10 / 23
エオズ学園 1年R組 入学式編
入学へのみちしるべ
しおりを挟む
原は201教室から見て右側へ歩みを進める。
B階段がある方向は左側だが、どうやら今回はR組のすぐそばにあるA階段を使うらしい。
俺たちはそれぞれ会ったことない者同士、アイコンタクトをとりながら教卓から見て右から左へと列を作っていく。
「和田。教室出るときに鍵を閉めといておいてくれ。入口の壁に赤色のカードキーが掛かっているだろう。前後どっちもドアを完全に閉めた後、真ん中にそのカードキーをかざせ。そしたら鍵閉まるから。頼んだぞ」
一番出席番号が後ろだからなのか、もう名前は憶えられていた。階段に差し掛かっている頃だというのに、一言一句、綺麗に聞こえるのはその滑舌の良さと耳が痛くなるほどの大きい声が原因だ。
俺は赤いカードキーを取り出す。そこには『201』とでかでかと書かれており、カードキーの裏側には、誰かが引っ掻いたであろう爪跡が残されていた。
教室は空になった。教室から前のドアを鍵をかけずに閉める。そして後ろのドアを内側に予備としてついてある内鍵で鍵をかけた。
前のドア、202教室側のドアの前に立つ。言われた通り、カードキーを真ん中あたりにかざした。すると小円型の魔法陣が展開された。しかし酸素を失った炎如く、その真っ赤な赤い魔法陣はすぐに消え、それと同時に『カチッ』と心地よい音がなる。確認の為、ドアを引こうとするもドアはビクともしない。
確認後、急いで階段を駆け下りた。A階段は外・魔術訓練室である二号館、そして入学式の会場となる総合体育館、通称三号館に直通している。下りた後、行き先についての看板が見えた。分岐廊下となっており、どうやら三号館は左でも右でもなくまっすぐのようだ。この時点でR組の最後尾が見えており、俺はそれに一瞬にして追いついた。
いつのまにか、三号館が目の前にあるという状況に陥る。一号館廊下と三号館入口の間に外の空間を挟んでおり、そこでは本校の職員らしき人と在校生が受付をしていた。保護者や来賓がぞろぞろと三号館へ入っていく姿も遠目ながら見えた。ちなみに俺たちはこの廊下で待機らしく、皆壁に寄りかかって座っていた。
――後ろから足音が聞こえた。俺たちが座ってから五分も経っていない頃だろう。
H組の生徒、そして後ろにはS組の生徒もついてきていた。R組の特徴的な生徒に負けず劣らず、腐ってもエオズ学園合格者。どんな力を秘めているのか、見ものだ。
そして何よりも特徴的な人物は先生だ。共に女の先生でなおかつ若そうな外見だ。
H組の担任はやや濃い茶色の長い髪をしており、赤い淵の眼鏡をかけている。そして身体の主張が激しい。出ているところはしっかり出ており、締まっているところはしっかりと締まっている。まさに理想いや、理想すぎる体型だ。きっと生徒からモテることは間違いなしだろう。
S組の担任はそれこそ十歳の小学生と紛れてても、あまり違和感がない、いわばロリロリしい身体の持ち主だ。金髪の長髪にエメラルドのような瞳、化粧もあまり厚くないその小さい顔はまるでお人形のようだ。しかし、そこには何か大きな力を秘めてそうで。その何も見通せない水晶玉のような部分に俺は一瞬にして惹かれた。
先生三人とも俺たちとは真反対の壁に寄りかかり、俺たち生徒を見わたして待っていた。
S組の最後尾が座ってから約十分が経過。
若い職員が原へ何かを告げる。頷いた後、俺たちへ頭の方向を向ける。
「新一年生、今から入場だ。H組から順に奥から座っていけ。席は中にいる先生が誘導してくれる。素直に従うこと。いいな」
皆一斉に立つ。
原は先頭に立ち、他二人の先生は前のクラスの出席番号後ろの生徒と自クラスの出席番号前の生徒の間に挟まる。俺の後ろには例の美人眼鏡教師が腕組をして仁王立ちで立っていた。その堂々とした姿は日本一の学校の担任として誇りを持っているようで。
端整な列が形成され、それは日本一の学園に入学するという、どこも曲がっていない、曲げられそうになってもピクともしないであろう熱い想いを表しているようだった。
「――――エオズ学園第三十期生。入場します」
