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第14話 王都に戻る
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オロスからヒルデ、そして王都セレンに戻る道筋、俺は微かに同じ魔力を感じていた。おそらくは俺をつけていた者がいたのだろう。
だが、その魔力は俺の知らないものだった。
何者かはわからないが、俺をどうかしようという気は今のところは無いようだ。
ただ、放っておく気もないらしい。
セレンに戻った翌日、俺は大使館に向かい、帰った日に夜中までかかって作成した侯爵あての報告書を大使に渡した。
内容に俺の推測は書かなかった。
外部に漏れる可能性を考えたということもあるが、侯爵は俺を何らかの手駒にしようとしている可能性も考えたからである。
当たり前に動くのであれば、すべて報告するが、俺はそこまでお人よしではない。
裏がありそうな話の裏を見たくなるのは性分だ。
そうなると、俺の今の状況は四面楚歌だった。
帝国も王国もあるいは組織《オルガノ》にしても俺にとっては、どれも似たようなモノだからだ。
大使館を出て俺は「イエナジュエリー」に向かった。
マヨラムを置いているあの店だ。
用心というわけではないが、俺が工房に行ったのを特に隠しているわけはないということを示す必要がある。
店に入ると、俺はマヨラムのプレートが飾られたコーナーに向かった。そこには俺にスカーフ留めを勧めたソニアがいた。
ソニアは俺を見つけると笑顔で迎えた。
「いらっしゃいませ。お久しぶりですね」
俺は胸元のスカーフを指した。
「早速使わせてもらっている。あと、君が教えてくれたマヨラムの工房も訪ねてみたよ」
そういうとソニアは驚いたように俺を見た。
「まあ、オロスまでいかれましたの」
「ああ、実は商談で行った。帝国でも扱えないかと思って。実は私はそういった仕事もしているんだ。宝飾品は初めてなので話だけではなく、作っている所を詳しく知りたかったんだ。売り込む時に知らないと信用されないからね」
そうでしたか、とソニアは一瞬複雑な表情を浮かべたがすぐに微笑を浮かべて、帝国の女性にも人気になると思いますよ、と言った。
「君は帝国に行ったことがあるの」
「いえ、知人が帝都行ったときに土産話にお話を伺ったことがあります。大変華やかなところだと」
「私に言わせれば帝都は澄ましたところさ。王都の方がざっくばらんでいい。まあ、人によって好みはあるだろうが」
これは正直な俺の感想だった。
「そうですか、お客様はしばらくこちらにおられるのですか」
「仕事なんでいつまでとは決められてはいないのだが、すぐには済みそうにないので、まだ帝都には帰れそうにない感じだね」
そう答えると客が来たので俺はじゃあ、またと言って店を後にした。
俺は時折見せたソニアのそぶりが気になった。それに常連でもない客の滞在をわざわざ訊ねたのには何かわけがあるのか。
大したことではないと思えばそうだが、彼女が何か気になっているのは確かな気がした。
些細なことでも通常しないことをするには、どんなことにも理由がある。
この仕事をしていると、そういうことが気になるのだ。
俺は色々とあったことを整理してこれからのことを記録するために、その日はまっすぐ宿に戻った。
だが、その魔力は俺の知らないものだった。
何者かはわからないが、俺をどうかしようという気は今のところは無いようだ。
ただ、放っておく気もないらしい。
セレンに戻った翌日、俺は大使館に向かい、帰った日に夜中までかかって作成した侯爵あての報告書を大使に渡した。
内容に俺の推測は書かなかった。
外部に漏れる可能性を考えたということもあるが、侯爵は俺を何らかの手駒にしようとしている可能性も考えたからである。
当たり前に動くのであれば、すべて報告するが、俺はそこまでお人よしではない。
裏がありそうな話の裏を見たくなるのは性分だ。
そうなると、俺の今の状況は四面楚歌だった。
帝国も王国もあるいは組織《オルガノ》にしても俺にとっては、どれも似たようなモノだからだ。
大使館を出て俺は「イエナジュエリー」に向かった。
マヨラムを置いているあの店だ。
用心というわけではないが、俺が工房に行ったのを特に隠しているわけはないということを示す必要がある。
店に入ると、俺はマヨラムのプレートが飾られたコーナーに向かった。そこには俺にスカーフ留めを勧めたソニアがいた。
ソニアは俺を見つけると笑顔で迎えた。
「いらっしゃいませ。お久しぶりですね」
俺は胸元のスカーフを指した。
「早速使わせてもらっている。あと、君が教えてくれたマヨラムの工房も訪ねてみたよ」
そういうとソニアは驚いたように俺を見た。
「まあ、オロスまでいかれましたの」
「ああ、実は商談で行った。帝国でも扱えないかと思って。実は私はそういった仕事もしているんだ。宝飾品は初めてなので話だけではなく、作っている所を詳しく知りたかったんだ。売り込む時に知らないと信用されないからね」
そうでしたか、とソニアは一瞬複雑な表情を浮かべたがすぐに微笑を浮かべて、帝国の女性にも人気になると思いますよ、と言った。
「君は帝国に行ったことがあるの」
「いえ、知人が帝都行ったときに土産話にお話を伺ったことがあります。大変華やかなところだと」
「私に言わせれば帝都は澄ましたところさ。王都の方がざっくばらんでいい。まあ、人によって好みはあるだろうが」
これは正直な俺の感想だった。
「そうですか、お客様はしばらくこちらにおられるのですか」
「仕事なんでいつまでとは決められてはいないのだが、すぐには済みそうにないので、まだ帝都には帰れそうにない感じだね」
そう答えると客が来たので俺はじゃあ、またと言って店を後にした。
俺は時折見せたソニアのそぶりが気になった。それに常連でもない客の滞在をわざわざ訊ねたのには何かわけがあるのか。
大したことではないと思えばそうだが、彼女が何か気になっているのは確かな気がした。
些細なことでも通常しないことをするには、どんなことにも理由がある。
この仕事をしていると、そういうことが気になるのだ。
俺は色々とあったことを整理してこれからのことを記録するために、その日はまっすぐ宿に戻った。
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