オーバーキラー~悪い奴らは皆殺し!外法で召喚された俺は異世界で悪党どもを蹂躙する。王国編

一ノ瀬 薫

文字の大きさ
33 / 125

第33話 謎の貴族令嬢

 俺は令嬢と聞いて、驚くのと同時にどこかで納得していた。
 その令嬢がドリーだと考えると俺の中で筋が通ったからだ。
 社交界に出入りしていればいくらでも貴族の令嬢と知り合うことができるし、その上、その令嬢自身が質の良い流行に敏感な衣装を身に着けているとなれば、そうしたことを話題に装飾品の店を紹介するのも簡単だろう。
 貴族の令嬢が恐喝を生業にしているとは、この世界の常識では到底考えられないから疑われることも無い。

「私はその令嬢がドリーと関わっていると踏んでいます」
 案の定、ロアンはその令嬢とは別に黒幕がいると考えていた。
 その可能性が無いとも言えないが、今回の実行犯はその貴族令嬢だ。
 だが、敵を欺くにはまず味方からというので、俺は黙って聞き流した。
 それにロアンは演技はうまいが嘘つきというわけではない、むしろ嘘がつけないタイプの人間だからだ。

「わかった。お前にはその令嬢を監視してもらう。接触してもらってもいいが、あくまで監視だ、これは絶対に守れ。気取られて逃げられたら元も子もないし、相手は悪党だ。お前もそうだがお前の身内に何かあると困る」
「はい、承知しました。あくまで一貴族として接するまでにとどめます」
 ロアンは真剣な面持ちでそう言い、立ちあがった。
「じゃあ頼む。お袋さんによろしく言っておいてくれ。そのうちお礼をしないとな」
 俺がそう言うと、ロアンは監視の件は承知しました、母へのお言葉も必ず伝えますと一礼して部屋を出て行った。

 ロアンが帰ってしばらくすると、部屋をノックする音がしたので、入れと言った。
 ドアを開けて入ってきたのは不機嫌な顔をしたグリーンだった。
「どうしてここに来たんですか、私が慎重に事を進めているのはわかっているでしょうに」
 ふんと俺は鼻で笑った。
「お前の仕事部屋を手に入れてやったのにその言い草はないだろう。それにここを奪ったところで大した影響はない。それに今さっきロアンから良い話を聞いた。おかげでドリーがこの国から出ないのはわかったし、あとは尻尾を掴むだけだ」
 俺はグリーンに、ロアンから聞いた情報と俺の考えを話した。

「それでも確たる証拠を掴まないことには、ただの暴挙になってしまいますよ」
「上等だ。貴族の間じゃ、俺は蛇蝎のごとく嫌われている。俺がお前たちにドリーを探らせているのは、奴をいい気分でのさばらせないためだ。考えてもみろ、俺が方々ぶち壊してから、奴はすっかりなりを潜めている。妙な動きをすれば危ないとわかっているんだ」
「確かにあれだけ拠点をやられれば、新たに仕事はしにくいはずですが」
「ドリーが正体を隠しているのは自分の身が危ないからだけじゃない。それよりもっとヤバい理由がある」

 グリーンはそれを聞くと頷いた。
「自分ばかりではなく、家も終わるからですね」
「家もそうだが、本人はもちろん家族の命も危うくなるだろう」
「それで、どうするんです」
「その貴族に取引を持ち掛けるつもりだ。ただ、その前にやってもらうことがある」
 俺はグリーンに言った。
「レッドが捕まえた二枚目がいるだろう。あいつをもう一度締めあげて被害者を聞き出せ。で、被害者の貴族たちにそれを認めさせろ。ネタは上がっていると言えば、簡単だろう。で、連中が金を払っている所を聞き出して、今度はそこを襲う」
 あなたは本当に酷いことを考える方だ、グリーンはそう嬉しそうに言ったが、お前ほどじゃない。
感想 0

あなたにおすすめの小説

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

即席異世界転移して薬草師になった

黒密
ファンタジー
ある日、学校から帰ってきて机を見たら即席異世界転移と書かれたカップ麺みたいな容器が置いてある事に気がついた普通の高校生、華崎 秦(かざき しん) 秦は興味本位でその容器にお湯と中に入っていた粉を入れて三分待ち、封を開けたら異世界に転移した。 そして気がつくと異世界の大半を管理している存在、ユーリ・ストラスに秦は元の世界に帰れない事を知った。 色々考えた結果、秦は異世界で生きることを決めてユーリから六枚のカードからスキルを選んだ。 秦はその選んだスキル、薬草師で異世界を生きる事になる。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。