B階段がある方向は左側だが、どうやら今回はR組のすぐそばにあるA階段を使うらしい。
俺たちはそれぞれ会ったことない者同士、アイコンタクトをとりながら教卓から見て右から左へと列を作っていく。
「和田。教室出るときに鍵を閉めといておいてくれ。入口の壁に赤色のカードキーが掛かっているだろう。前後どっちもドアを完全に閉めた後、真ん中にそのカードキーをかざせ。そしたら鍵閉まるから。頼んだぞ」
一番出席番号が後ろだからなのか、もう名前は憶えられていた。階段に差し掛かっている頃だというのに、一言一句、綺麗に聞こえるのはその滑舌の良さと耳が痛くなるほどの大きい声が原因だ。
俺は赤いカードキーを取り出す。そこには『201』とでかでかと書かれており、カードキーの裏側には、誰かが引っ掻いたであろう爪跡が残されていた。
教室は空になった。教室から前のドアを鍵をかけずに閉める。そして後ろのドアを内側に予備としてついてある内鍵で鍵をかけた。
前のドア、202教室側のドアの前に立つ。言われた通り、カードキーを真ん中あたりにかざした。すると小円型の魔法陣が展開された。しかし酸素を失った炎如く、その真っ赤な赤い魔法陣はすぐに消え、それと同時に『カチッ』と心地よい音がなる。確認の為、ドアを引こうとするもドアはビクともしない。
確認後、急いで階段を駆け下りた。A階段は外・魔術訓練室である二号館、そして入学式の会場となる総合体育館、通称三号館に直通している。下りた後、行き先についての看板が見えた。分岐廊下となっており、どうやら三号館は左でも右でもなくまっすぐのようだ。この時点でR組の最後尾が見えており、俺はそれに一瞬にして追いついた。
いつのまにか、三号館が目の前にあるという状況に陥る。一号館廊下と三号館入口の間に外の空間を挟んでおり、そこでは本校の職員らしき人と在校生が受付をしていた。保護者や来賓がぞろぞろと三号館へ入っていく姿も遠目ながら見えた。ちなみに俺たちはこの廊下で待機らしく、皆壁に寄りかかって座っていた。
――後ろから足音が聞こえた。俺たちが座ってから五分も経っていない頃だろう。
H組の生徒、そして後ろにはS組の生徒もついてきていた。R組の特徴的な生徒に負けず劣らず、腐ってもエオズ学園合格者。どんな力を秘めているのか、見ものだ。
そして何よりも特徴的な人物は先生だ。共に女の先生でなおかつ若そうな外見だ。
H組の担任はやや濃い茶色の長い髪をしており、赤い淵の眼鏡をかけている。そして身体の主張が激しい。出ているところはしっかり出ており、締まっているところはしっかりと締まっている。まさに理想いや、理想すぎる体型だ。きっと生徒からモテることは間違いなしだろう。
S組の担任はそれこそ十歳の小学生と紛れてても、あまり違和感がない、いわばロリロリしい身体の持ち主だ。金髪の長髪にエメラルドのような瞳、化粧もあまり厚くないその小さい顔はまるでお人形のようだ。しかし、そこには何か大きな力を秘めてそうで。その何も見通せない水晶玉のような部分に俺は一瞬にして惹かれた。
先生三人とも俺たちとは真反対の壁に寄りかかり、俺たち生徒を見わたして待っていた。
S組の最後尾が座ってから約十分が経過。
若い職員が原へ何かを告げる。頷いた後、俺たちへ頭の方向を向ける。
「新一年生、今から入場だ。H組から順に奥から座っていけ。席は中にいる先生が誘導してくれる。素直に従うこと。いいな」
皆一斉に立つ。
原は先頭に立ち、他二人の先生は前のクラスの出席番号後ろの生徒と自クラスの出席番号前の生徒の間に挟まる。俺の後ろには例の美人眼鏡教師が腕組をして仁王立ちで立っていた。その堂々とした姿は日本一の学校の担任として誇りを持っているようで。
端整な列が形成され、それは日本一の学園に入学するという、どこも曲がっていない、曲げられそうになってもピクともしないであろう熱い想いを表しているようだった。
「――――エオズ学園第三十期生。入場します」
0
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる