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18話 「アニーキ―の秘密」
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僕メンテ。今日は母と一緒にお昼寝中です。
バターン!!
と扉の開く音で僕は目が覚めました。
「んぎゃあ?!」
「え、寝てた?!」
「うんぎゃああああああああ」
「あわわわ。メンテごめん」
「ちょっとアニーキー、ノックしなさいって何度言えばわかるの!! メンテちゃんびっくりして泣いちゃったじゃないの」
母が兄貴に怒りました。母は悪いことをしたらしっかり怒ります。子供に甘いだけではない立派な母親なのですぞ!!
いえ、決して父に怒ったときの母を思い出して褒めているわけではありませんよ? 確かにあれは怖かったですが、あれは父が悪いのです。母を怒らせてはいけません。僕はしっかり学べる子なのです。
母は僕を落ち着かせようと抱っこしました。僕は一瞬びくっとしただけで泣く程ではないのですが、体が勝手に動いてしまうので止められませんね。
「うぇええええっぐーーーー」
「ほらほら。よ~しよしよしよし。メンテちゃんママですよ」
「んぐうううう」
さすが母です。僕は落ち着いてきました。
「で、アニーキ―は何か用があるの?」
「いえ、アーネを探していただけで驚かすつもりはありませんでした。母さん、メンテ、ごめんなさい」
兄貴はしっかりあやまることが出来ます。僕は弟だけどいい子だと思いますよ!
「カフェさんに頼んでアーネを呼びましょうか?」
「そんなに急いでないから、別に呼ばなくていいですよ」
「本当?」
「本当です」
母はなんとなく事情を察したのでしょうか。別の話題を振ってきます。
「ちょっとママお手洗いに行きたいの。その間だけメンテちゃんを見ててくれる?」
「えっとー……」
「メンテちゃん本当ならあと1時間は寝てたのにねえ。どうして起きちゃったのかしら? 不思議よねえ」
「……俺がメンテを見ます」
「え? 本当にいいの? アニーキ―が面倒見てくれるのかしら?」
「お、俺がしますので母さんはトイレにでも」
「お手洗いですよ? 言葉づかいにも気を付けましょうね、アニーキ―?」
「ごめんなさい……」
うわあ……、これはむごい。母から兄貴への何も言わせねえよってオーラが尋常じゃないね。兄貴かわいそうです。ナンス家最強なのは母で間違いありません。
決めました、もし僕に何かがあれば母にチクっちゃいましょう! それがいちばんの解決策ですね。
◆
母がおしっ…ではなくお手洗いに行きました。そんなわけで僕と兄貴の二人っきりです。兄貴はどうしようって顔で僕を見ています。よし、僕から動きましょう!
「だぁーぶ」
「うおお、メンテどうした」
おしゃぶりをポイっと投げました。これは兄貴が僕のために選んでくれた大切なものです。最初こそ大事に扱おうと思いました。でも僕はおっぱいのほうが好きでした。こんなんいらねえよと投げつけます。
「メンテー、これは投げるものじゃなくて口に入れる物なんだよ」
「だああっぶー!(おっぱいー!)」
僕が投げたのを兄貴が拾います。そして、僕の手に届く範囲に戻します。今度こそ遠くに投げ飛ばしてやるとチャレンジしますが、いかんせん僕は力のない赤ちゃんなのです。すぐに拾われてしまいます。
「遊んでくれないよりましかなあ」
「あぐぅ!(おっぱい!)」
「ほらほら、メンテ」
「えぐぅ!(おっぱい!)」
「何度でも拾ってあげるからね~」
「うぐぅ!(おっぱい!)」
最初こそ投げ捨てられて微妙な顔の兄貴でした。最近はおもちゃみたいに遊んでいると聞いて嬉しそうにしています。ただ、僕の心の声を聞いたら大変なことになりそうです。
僕はもう一つ近くにあったガラガラこと魔力ボールを手にしようと動きます。こっちのほうが遠くに投げられそうでだからね。すると兄貴が先に取ってしまいました。
「これ投げちゃうなら俺に貸してよ」
「えぐぅ?」
「ちょっと見てて!」
兄貴は魔力ボールに力を込めているようです。すると光りだしました。
「うぐぅ?」
「よし、できた!」
兄貴は喜んでいますね。僕にはさっぱりわかりませんが。
「メンテ見てみ~、雷の力を込めてみたんだぞ~」
「あぶぅ~?」
「へへーんだ! すごいだろう」
そういえば町に出かけたときに本を買っていました。なんというタイトルでしたっけ?
