こんなものが他の船にもついていたら今頃大変なことになっているに違いない。

 これもまたアリスと同じくアーティファクト的な機能なんだろうなぁ。

「ただのショップシップの筈なのにおかしな話だ」

「今時何も対策していない船なんてありません、とはいえ我々の目的はあくまでも荷物の輸送ですから銃座はあくまでも飾り、どうしてもという場合以外は使用しませんよ」

「そうであることを祈る。お、終わったみたいだな」

 視線を戻すとシミュレーションを終えたイブさんがヘッドセットを外し、爽やかな笑顔を向けて来る。

 彼女の出自がどうであれ、あの技術と実力そしてアリスがいれば問題なく小惑星群を抜けることが出来るだろう。

 元気に手を振る彼女に手を振り返し、労うべくシミュレーションルームへと向かうのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...