ニッポンイチの魔術高校に入学してリア充ライフを送ろうとしたのにも関わらず、何故か戦記に載ってしまった神話

目途恋利

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エオズ学園 1年R組 入学式編

入学へのみちしるべ

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原は201教室から見て右側へ歩みを進める。
B階段がある方向は左側だが、どうやら今回はR組のすぐそばにあるA階段を使うらしい。

 俺たちはそれぞれ会ったことない者同士、アイコンタクトをとりながら教卓から見て右から左へと列を作っていく。

「和田。教室出るときに鍵を閉めといておいてくれ。入口の壁に赤色のカードキーが掛かっているだろう。前後どっちもドアを完全に閉めた後、真ん中にそのカードキーをかざせ。そしたら鍵閉まるから。頼んだぞ」

 一番出席番号が後ろだからなのか、もう名前は憶えられていた。階段に差し掛かっている頃だというのに、一言一句、綺麗に聞こえるのはその滑舌の良さと耳が痛くなるほどの大きい声が原因だ。

 俺は赤いカードキーを取り出す。そこには『201』とでかでかと書かれており、カードキーの裏側には、誰かが引っ掻いたであろう爪跡が残されていた。

 教室は空になった。教室から前のドアを鍵をかけずに閉める。そして後ろのドアを内側に予備としてついてある内鍵で鍵をかけた。

 前のドア、202教室側のドアの前に立つ。言われた通り、カードキーを真ん中あたりにかざした。すると小円型の魔法陣が展開された。しかし酸素を失った炎如く、その真っ赤な赤い魔法陣はすぐに消え、それと同時に『カチッ』と心地よい音がなる。確認の為、ドアを引こうとするもドアはビクともしない。

 確認後、急いで階段を駆け下りた。A階段は外・魔術訓練室である二号館、そして入学式の会場となる総合体育館、通称三号館に直通している。下りた後、行き先についての看板が見えた。分岐廊下となっており、どうやら三号館は左でも右でもなくまっすぐのようだ。この時点でR組の最後尾が見えており、俺はそれに一瞬にして追いついた。

 いつのまにか、三号館が目の前にあるという状況に陥る。一号館廊下と三号館入口の間に外の空間を挟んでおり、そこでは本校の職員らしき人と在校生が受付をしていた。保護者や来賓がぞろぞろと三号館へ入っていく姿も遠目ながら見えた。ちなみに俺たちはこの廊下で待機らしく、皆壁に寄りかかって座っていた。

 ――後ろから足音が聞こえた。俺たちが座ってから五分も経っていない頃だろう。

 H組の生徒、そして後ろにはS組の生徒もついてきていた。R組の特徴的な生徒に負けず劣らず、腐ってもエオズ学園合格者。どんな力を秘めているのか、見ものだ。

 そして何よりも特徴的な人物は先生だ。共に女の先生でなおかつ若そうな外見だ。

 H組の担任はやや濃い茶色の長い髪をしており、赤い淵の眼鏡をかけている。そして身体の主張が激しい。出ているところはしっかり出ており、締まっているところはしっかりと締まっている。まさに理想いや、理想すぎる体型だ。きっと生徒からモテることは間違いなしだろう。

 S組の担任はそれこそ十歳の小学生と紛れてても、あまり違和感がない、いわばロリロリしい身体の持ち主だ。金髪の長髪にエメラルドのような瞳、化粧もあまり厚くないその小さい顔はまるでお人形のようだ。しかし、そこには何か大きな力を秘めてそうで。その何も見通せない水晶玉のような部分に俺は一瞬にして惹かれた。

 先生三人とも俺たちとは真反対の壁に寄りかかり、俺たち生徒を見わたして待っていた。



 S組の最後尾が座ってから約十分が経過。

 若い職員が原へ何かを告げる。頷いた後、俺たちへ頭の方向を向ける。

「新一年生、今から入場だ。H組から順に奥から座っていけ。席は中にいる先生が誘導してくれる。素直に従うこと。いいな」



 皆一斉に立つ。

 原は先頭に立ち、他二人の先生は前のクラスの出席番号後ろの生徒と自クラスの出席番号前の生徒の間に挟まる。俺の後ろには例の美人眼鏡教師が腕組をして仁王立ちで立っていた。その堂々とした姿は日本一の学校の担任として誇りを持っているようで。

 端整な列が形成され、それは日本一の学園に入学するという、どこも曲がっていない、曲げられそうになってもピクともしないであろう熱い想いを表しているようだった。



「――――エオズ学園第三十期生。入場します」
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