「俺この前買って貰った絶対に強くなる本を読んで、いっぱい魔法の練習をしたんだ。本当はアーネに自慢したかったんだけどね」
そうでしたか。アーネを探しているのは魔法を見てほしかったのですね。あの本に載っている魔法は詠唱が素晴らしいとか技がカッコいいとか言ってますよ。父や母に驚いてほしいからこっそり練習しているとか秘密を暴露してます。僕は赤ちゃんで言葉もわからないから聞いてあげちゃうよ。僕も早く魔法を勉強したくなったよ!
兄貴は褒めて欲しそうだったのでお僕が相手をしましょう! アーネの代わりにですが別にいいよね。
「あぐうう!」
「メンテは魔法が好きだからなあ」
「うぐうう!」
「へっへっ、驚いてるねえ」
僕がいうのもなんなんだけど、なんと微笑ましい光景なのでしょう! 兄弟の仲が良いとはこのことでしょう。
あと僕に対しては言葉が砕けるというかいつも通りな兄です。父や母には語尾がです・ますと丁寧に話すけど、僕的にはいつもの素のままの方が好きですよ。
「そうだ、メンテに特訓した成果を見せてあげるよ。特別だよ」
すると兄貴は魔力ボールをポケットから出しました。ん? 僕の持っているやつよりでかくない?
「これは俺が練習で使ってるやつなんだ。弱い魔法ならこのボールが吸い込んじゃうんだよ」
「だぁーぶー(うらやまー)」
兄貴のボールはとても綺麗です。僕のは結構傷がついているので新品は羨ましいです。それを僕達から少し離れた窓側に置きました。この位置なら外に魔法が飛んでいくので僕に当たりません。安心ですね。
メンテ見ててねと言うと兄貴は集中を始めました。
「我が手に集え雷の力よ。さあ、世界に破壊を導け、ここより先は地獄、地獄は我が世界。終焉をもたらすその雷の名は禁忌の力、すなわち世界に革命をもたらせ、その名は電撃!!! 」
バーーンッ? ……シュッ。
直径10センチあるかないかの小さな雷がノロノロと移動し、すうっと魔力ボールに吸い込まれていきました。
「ぶぅふううううう!」
「おお、さすがメンテだね。すごいってわかるよね!!」
あまりにダサい詠唱と弱い威力の魔法に笑ちゃいましたよ。兄貴は都合の良い方向に解釈したようですが。僕が見たことのある魔法は無詠唱だったり、「ふん」やら「ほい」というだけで発動しています。こんなしょぼくて恥ずかしい魔法が存在するんですね! とんでもない魔法です(笑)
「えへへ~、メンテ~」
「きゃきゃ」
気分が良くなった兄貴は僕のことをかまってくれました。兄貴も魔法の練習を頑張っているみたいですね。頑張ったねーと笑っておきます。
ただ参考にする本は変えるべきだと思います。きっと絶対にシリーズの作者は中二病でしょう。
「ただいま~。二人とも元気そうね」
「おかえりなさい」
「うぐ~」
母が帰ってきました。
「メンテ、母さんには内緒ね」
「んぐ」
兄貴は小さな声で僕にしゃべりました。ちゃんと約束は守りますよ。
魔法といえばあれがすごいと思いました!
兄貴が魔力ボールを光らせた頃、音もなく扉が開きましたね。その隙間から母がこっそりと中を覗いていました。僕はすぐに気づいたのですが、兄貴は全く気付いていなかったのか、秘密をペラペラしゃべってましたね。気配を感じないってこのことだね!!
