お母様!その方はわたくしの婚約者です

バオバブの実

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本物の恋?

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 娘がロベルト様を連れてきたあの日からわたくしはおかしくなってしまいましたわ。
 (あぁ、あなたはなぜロベルト様なの…
 なぜその瞳に私を写してはくださらないの…)
「す、すごいわ!」
 すらすらと言葉が出てくる。
 これが…恋というものなのね。
 恋愛小説とは比べものにならないわ。
 これが本物の…恋。
「こうしちゃいられない!」
 わたくしは紙とペンを持って急いで庭園中央のガゼボまで行きました。
 わたくしはここでないとポエムが書けないのです。
 そういえば昨日ここでふたりは楽しそうにしてたわね…
 なんだか切ないわ。

 (あなたは愛をささやく、私の知らない誰かに
 あなたは愛を乞う、私の知らない誰かに)

「いいわ、いいわ」

 (ならばいっそその名前をお捨てください
 そして私の知らない誰かになって
 この苦しい気持ちから解放されたいの)

 ここまで書いてはたと気づいた。

「実名はよくないわ…」

「これで良し」

 “ロベルト”のところをわざと空白にしたわ。

 (あぁ、あなたはなぜ______様なの…)

 あとはみなさんに想像してもらいましょう。


 ここまで書いたらメイドが呼びに来ました。
「奥様、皆様お待ちですよ」
「皆様って?」
「旦那様とお嬢様です。来週のことで家族会議をするということでリビングでお待ちです」
「?」
 なんのことだったかしら?
「ありがとう、今行くわ」
 リビングに行く前に廊下でダリアに捕まりましたわ。
「お母様、昨日の話聞いてました?」
「も、もちろんよ(なんだったかしら?)」
「…来週グリーンウッド侯爵とともにロベルト様が正式な結婚の申し込みのため訪問されます」
「(よかった!それなら聞いていたわ)そうよ、どうやってもてなそうかということでしょう」
「…それもありますが…そのあと、わたくしたちがいつグリーンウッド侯爵家にお伺いするか?」
「?」
「何を手土産として持っていくか?そういう家族会議ですよ」
「なんでわたくしたちがグリーンウッド家に行くの?」
「やっぱり!ここ一番大事なところです。
 ロベルト様を婿養子として我が家に来ていただく申し入れをするためです」
「えっ⁈」
「我が家は娘、わたくしひとりですもの。当然そうなるでしょう。幸いロベルト様は次男ですし…もうお父上であるグリーンウッド侯爵様には話を通してあるから大丈夫とロベルト様はおっしゃられていますが…
 不備のないようにですね…」
「ちょっと待って!ロベルト様がウチへ?」
「そうです。この屋敷、結構広いから同居しても」
「待って待って!いっしょに住む?」
「?、そのつもりですけど」
 (耐えられない!間近にロベルト様?この思いを隠していっしょに住む?)
 わたくしはあれやこれや考えるうちに目の前がシュワシュワッと白くなり…
「キャー!お母様!」
 ダリアの叫び声が最後。
 倒れたらしい…
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