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第31話 悪党と無法者
レッドにケーベル商会を奪って新しい拠点にしたと連絡すると、何にも言っていなかったので、慌ててやってきた。
「またグリーンに愚痴られそうだ」
「奴には殺すなと言われただけだ。それにここは留守番がいただけで、家探ししたが何も出てこなかった所をみると、ただの連絡場所だろう。商売をしている風に見せていただけだ」
そうかとレッドは拍子抜けしたように気の抜けた返事をしたが、思い出したように俺に話し始めた。
「あの逃げた装飾店の店員の女たちだが、あいつらは下級貴族の娘だった。主従関係かもしれない。この国じゃ下級貴族は上級貴族の分家か家臣だからな。後は単純に雇われていたか」
「なるほどな」
「あの娘たちの家の主人に当たる貴族が、この件に関係しているかはまだわからない。それはロアンとグリーンの話を聞いてからだな」
俺は頷いてレッドに言った。
「俺はここに移るから、娼館はお前の専用の住処にしていいぞ。それからグリーンはここに連れて来る。あそこじゃ少々手狭だし、ここの方が王宮に近いからな」
「しかし、ただで家が手に入るとは便利でいいな」
「ここを突き止めるのにどれだけ金がかかったか。ただでも高いくらいだ」
俺がそういうと、レッドは軽くスルーして言った。
「悪党から無法者がぶんどるって。それって良いことなのか」
「訳の分からないことを言いに来たんなら、帰ってさっさと寝ろ」
レッドは大笑いすると、また来るよ、なかなか良いところだからなと言い残して娼館に帰って行った。
あいつ、いったい何しに来たんだ。
俺は国王に連絡を取った。
〈元気にやっているかい〉
〈はい、私の方はおかげさまで。ですが、マサト様の身辺がだいぶ危険な状態になるのではないかと〉
〈それは結構、その方が仕事がしやすいからな。ところでお前に仕事だ、というか儲け話かな〉
〈それはありがたいですな。いつも財務大臣がひいひい言って愚痴をこぼしに来ていますから〉
〈お前たちが貴族から舐められているからそういうことになるんだ。そんな連中に天誅といこう〉
〈おもしろそうですな。ぜひ協力させていただきます〉
〈細工はグリーンにやらせているから話は奴から聞け〉
〈承知しました。ところでお仕事の方が一段落されましたら、一度王宮の方に来て頂けないでしょうか〉
〈うむ、俺も話したいことがある。今やっていることが済み次第、顔を出そう〉
〈ありがとうございます。では、お待ちしています〉
国王と話し終えた所にちょうど、リーフに頼んでいた当番がやって来たので、飯の調達を頼んで長椅子に横になった。
しばらくして買って来た飯を食べていると、当番が部屋の外から声をかけてきた。
「スバル男爵様がお見えです」
「通してくれ」
「承知しました」
しばらくすると、ドアが開いてロアンが入って来た。
相変わらずいかした格好で俺に一礼すると部屋をぐるりと眺めた。
「また、良いところを手に入れましたね」
「俺も気に入っているんで、ここを新しい根城にすることにした」
座ってくれと言うと、失礼しますとロアンはステッキを傍らに置き、ソファに腰を下ろした。
「ところでマサト様、根城といわれましたが、さっきの若い人以外はここには誰もいないようですが」
「ああ、あとグリーンをこっちに呼ぶが、それで三人だな」
「それじゃ不用心でしょう。マサト様はともかく、グリーンは貴族から結構睨まれてますからね。例の奴隷の一件で」
「またグリーンに愚痴られそうだ」
「奴には殺すなと言われただけだ。それにここは留守番がいただけで、家探ししたが何も出てこなかった所をみると、ただの連絡場所だろう。商売をしている風に見せていただけだ」
そうかとレッドは拍子抜けしたように気の抜けた返事をしたが、思い出したように俺に話し始めた。
「あの逃げた装飾店の店員の女たちだが、あいつらは下級貴族の娘だった。主従関係かもしれない。この国じゃ下級貴族は上級貴族の分家か家臣だからな。後は単純に雇われていたか」
「なるほどな」
「あの娘たちの家の主人に当たる貴族が、この件に関係しているかはまだわからない。それはロアンとグリーンの話を聞いてからだな」
俺は頷いてレッドに言った。
「俺はここに移るから、娼館はお前の専用の住処にしていいぞ。それからグリーンはここに連れて来る。あそこじゃ少々手狭だし、ここの方が王宮に近いからな」
「しかし、ただで家が手に入るとは便利でいいな」
「ここを突き止めるのにどれだけ金がかかったか。ただでも高いくらいだ」
俺がそういうと、レッドは軽くスルーして言った。
「悪党から無法者がぶんどるって。それって良いことなのか」
「訳の分からないことを言いに来たんなら、帰ってさっさと寝ろ」
レッドは大笑いすると、また来るよ、なかなか良いところだからなと言い残して娼館に帰って行った。
あいつ、いったい何しに来たんだ。
俺は国王に連絡を取った。
〈元気にやっているかい〉
〈はい、私の方はおかげさまで。ですが、マサト様の身辺がだいぶ危険な状態になるのではないかと〉
〈それは結構、その方が仕事がしやすいからな。ところでお前に仕事だ、というか儲け話かな〉
〈それはありがたいですな。いつも財務大臣がひいひい言って愚痴をこぼしに来ていますから〉
〈お前たちが貴族から舐められているからそういうことになるんだ。そんな連中に天誅といこう〉
〈おもしろそうですな。ぜひ協力させていただきます〉
〈細工はグリーンにやらせているから話は奴から聞け〉
〈承知しました。ところでお仕事の方が一段落されましたら、一度王宮の方に来て頂けないでしょうか〉
〈うむ、俺も話したいことがある。今やっていることが済み次第、顔を出そう〉
〈ありがとうございます。では、お待ちしています〉
国王と話し終えた所にちょうど、リーフに頼んでいた当番がやって来たので、飯の調達を頼んで長椅子に横になった。
しばらくして買って来た飯を食べていると、当番が部屋の外から声をかけてきた。
「スバル男爵様がお見えです」
「通してくれ」
「承知しました」
しばらくすると、ドアが開いてロアンが入って来た。
相変わらずいかした格好で俺に一礼すると部屋をぐるりと眺めた。
「また、良いところを手に入れましたね」
「俺も気に入っているんで、ここを新しい根城にすることにした」
座ってくれと言うと、失礼しますとロアンはステッキを傍らに置き、ソファに腰を下ろした。
「ところでマサト様、根城といわれましたが、さっきの若い人以外はここには誰もいないようですが」
「ああ、あとグリーンをこっちに呼ぶが、それで三人だな」
「それじゃ不用心でしょう。マサト様はともかく、グリーンは貴族から結構睨まれてますからね。例の奴隷の一件で」
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