やっぱりこの世界の魔法ってなんでも出来るから素晴らしい!
バターン!!
と扉の開く音で僕は目が覚めました。
「んぎゃあ?!」
「え、寝てた?!」
「うんぎゃああああああああ」
「あわわわ。メンテごめん」
「ちょっとアニーキー、ノックしなさいって何度言えばわかるの!! メンテちゃんびっくりして泣いちゃったじゃないの」
母が兄貴に怒りました。母は悪いことをしたらしっかり怒ります。子供に甘いだけではない立派な母親なのですぞ!!
いえ、決して父に怒ったときの母を思い出して褒めているわけではありませんよ? 確かにあれは怖かったですが、あれは父が悪いのです。母を怒らせてはいけません。僕はしっかり学べる子なのです。
母は僕を落ち着かせようと抱っこしました。僕は一瞬びくっとしただけで泣く程ではないのですが、体が勝手に動いてしまうので止められませんね。
「うぇええええっぐーーーー」
「ほらほら。よ~しよしよしよし。メンテちゃんママですよ」
「んぐうううう」
さすが母です。僕は落ち着いてきました。
「で、アニーキ―は何か用があるの?」
「いえ、アーネを探していただけで驚かすつもりはありませんでした。母さん、メンテ、ごめんなさい」
兄貴はしっかりあやまることが出来ます。僕は弟だけどいい子だと思いますよ!
「カフェさんに頼んでアーネを呼びましょうか?」
「そんなに急いでないから、別に呼ばなくていいですよ」
「本当?」
「本当です」
母はなんとなく事情を察したのでしょうか。別の話題を振ってきます。
「ちょっとママお手洗いに行きたいの。その間だけメンテちゃんを見ててくれる?」
「えっとー……」
「メンテちゃん本当ならあと1時間は寝てたのにねえ。どうして起きちゃったのかしら? 不思議よねえ」
「……俺がメンテを見ます」
「え? 本当にいいの? アニーキ―が面倒見てくれるのかしら?」
「お、俺がしますので母さんはトイレにでも」
「お手洗いですよ? 言葉づかいにも気を付けましょうね、アニーキ―?」
「ごめんなさい……」
うわあ……、これはむごい。母から兄貴への何も言わせねえよってオーラが尋常じゃないね。兄貴かわいそうです。ナンス家最強なのは母で間違いありません。
決めました、もし僕に何かがあれば母にチクっちゃいましょう! それがいちばんの解決策ですね。
◆
母がおしっ…ではなくお手洗いに行きました。そんなわけで僕と兄貴の二人っきりです。兄貴はどうしようって顔で僕を見ています。よし、僕から動きましょう!
「だぁーぶ」
「うおお、メンテどうした」
おしゃぶりをポイっと投げました。これは兄貴が僕のために選んでくれた大切なものです。最初こそ大事に扱おうと思いました。でも僕はおっぱいのほうが好きでした。こんなんいらねえよと投げつけます。
「メンテー、これは投げるものじゃなくて口に入れる物なんだよ」
「だああっぶー!(おっぱいー!)」
僕が投げたのを兄貴が拾います。そして、僕の手に届く範囲に戻します。今度こそ遠くに投げ飛ばしてやるとチャレンジしますが、いかんせん僕は力のない赤ちゃんなのです。すぐに拾われてしまいます。
「遊んでくれないよりましかなあ」
「あぐぅ!(おっぱい!)」
「ほらほら、メンテ」
「えぐぅ!(おっぱい!)」
「何度でも拾ってあげるからね~」
「うぐぅ!(おっぱい!)」
最初こそ投げ捨てられて微妙な顔の兄貴でした。最近はおもちゃみたいに遊んでいると聞いて嬉しそうにしています。ただ、僕の心の声を聞いたら大変なことになりそうです。
僕はもう一つ近くにあったガラガラこと魔力ボールを手にしようと動きます。こっちのほうが遠くに投げられそうでだからね。すると兄貴が先に取ってしまいました。
「これ投げちゃうなら俺に貸してよ」
「えぐぅ?」
「ちょっと見てて!」
兄貴は魔力ボールに力を込めているようです。すると光りだしました。
「うぐぅ?」
「よし、できた!」
兄貴は喜んでいますね。僕にはさっぱりわかりませんが。
「メンテ見てみ~、雷の力を込めてみたんだぞ~」
「あぶぅ~?」
「へへーんだ! すごいだろう」
そういえば町に出かけたときに本を買っていました。なんというタイトルでしたっけ?
「俺この前買って貰った絶対に強くなる本を読んで、いっぱい魔法の練習をしたんだ。本当はアーネに自慢したかったんだけどね」
そうでしたか。アーネを探しているのは魔法を見てほしかったのですね。あの本に載っている魔法は詠唱が素晴らしいとか技がカッコいいとか言ってますよ。父や母に驚いてほしいからこっそり練習しているとか秘密を暴露してます。僕は赤ちゃんで言葉もわからないから聞いてあげちゃうよ。僕も早く魔法を勉強したくなったよ!
兄貴は褒めて欲しそうだったのでお僕が相手をしましょう! アーネの代わりにですが別にいいよね。
「あぐうう!」
「メンテは魔法が好きだからなあ」
「うぐうう!」
「へっへっ、驚いてるねえ」
僕がいうのもなんなんだけど、なんと微笑ましい光景なのでしょう! 兄弟の仲が良いとはこのことでしょう。
あと僕に対しては言葉が砕けるというかいつも通りな兄です。父や母には語尾がです・ますと丁寧に話すけど、僕的にはいつもの素のままの方が好きですよ。
「そうだ、メンテに特訓した成果を見せてあげるよ。特別だよ」
すると兄貴は魔力ボールをポケットから出しました。ん? 僕の持っているやつよりでかくない?
「これは俺が練習で使ってるやつなんだ。弱い魔法ならこのボールが吸い込んじゃうんだよ」
「だぁーぶー(うらやまー)」
兄貴のボールはとても綺麗です。僕のは結構傷がついているので新品は羨ましいです。それを僕達から少し離れた窓側に置きました。この位置なら外に魔法が飛んでいくので僕に当たりません。安心ですね。
メンテ見ててねと言うと兄貴は集中を始めました。
「我が手に集え雷の力よ。さあ、世界に破壊を導け、ここより先は地獄、地獄は我が世界。終焉をもたらすその雷の名は禁忌の力、すなわち世界に革命をもたらせ、その名は電撃!!! 」
バーーンッ? ……シュッ。
直径10センチあるかないかの小さな雷がノロノロと移動し、すうっと魔力ボールに吸い込まれていきました。
「ぶぅふううううう!」
「おお、さすがメンテだね。すごいってわかるよね!!」
あまりにダサい詠唱と弱い威力の魔法に笑ちゃいましたよ。兄貴は都合の良い方向に解釈したようですが。僕が見たことのある魔法は無詠唱だったり、「ふん」やら「ほい」というだけで発動しています。こんなしょぼくて恥ずかしい魔法が存在するんですね! とんでもない魔法です(笑)
「えへへ~、メンテ~」
「きゃきゃ」
気分が良くなった兄貴は僕のことをかまってくれました。兄貴も魔法の練習を頑張っているみたいですね。頑張ったねーと笑っておきます。
ただ参考にする本は変えるべきだと思います。きっと絶対にシリーズの作者は中二病でしょう。
「ただいま~。二人とも元気そうね」
「おかえりなさい」
「うぐ~」
母が帰ってきました。
「メンテ、母さんには内緒ね」
「んぐ」
兄貴は小さな声で僕にしゃべりました。ちゃんと約束は守りますよ。
魔法といえばあれがすごいと思いました!
兄貴が魔力ボールを光らせた頃、音もなく扉が開きましたね。その隙間から母がこっそりと中を覗いていました。僕はすぐに気づいたのですが、兄貴は全く気付いていなかったのか、秘密をペラペラしゃべってましたね。気配を感じないってこのことだね!!
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