もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~

いずみず

文字の大きさ
98 / 262

98話 「魔力の覚醒 その1」

しおりを挟む
 僕は兄貴から借りた本を大事に読んでいます。

 そのせいで大人達からは、あの本が気に入ったのねと言われていますが。でも僕は文字が読めちゃう赤ちゃんですから内容を理解しています。このことは秘密なので、普段はこの本の感触が大好きなのと振舞っています。本にはこう書かれていました。

 ○魔力
 世界中どこにでもある魔法の源となるもの。
 人間は体内で生成が可能である。
 個人差はあるものの、1歳以降に魔力を扱う器官が発達する。

 ○魔力感知
 魔力を認識する力。

 ○魔力操作
 魔力を動かす。または別の力に変換する力。

 ○魔法
 魔力を別の力に変換することで生じる現象。
 スキルによって得意、不得意がある。

 ○スキル
 才能や技能。
 身体や心、得意な魔法に影響するなど多岐にわたる。
 後天的に覚えることもある。

 ○ユニークスキル
 特定の人だけが使えるスキル。
 詳細は不明。


 いろいろ専門的な単語が出てるけど、めっちゃゲームみたいな感じです。僕にとってこの本はいい感じの説明書なのですよ!

 最初から兄貴の勉強を見学していればよかったよ。兄貴は外で魔法の練習しかしてないイメージでした。アーネだけでなく兄貴も勉強熱心だったなんてねえ。



 専門用語が難しいとか覚えられない方には、こちらをおすすめしますよ!


 ○魔力
 なんかすごい力の源。

 ○魔力感知
 感じとる能力。

 ○魔力操作
 コントロール。

 ○魔法
 魔力を使った不思議な現象。

 ○スキル
 ノーマルな能力。

 ○ユニークスキル
 レアな能力。


 僕の考えはこんな感じなのです。いちいち難しく考える必要はないのですよ。



 この本から僕が知りたかった事も分かりました!

 僕は魔力を扱う器官が未発達みたいです。魔力を感じ取ったり、体内で作ることが出来てないから魔法を使えないってことですよ!

 この魔力を扱う器官を”魔力器官”と呼びますね。この魔力器官ですが、どこにあるのかというと不明です。身体に宿るやらただの感覚であるとか書かれていたね。つまり詳しい場所は分かってないけどあるらしいです。どうやって見つけたんでしょうかね?

 別に体内で魔力を作らなくても、そこらへんにある魔力使えばいいんじゃない? と思ったけど、魔力操作出来ない僕には無理なのです。それ以前に認識する力(魔力感知)すら発達していません。前世に魔力なんてなかったから扱い方も知らないしなあ。ましてやそういうスキルも僕になかったのですよ。




 ……あれれ? この世界の僕って、本当にただの赤ちゃんじゃない???




 うん、気のせいだね!

 まあいつかは魔法を使うことが出来るようになるでしょう。魔力が目覚める理由は、人それぞれで違うらしいのです。それまではゆっくり待ちますよ。


 それにしてもこの本はとても参考になったなあ。よし、この本を褒めちゃおう!


「ちゅぱぱ~(えらいぞ~)」
「あら、メンテちゃんが舐めてるのはアニーキ―の本よね。いいの?」
「なんかあの本を気に入っちゃってね。もう全部読んだからいいよ……」


 兄貴はこの本は読み終えたそうです。欲しいから貰っちゃいますよ。可愛い弟へのプレゼントってことで許してね!

 ちなみに僕とアーネが、勝手に兄貴の部屋に侵入したことが大人達にバレたけど問題なかったです。勝手にどこでも行っちゃうから、あまり目を外さないようにと監視が厳しくなりましたが。


「メンテよかったねー」
「えっぐ。ちゅぱ~」


 ご機嫌なメンテであった。


 ◆


 その日の夜。
 僕と母はお風呂が終わって両親の寝室にいます。そろそろ寝る時間です。


「メンテちゃん、その本邪魔なんだけど……」
「ちゅぱ~」


 今は恒例になったおっぱいタイム中ですが、この本を手離すと手の届かないところへ片づけられそうなのでずっと持っています。


「その手を離してくれないとママ痛いの。本がお腹に当たってるのよ」
「ちゅぱ~」


 これは大事な本です。僕が知りたかったことがいっぱい書かれています。だから持ちながらでもおっぱいは止めませんよ?


「……メンテちゃん」
「ちゅぱちゅぱ~」
「ママあっち行っちゃうわね。今日はおっぱいなしよ」
「ちゅぱぱ~」


 そんなことするはずないと話は聞いてませんでした。そんな脅しは僕に通じません。おっぱいの前では全てがおっぱいなのです。


「もう、メンテちゃん! 今日からおっぱいは卒業よ!! わかった?」
「えぐぅ?!」


 ななななんと、母は実力行使をしてきたのです!!

 僕におっぱいを吸わせないように押しのけ、立ち上がってしまいました。


「うっぐぅううううう!」
「泣いたってダメだからね!」
「うえええええーーーーーーーーーーーーーーーーん!」
「もうママ知らないわよ!」


 母は部屋の外に行ってしまいました。


「うぐぅ……(おっぱい……)」


 外では父と母の声が聞こえますが、僕はショックでそれどころではありません。


「おや? ママ、メンテはどうした?」
「メンテちゃんが言うことを聞かないの。だからおっぱいを卒業することにしたのよ」
「はっはっは、それはいい機会かもしれないな」
「甘えさせるとわがままな子に育っちゃうわ。それにおっぱいを止める気なさそうだし、今回は丁度良いと思うのよ」
「はっはっは。パパがちょっと様子を見てこようかな」


 父が寝室に入ってきます。


「おーい、メンテ大丈夫か?」
「えっぐ、えぐ、えぐううう、えぐうう。えっぐううえぐうっぐううぐえうぐえうげうげうぐえ、えっぐううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「……」


 ……バタン。


「ママ、メンテが信じられないような声で泣き叫んでいたんだが……」
「……大丈夫よ」
「全然大丈夫そうに見えなかったぞ?!」


 急な卒業宣言により、僕は叫び狂っていました。



「えぐううううううううう……んぐぅ!?」



 そして……。



「あぐ?(何だこれ?)」





 この日、メンテはしょうもない理由で魔力が覚醒した。

しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...