もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~

いずみず

文字の大きさ
142 / 262

142話 「私のご主人様のご主人様 その2」

しおりを挟む
「ううう……」
「ごめんなメンテ。パパ急な仕事が入って今日は遊べなくなったんだ」
「うわああああああああああん!」


 ダンディが明日はメンテといっぱい遊ぶぞ! と宣言していたのだ。期待していたメンテは泣いてしまったという。なんやかんやでメンテはまだまだ可愛い赤ちゃんなのである。


「ほらほら、泣かないでくれ。パパに何か出来ることはあるかい?」
「うわあああああん……、おっぱい」
「そうか! おっぱいだな。ママおっぱいだ!」
「え? 嫌よ。泣かせたのはパパじゃない。だからパパがしっかりと面倒を見るのよ」
「……うわあああああああああん!」
「よしよしよしよし、泣かないでくれ。パパ頑張るから。な?」
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!」
「ママ助けてくれー!」


 父親って大変だ。頑張れダンディ!


 ◆


「というわけで昨日ぶりだね。こんばんは!」
「待って、今の回想おかしくない?! 昨日の話と全然違うんだけど……。もっとこうね、すご~い出会いがあったとかやらないの?」←アイ
「アイ。そこはあまり気にしちゃダメ。メンテはまだ赤ちゃんなの。話がころころ変わるのは普通よ」←シロ先生
「赤ちゃんだから?」「……そうなの?」
「そうよ。いつものことよ」←シロ先生
「「「そうにゃそうにゃ」」」


 シロ先生のアドバイスに納得するアイとラブである。お気づきの方が多いと思うが、ここはアイとラブの家である。今日も家から抜け出してきたメンテおよび猫達であった。


「じゃあ質問。なんで昨日はすぐ帰ったの?」←ラブ
「それ私も気になったわ」←アイ
「えっとね。僕は普段この時間って寝ているんだよ。猫の姿のときは夜中でも眠気を感じないんだけど、人間の姿に戻るとすぐ眠くなっちゃうんだ。僕まだ赤ちゃんだからね。だから昨日は帰ってすぐ寝たんだよ」
「ようするに昨日はカッコつけたから眠くなったの」←シロ先生
「てへっ」←可愛く笑うメンテ


 そうなのです。人間のときは、規則正しい生活を送る普通の赤ちゃんなのです。ですが、猫のときは夜中でも元気いっぱい。そういう設定だったのを忘れていました。おかげで昨日はこの家で寝ちゃいそうになりましたね。僕は眠くなるとおっぱい吸いたいなあと思ってしまうのです。だからお互い名前を覚えたところで帰ることにしたんですね。それが昨日の真相です。


「でね、昨日は聞けなかったことも多いと思うんだよ」
「まあ……」「昨日は挨拶だけだったよね」
「だからここからは、Q and Aのコーナーだよ! 僕にじゃんじゃん質問してね!」



 ここからはアイとラブの質問タイムです。たまにシロ先生の解説があります。



①ここに来た目的は?
「暇だから散歩してたらアイとラブを見かけたんだよ。挨拶しようかなって」
「それだけ?」
「うん」



②あなたは人間? それとも猫?
「僕は人間だよ。猫に変身出来る力があるんだ」
「それだけ?」
「んー。あと猫の言葉が理解出来るよ。人間でも猫の姿でもね」
「へえ、だから会話出来るんだね」「やっぱり普通の人間って猫の言葉理解していないの?」
「今のところ僕しか見たことないよ。多分この町で猫と話せるのは僕しかいないんじゃないかなあ」
「そうなんだあ」「へえ~」



③魔王って本当?
「違うよ。勝手に名乗ってるだけ」
「それだけ?」
「うん」
「魔王は魔王でもおっぱいの魔王なの。メンテは機嫌が悪くなるとおっぱいおっぱい連呼してうるさいのよ」←シロ先生
「「「そうにゃそうにゃ!」」」←他の猫達
「そうなんだあ」「へえ~」
「みんなシーっ。イメージ崩れちゃうから」


 昨日メンテが帰るときに、おっぱいおっぱいと連呼していたことを思い出したアイとラブ。魔王についてはそっとしておこうと思ったという。



④メンテと猫達との関係は?
「みんな僕の友達だよ。今日も暇だったから遊ぼうって誘ったの」
「それだけ?」
「うん」
「「「そうにゃ」」」
「そうなんだあ」「へえ~」



⑤どうやって家の中に入ったの?
「それはこうやって……」


 壁を軽くタッチするメンテ。するとブォーッ! という音と共に謎の空間が現れた。


「「んにゃああああああああああ?!」」



⑥いいい、今の何?!
「これは魔法だよ。猫だけが使える出入り口、つまり玄関を作っただけさ!」
「いや、意味が分からないんだけど……」「魔法?」
「あー、あなた達? 魔法は知ってるわよね? 人間や魔物が使う不思議な力だけど」←シロ先生
「ご主人様のなら見たことあるよ」「でも私達は使えないよ」
「二人ともその認識であってるわ。で、メンテも人間だから使えるのよ。しかも猫の姿でもね」
「そうなんだあ」「へえ」
「シロ先生解説ありがとう。まあ僕が使えるのはこの猫魔法だけなんだけどね」



⑦猫魔法って?
「魔法の一種だよ。僕は猫魔法というスキルを持っているからね。猫だけが使える魔法を使えるんだよ!」
「具体的にはその魔法で何が出来るの?」
「猫らしいことなら何でも出来るよ。爪やしっぽが伸びたりね」
「そうなんだあ」「へえ」
「あとは気配を探ったり消したりするのも得意だよ。毛の色も自由に変えられるし、壁があれば出入り口も作れるし、結界も張れるし、穴も掘れるし、爆発もビームも癒しだろうと何でも出来るよ!」
「「「「「「えっ?!!!」」」」」」←この場にいた猫全員
「ん? 何か変な事言った?」
「えっ、あ……何でもないのよ(私の知らない魔法が増えてる……)」←シロ先生


 猫? 猫って何ぞや? とみんな思ったが、そこは誰も突っ込まなかったという。その理由は、メンテの目がキラキラしているからだ。その純粋な眼差しに、現実を教えるのがためらわれたからである。まあ赤ちゃんだし発想力が豊かなんだろうとスルーした猫達であった。そのせいで猫魔法のヤバさが加速する。




「……だいたいの事情は分かったわ。メンテは魔法を使って外で遊ぼうとしていた。たまたま私達に会って声を掛けた。そういうことね?」←アイ
「にゃははは、縄張りから出ていけと脅されるかと思ったにゃ」←ラブ
「あはは、そんなことしないよ。僕はただ遊びたかっただけだよ。2匹とも外に出たいとか言ってたからさ」
「え?!」「聞こえてたの?!」
「まあね。僕って普通の人間より目も耳もいいからさ」


 2匹とも驚いていますが、猫だと普通のことだと思いますよ。たとえ窓や壁があろうと聞こえるものは聞こえるのです。だって僕は五感が優れているのでね。



「というわけでさ、今日は外で遊ぼうよ!」


しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...