『幸せ』を掴むまで

峠 凪

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第 2 章

15, 誘拐〔 Ⅵ 〕side:アイル

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 ミーナの誘拐から7日。

 やっとレイの隠れ家の場所を特定した。


 ☆   ☆   ☆


「この先の森の中だな」
「ああ。・・・間違って無かったらな」

 俺の他にマットやディラン、団員5人連れてそれぞれの愛馬に乗り走らせていた。

 ミーナに後ろめたさを感じ避け、副団長のマットと筋が良いレイをミーナの護衛としてつけた。本当は俺が傍で守っていたかったが、1度後ろめたく思うとダメだった。どうしても、『見た目の珍しさに惹かれた』という考えがちらつき、冷静を保てなかった。冷静になれない俺よりも冷静でいられる者、第3者が護衛をするべきだと思った。

 ・・・この考えが間違っていたと分かった時には既にミーナは拐われていた。


 冷静に護衛役を吟味したと思っていたが妙に胸騒ぎがしてレイのことを調べた。そしたら、レイは獣人を下に見るタイプの人間だった。レイと同期のやつに聞いた事だが、昔、獣人を虐げる親に聞いたらしい。
「何故、虐めるの?」
 と。親は、
「獣だからだ。獣を躾けるのは普通の事だ」
 と、言ったそうだ。

 今時、この国にそんな差別する人はいない。・・・レイの出身国は、差別が大きい隣国だった。


 
 ☆   ☆   ☆



 もし、レイが隣国出身である事を知っていたら。もし、護衛を2人だけでは無く4人と多かったら。もし、・・・俺が後ろめたく思わ無かったら。ミーナは、拐われ無かっただろうか・・・?



 ☆   ☆   ☆



「団長着いたぞ。」

 不意にマットから声をかけられ、答えの無い問いから脱した。所詮、『もし』なのだから。

「レイ、大人しく投降しろ。俺も元部下と剣をまじらわせたくない」


「・・・以外と遅い到着でしたね。団長。あの獣はもう此処にはいませんよ。残念でしたね。・・・お気に入りのペットがいなくなって悲しいですか?でも、もっと良いペットはいますから。落ち込まないで下さい」

「・・・何故、ミーナを拐ったんだ」


 何処か狂っているレイに聞いた。・・・どうせ、実のある事は聞けないだろうが・・・。


「何故って。あの獣が団長を誘惑したんでしょう?団長にあんな獣は似合いません。もっと毛並みが良く従順で賢くなければ。団長に相応しくない。・・・ああ、でも、団長は珍しい毛並みが好みだったんですよね。大丈夫ですよ、珍しい毛並みなんて幾らでもいますよ。だから、落ち込まないで下さい」


 そう言って、レイは微笑んだ。・・・結局、ミーナが拐われたのは俺のせいだった。見た目を好んでいたと言われる程、俺は・・・・・・。


 ☆   ☆   ☆


 レイの隠れ家を捜索したがレイが言っていた通りミーナはいなかった。振り出しに戻ったかと思ったが、レイが自白し隣国の伯爵に売られた事が分かった。
 
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