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42話 「離乳食 その2」
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椅子に興奮してしまいましたが、これは離乳食の話でしたね。
僕はうっきうきの気分で”魔法椅子”に座っています。テーブルチェアを使った魔法を用いた椅子だと長いからと父が命名しましたよ。これって冒険者にとってめっちゃ便利な魔道具になるんじゃないかな?
例えばの話ですが、大きめの板にこの魔法を使えば休憩できるスペースがどこでも確保できると思いませんか? 椅子以外にもこの魔法が使えたらすごいよね。工夫次第でいろいろな魔道具として売れそうです。足場が悪くても使えるのは革命だと思うのですが、どうなんでしょうね?
「えっとー、ちょっといいかな?」
「あら、アニーキ―いたのね」
「母さん、ひどくない?! それより全く状況が分らないのですが……」
「だぁぶうううううううううううう!」バンバンバン←興奮して椅子を叩きまくるメンテ
「うえええええええん!」←大泣きのアーネ
「ママはいつ見ても綺麗だね」←アニーニーに気付いていないダンディ
「……そうね。説明すると長くなるわね。ちょっとみんな落ち着いてね」
パンパンと手を叩くとアーネ以外は静かになりました。そして、アニーキ―はこの状況を理解したのでした。カオスだよカオス。
「話を聞くとアーネが悪いよね。それより離乳食を食べさせないの? さっきから待ってるよ」
「え?」
そこには準備できたと伝えに来ていたシェフさんがいました。ちょっと苦笑いですね。
「ずっと呼んでたよ。誰にも聞こえてなかったみいたいだけどさ」
「シェフさん、ごめんなさいね」
「いえいえ、別にいいですよ。今日は一段と騒がしいですね」
「椅子で少しね。そちらは準備できたのね」
「ええ、では持ってきますのでお待ちを」
それから程なくして僕は我に返りました。気付けばナンス家が全員揃っており、キッサさん、カフェさん、タクシーさんも一緒の机にいました。あ、シェフさんがみんなの料理を持ってきたよ。
料理を並べている間にみんなの会話をまとめますね。どうやらキッサさんとカフェさんは、料理を手伝っていたそうです。カフェさんは今後のために覚えるのだとか。タクシーさんは、アーネの座っている椅子を持ってきたんだって。そして、シェフさんが離乳食を持って来ていいか聞こうとしたのに誰も話を聞いてくれなかったそうです。へえ、それは大変だったねえ。
「メンテちゃん、離乳食たべようね~」
「えぐう!」
◆
「メンテちゃんの初めては”おかゆ”ね。はい、あーんして」
「……うぐぅ?」
僕は何を言っているのか分からない赤ちゃんのふりをします。いきなり出されたものを食べると逆に驚きませんか?
「あーんよ。口を開けてね」
「……ちゅぱちゅぱちゅぱ~」
「ごめんね、おっぱいじゃないのよ。口を大きく開けようね~」
僕がおっぱいを想像していたら勝手に口が動いていたようです。僕がずっと赤ちゃん演技をしていると、キッサさんからアドバイスが飛びました。
「そうなると思ってたわ。レディーのおかゆもあるから食べて見せなさい。まずはメンテくんに食べ物だと理解させなきゃ」
キッサさんがおかゆの入った器を浮かせます。ビューンと母の目の前まで飛んで行きました。やっぱりキッサさんの魔法はすごいですね。年齢も相まって魔法使いのおばあちゃんに見えますよ!
母が僕の目の前でおかゆを食べました。僕はその様子をじっと見ます。正確には今の魔法すごくね? もしかするとこの器が魔道具で仕掛けがあるのかなと確認をしていました。そんな僕を見て、母とキッサさんはうまいこと勘違いしてくれました。
「おかゆに興味あるみたいね。今がチャンスよ、レディー」
「はいメンテちゃん、あ~んして」
「……だぁ」
少しだけ開けた口の中にスプーンが入りました。パクっと口を閉じるとゆっくりスプーンを引きます。
「……んぅ?」
うん、普通のおかゆですね。味は薄いので塩っぽいものを入れたいところです。でも赤ちゃんにはこのぐらいが丁度良いと感じてしまいます。心と体が合っていないというべきでしょうか? さっきのちゅぱちゅぱも理屈は同じですね。気が付いたら勝手に体が動いているのです。
みんな僕の食べる姿をじっと見つめています。記念すべき初めての食事ですからね。ざわざわしているので聞き耳を立ててみます。
「わたしもあーんしたいな」
「ママは忙しいからパパに言ってね」
「パパ、あーんして」
「はっはっは、アーネはもう赤ちゃんじゃないだろ?」
「じゃあお兄ちゃんー!」
「嫌だよ、俺も食べてるから他の人に頼んでよ」
「わたしも誰かにあーんして欲しいの!」
「ではアーネ様のあーんは私がやりましょう。そっちに行きますぞ」←タクシー
「わたし自分で食べれるから」
「……ほほっ。そうですか」←タクシー
「アーネ様、私があーんしましょうか?」←カフェ
「本当?! やったー! カフェさん早くあーんして!」
「かしこまりました」
タクシーさんがしょぼーんと落ち込みました。僕が生まれてくるまでは、アーネはあーんをして貰う立場だったのでしょう。懐かしい椅子を見たせいか、昔のことを思い出してしまったのですね。
お姉ちゃんとして頑張っていても甘えたいときはあるよね。お詫びもかねてあとで一緒に遊ぼうと決めました。
考え事をしていると、二口目をあげようと母が僕の目の前でスプーンを揺らしていました。なぜでしょう? 目の前でそんなに揺らされると手が出したくなりますね。
「だぁぶー!」バシンッ
「もーうメンテちゃん、これはおもちゃじゃないのよ!」
ついついパンチをしてしまいました。グーのようなパーのようなパンチです。勝手に体が動いたからしょうがないよね。僕赤ちゃんだもの。
「きゃきゃきゃ!」
「メンテ遊んでるよー」
「喜んでいる? けど、おもちゃと間違ってないかな? 笑ってるし」
「はっはっは。もういらないんじゃないか」
解説が入りましたね。みんな僕の気持ちをよく分かっているじゃありませんか。ここまで赤ちゃんになりきれる赤ちゃんはいないと思うのですよ。
「最初にしては上出来よレディー」
「キッサさんありがとう」
「ゆっくり慣れさせましょうね。……ああやって食べさせるのよ。分かったカフェ? あなたも将来やるんだから覚えておきなさい」
「とても参考になります」
カフェさん花嫁修業でもしてるのかな?
「ほほっ、懐かしい気持ちになりますなあ。キッサ、これを奥様に届けてください」
「あら、あんたいつの間に。いつから準備してたのよ」
「ほほっ、執事ですからね」
タクシーさんは、キッサさんに何かが入ったお皿を渡しました。それをキッサさんが飛ばすと、母のおかゆの中に入れます。全部入ったのを確認すると、今度は母の器を浮かせて中身が混ざるようにぐるぐると動かすキッサさん。最後に母の前に器を置いて出来上がりです。
「あら、おいしそうね」
「メンテ様が食べ終わるまで別の皿に用意していたのですよ。奥様もメンテ様と一緒な料理では食べ辛いでしょう。保温魔法を使っていたので食べごろの状態ですぞ」
母の味のなかったおかゆが味付けされ、おいしそうなおかゆ料理へと変貌しました。母は僕と同じうっすい味のおかゆを食べていたからね。
見た感じ米と具材を別々に分けていたようです。僕がもう食べないからと母のおかゆを魔法で大人の味に変えちゃった。魔法で味変するなんて思わなかったよ。
「うぐ?! えっぐうううううううう!(ずるい、それ頂戴!)」
バシバシと机を叩いてアピールしますが、僕にはまだ早いそうです。絶対そっちの方がおいしいと思うけどね。
それにしても今日のタクシーは有能ですね。いつものポンコツっぷりを発揮しないのが不思議です。
おかゆは日本とあまり変わりませんでしたね。次は野菜だって。こっちは異世界っぽいのかなあ……?
僕はうっきうきの気分で”魔法椅子”に座っています。テーブルチェアを使った魔法を用いた椅子だと長いからと父が命名しましたよ。これって冒険者にとってめっちゃ便利な魔道具になるんじゃないかな?
例えばの話ですが、大きめの板にこの魔法を使えば休憩できるスペースがどこでも確保できると思いませんか? 椅子以外にもこの魔法が使えたらすごいよね。工夫次第でいろいろな魔道具として売れそうです。足場が悪くても使えるのは革命だと思うのですが、どうなんでしょうね?
「えっとー、ちょっといいかな?」
「あら、アニーキ―いたのね」
「母さん、ひどくない?! それより全く状況が分らないのですが……」
「だぁぶうううううううううううう!」バンバンバン←興奮して椅子を叩きまくるメンテ
「うえええええええん!」←大泣きのアーネ
「ママはいつ見ても綺麗だね」←アニーニーに気付いていないダンディ
「……そうね。説明すると長くなるわね。ちょっとみんな落ち着いてね」
パンパンと手を叩くとアーネ以外は静かになりました。そして、アニーキ―はこの状況を理解したのでした。カオスだよカオス。
「話を聞くとアーネが悪いよね。それより離乳食を食べさせないの? さっきから待ってるよ」
「え?」
そこには準備できたと伝えに来ていたシェフさんがいました。ちょっと苦笑いですね。
「ずっと呼んでたよ。誰にも聞こえてなかったみいたいだけどさ」
「シェフさん、ごめんなさいね」
「いえいえ、別にいいですよ。今日は一段と騒がしいですね」
「椅子で少しね。そちらは準備できたのね」
「ええ、では持ってきますのでお待ちを」
それから程なくして僕は我に返りました。気付けばナンス家が全員揃っており、キッサさん、カフェさん、タクシーさんも一緒の机にいました。あ、シェフさんがみんなの料理を持ってきたよ。
料理を並べている間にみんなの会話をまとめますね。どうやらキッサさんとカフェさんは、料理を手伝っていたそうです。カフェさんは今後のために覚えるのだとか。タクシーさんは、アーネの座っている椅子を持ってきたんだって。そして、シェフさんが離乳食を持って来ていいか聞こうとしたのに誰も話を聞いてくれなかったそうです。へえ、それは大変だったねえ。
「メンテちゃん、離乳食たべようね~」
「えぐう!」
◆
「メンテちゃんの初めては”おかゆ”ね。はい、あーんして」
「……うぐぅ?」
僕は何を言っているのか分からない赤ちゃんのふりをします。いきなり出されたものを食べると逆に驚きませんか?
「あーんよ。口を開けてね」
「……ちゅぱちゅぱちゅぱ~」
「ごめんね、おっぱいじゃないのよ。口を大きく開けようね~」
僕がおっぱいを想像していたら勝手に口が動いていたようです。僕がずっと赤ちゃん演技をしていると、キッサさんからアドバイスが飛びました。
「そうなると思ってたわ。レディーのおかゆもあるから食べて見せなさい。まずはメンテくんに食べ物だと理解させなきゃ」
キッサさんがおかゆの入った器を浮かせます。ビューンと母の目の前まで飛んで行きました。やっぱりキッサさんの魔法はすごいですね。年齢も相まって魔法使いのおばあちゃんに見えますよ!
母が僕の目の前でおかゆを食べました。僕はその様子をじっと見ます。正確には今の魔法すごくね? もしかするとこの器が魔道具で仕掛けがあるのかなと確認をしていました。そんな僕を見て、母とキッサさんはうまいこと勘違いしてくれました。
「おかゆに興味あるみたいね。今がチャンスよ、レディー」
「はいメンテちゃん、あ~んして」
「……だぁ」
少しだけ開けた口の中にスプーンが入りました。パクっと口を閉じるとゆっくりスプーンを引きます。
「……んぅ?」
うん、普通のおかゆですね。味は薄いので塩っぽいものを入れたいところです。でも赤ちゃんにはこのぐらいが丁度良いと感じてしまいます。心と体が合っていないというべきでしょうか? さっきのちゅぱちゅぱも理屈は同じですね。気が付いたら勝手に体が動いているのです。
みんな僕の食べる姿をじっと見つめています。記念すべき初めての食事ですからね。ざわざわしているので聞き耳を立ててみます。
「わたしもあーんしたいな」
「ママは忙しいからパパに言ってね」
「パパ、あーんして」
「はっはっは、アーネはもう赤ちゃんじゃないだろ?」
「じゃあお兄ちゃんー!」
「嫌だよ、俺も食べてるから他の人に頼んでよ」
「わたしも誰かにあーんして欲しいの!」
「ではアーネ様のあーんは私がやりましょう。そっちに行きますぞ」←タクシー
「わたし自分で食べれるから」
「……ほほっ。そうですか」←タクシー
「アーネ様、私があーんしましょうか?」←カフェ
「本当?! やったー! カフェさん早くあーんして!」
「かしこまりました」
タクシーさんがしょぼーんと落ち込みました。僕が生まれてくるまでは、アーネはあーんをして貰う立場だったのでしょう。懐かしい椅子を見たせいか、昔のことを思い出してしまったのですね。
お姉ちゃんとして頑張っていても甘えたいときはあるよね。お詫びもかねてあとで一緒に遊ぼうと決めました。
考え事をしていると、二口目をあげようと母が僕の目の前でスプーンを揺らしていました。なぜでしょう? 目の前でそんなに揺らされると手が出したくなりますね。
「だぁぶー!」バシンッ
「もーうメンテちゃん、これはおもちゃじゃないのよ!」
ついついパンチをしてしまいました。グーのようなパーのようなパンチです。勝手に体が動いたからしょうがないよね。僕赤ちゃんだもの。
「きゃきゃきゃ!」
「メンテ遊んでるよー」
「喜んでいる? けど、おもちゃと間違ってないかな? 笑ってるし」
「はっはっは。もういらないんじゃないか」
解説が入りましたね。みんな僕の気持ちをよく分かっているじゃありませんか。ここまで赤ちゃんになりきれる赤ちゃんはいないと思うのですよ。
「最初にしては上出来よレディー」
「キッサさんありがとう」
「ゆっくり慣れさせましょうね。……ああやって食べさせるのよ。分かったカフェ? あなたも将来やるんだから覚えておきなさい」
「とても参考になります」
カフェさん花嫁修業でもしてるのかな?
「ほほっ、懐かしい気持ちになりますなあ。キッサ、これを奥様に届けてください」
「あら、あんたいつの間に。いつから準備してたのよ」
「ほほっ、執事ですからね」
タクシーさんは、キッサさんに何かが入ったお皿を渡しました。それをキッサさんが飛ばすと、母のおかゆの中に入れます。全部入ったのを確認すると、今度は母の器を浮かせて中身が混ざるようにぐるぐると動かすキッサさん。最後に母の前に器を置いて出来上がりです。
「あら、おいしそうね」
「メンテ様が食べ終わるまで別の皿に用意していたのですよ。奥様もメンテ様と一緒な料理では食べ辛いでしょう。保温魔法を使っていたので食べごろの状態ですぞ」
母の味のなかったおかゆが味付けされ、おいしそうなおかゆ料理へと変貌しました。母は僕と同じうっすい味のおかゆを食べていたからね。
見た感じ米と具材を別々に分けていたようです。僕がもう食べないからと母のおかゆを魔法で大人の味に変えちゃった。魔法で味変するなんて思わなかったよ。
「うぐ?! えっぐうううううううう!(ずるい、それ頂戴!)」
バシバシと机を叩いてアピールしますが、僕にはまだ早いそうです。絶対そっちの方がおいしいと思うけどね。
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