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第一話 桜坂栞の独白
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いままでの人生で、これほど失望させられたことはない。
中学2年生になったばかりのころ、私は勇気を振り絞って彼に告白し、見事恋が成就した。そのとき、彼は私にこう言ったんだ。
『ずっと、一緒にいてくれ』
……なのに、まさか中学の卒業式間際に、あんなセリフを告げられるなんて思ってもいなかった。
『俺達、別れよう』。
もし、別れの原因が私にあったのなら、多少は納得がいく部分があったかもしれない。けど理由を尋ねてみれば、『恋愛に興味がなくなった』の一点張り。
「……なによ、それ」
純粋に最低な男だと思った。ずっと一緒にいてくれと言ったのはそっちじゃない。私も同じ気持ちだったから、ずっと一緒にいようと誓ったのに。
「最低……っ!」
結局彼は女を言葉巧みに弄ぼうとする口先だけの男だったということ。
きっと彼も、私が1000年に一度の美少女だからという理由だけで群がってきたオスのひとりに過ぎなかったのだ。
「私の純粋な恋心を踏みにじった罪は重いわよ」
自分の部屋に飾られているカレンダーに目を向ける。明日は4月7日月曜日。高校の入学式だ。
「明日が楽しみね」
まるで遠足前日に眠れなくなるあの現象にドキドキやワクワクを感じながらも、私は部屋の電気を消して眠りについた。
中学2年生になったばかりのころ、私は勇気を振り絞って彼に告白し、見事恋が成就した。そのとき、彼は私にこう言ったんだ。
『ずっと、一緒にいてくれ』
……なのに、まさか中学の卒業式間際に、あんなセリフを告げられるなんて思ってもいなかった。
『俺達、別れよう』。
もし、別れの原因が私にあったのなら、多少は納得がいく部分があったかもしれない。けど理由を尋ねてみれば、『恋愛に興味がなくなった』の一点張り。
「……なによ、それ」
純粋に最低な男だと思った。ずっと一緒にいてくれと言ったのはそっちじゃない。私も同じ気持ちだったから、ずっと一緒にいようと誓ったのに。
「最低……っ!」
結局彼は女を言葉巧みに弄ぼうとする口先だけの男だったということ。
きっと彼も、私が1000年に一度の美少女だからという理由だけで群がってきたオスのひとりに過ぎなかったのだ。
「私の純粋な恋心を踏みにじった罪は重いわよ」
自分の部屋に飾られているカレンダーに目を向ける。明日は4月7日月曜日。高校の入学式だ。
「明日が楽しみね」
まるで遠足前日に眠れなくなるあの現象にドキドキやワクワクを感じながらも、私は部屋の電気を消して眠りについた。
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