アナザー/ライフ 〜やっと就職できたと思ったら、ノルマあり、契約期限ありの社畜に成り果てた〜

弓月下弦

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第3話 血の屋敷

開かずの扉

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「なんとかここから脱出する方法は無いのかな?」

固く閉ざされた扉を前に俺は思考を張り巡らせる。大体、吸血鬼が沢山いるこの閉鎖的空間にいたら殺されるか食われるか時間の問題だ。

「鯨井さん。残念ながらこの扉が開かない限り私たちが外に出られる可能性は無さそうです。実はこの屋敷には外へ通じる出口が1つしかないのです。」

家主のメイザちゃんは申し訳なさそうに言った。
そりゃ、扉があちこちにあったら泥棒とか入るやすくなって危険だから、少ない方が良いと思うけど、1つしかないって、、、不便すぎないか?

「窓とかは??」

「実は窓も1つも無いのです。先代が外部からの侵入者を防ぐためにセキュリティ強化しているので」

そこまでセキュリティ強化しても、吸血鬼には侵入されてしまったのか。

「要はここから出るためには吸血鬼を倒してこの扉に掛かっている呪縛を解くしか無いということだね」

「ルーカスさん、この扉は吸血鬼を倒せば開くのですか?」

「勿論、吸血鬼の輩はこの手の技を得意としてるからね。私の予測だと屋敷内にいる吸血鬼の長を倒せば扉は開くはずだ」

吸血鬼の長、、、そんな者を果たして俺たちは倒せるのだろうか。
ルーカスの能力はかなり優れているが、俺の力はまだ不安定で役に立てるか分からない。

「そんな不安そうな顔するなよ。君は魔法で炎を扱えるんだ。吸血鬼は炎を苦手としてるから倒すことはできなくとも、足止めはバッチリできるはずだ。その隙にわたしが攻撃を仕掛ければ完璧さ」

「そうですね、、俺なんとかがんばります」

そうだ。ここで自信を無くしたら勝ち目が無くなる。俺にはメイザちゃんを守る使命があるのだ。

「まずは屋敷の奥に進んでいこう、ここにいても無駄に時間が過ぎるだけだからね」

ルーカスはそう言って、奥の廊下に向かって進んでいった。メイザちゃんと俺もすぐに後を追った。窓1つない屋敷の中は不気味なほど静かで薄暗く、俺たちの足音が妙に響いていた。

廊下はさらに薄暗く、ヒンヤリとしている。

「この屋敷は吸血鬼にはとって格好の隠れ家だな」

「はい、おそらくずっと前から狙われていたそうです。父と母も警戒は前からしていたのですが。
やはり運命には逆らえないのですね」

「確かメイザちゃんの両親は隣町に出張の予定だったんだよね?だったら、出張先に今もいる可能性があるよね?誰もいない間に吸血鬼に乗っ取られたってことも考えられるよね?」

よく考えたらメイザちゃんの両親が吸血鬼にされた証拠はない。外出中に占領された可能性だって十分考えられるのだ。

「それは有り得ないです。吸血鬼が建物内に入るためには住人の許可が無ければいけないのです。
おそらく、父と母のどちらかが人間になりすました吸血鬼を誤って屋敷内に招いてしまったのでしょう」

「そんな、、、」

「それに、父と母の運命も吸血鬼にされるというふうに定められていましたから」

「運命、、、馬鹿馬鹿しいね。この世界は本当につまらない。そんなものに支配される人生なんて私には考えられない。2人とも、吸血鬼どもを倒してさっさとここから脱出するぞ」

ルーカスはジャケットこら1つの剃刀を取り出すとロングソードへと変化させた。

すると、俺たちの足音以外の音が上から聞こえた。天井付近に人影がある。

「来るぞ、伏せてろ!」

ルーカスは叫ぶと、俺たちの前に立ち、剣を構えた。
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