13 / 13
拾参 儚き別れ
しおりを挟む
朔夜様、やはりこの思いは間違っていたようです。
きっと使用人としての生活が続いたことや、父母のことを心配する日々や、
姉を失くしたことなどの重圧が私自身を追い詰め、あなたへの恋心がさらに苦しみを加速することへつながっていったのです。
朔夜様、私を苦しめるのはなぜなのでしょうか?
正直に告白します。何にも臆することなく心の言葉そのままに・・・。
朔夜様、愛しています。あなた様のもっている美しい容姿や、金子や、教養などではなくあなたの魂そのままを。
下働きをしながらめったにお会いできないあなたを遠くから盗み見れた日は、ひっそりと幸せを感じました。愛するあなた様が幸せそうに花華様と過ごしている時でさえ。
前世でのつながりに導かれて、このような現証となり今があるのでしょう。
しかし、私は疲労が重なり、少し疲れてしまったようです。
心がすべてを忘れてしまえと言い、それにこたえる自分が存在するのです。
そんな頃、実家から使いの者がやってきて父と母がなくなったと伝えに来ました。
流行っていた流行の病でまず父が、そして看病していた母と少数の使用人が同時期になくなったというのです。
実家の米問屋は朔夜様の尽力もあり、大きなものとなっていたようでした。
私は何も知らされぬまま手をうってくださっていたようです。
しかし、亡くなってしまっては意味がありません。
朔夜様の指示を受け、跡継ぎのいない米問屋は朔夜様のお商売の一部へ変わり吸収され、朔夜様の信頼する者へ任されたようでした。
父と母の最期を看取ることもできず、私はまた罪を重ねていくのです。
実家に帰ることも亡骸を見ることも朔夜様はお許しにはなりませんでした。
朔夜様が呼ばれた日から、私は離れに住むようになっていました。
使用人としてではなく、正式に妻としての教育をされることとなったのです。
朔夜様は以前よりもお出かけになる回数も減り、一緒に離れでいる時間を増やしてくださっているようでした。
数か月たち、以前のようにとはいかないまでもわたくしの身なりはきちんとしていきました。
使用人として働いていたため、裏方の仕事のことも使用人との信頼関係もあり、私は苦労を重ねた分だけ妻としての役割も果たせるようでした。
朔夜様はわたくしを今までのことがなかったように大切にしてくださいました。
朔夜様に初めて抱かれたとき、朔夜様のお優しい手つきや耳元でささやかれる愛の言葉をしんじられぬ思いで受け止めました。
そんな中、やっと全てのことから解放されたわたくしは旅に出ることにいたしました。
朔夜様にはお話しせず、一人でゆくことにしました。
何故ならお腹の中には赤子が宿っているからです。
愛する朔夜様への復讐の旅。
そして、私自身へ罰を与えるために・・・。
さようなら、朔夜様。
きっと使用人としての生活が続いたことや、父母のことを心配する日々や、
姉を失くしたことなどの重圧が私自身を追い詰め、あなたへの恋心がさらに苦しみを加速することへつながっていったのです。
朔夜様、私を苦しめるのはなぜなのでしょうか?
正直に告白します。何にも臆することなく心の言葉そのままに・・・。
朔夜様、愛しています。あなた様のもっている美しい容姿や、金子や、教養などではなくあなたの魂そのままを。
下働きをしながらめったにお会いできないあなたを遠くから盗み見れた日は、ひっそりと幸せを感じました。愛するあなた様が幸せそうに花華様と過ごしている時でさえ。
前世でのつながりに導かれて、このような現証となり今があるのでしょう。
しかし、私は疲労が重なり、少し疲れてしまったようです。
心がすべてを忘れてしまえと言い、それにこたえる自分が存在するのです。
そんな頃、実家から使いの者がやってきて父と母がなくなったと伝えに来ました。
流行っていた流行の病でまず父が、そして看病していた母と少数の使用人が同時期になくなったというのです。
実家の米問屋は朔夜様の尽力もあり、大きなものとなっていたようでした。
私は何も知らされぬまま手をうってくださっていたようです。
しかし、亡くなってしまっては意味がありません。
朔夜様の指示を受け、跡継ぎのいない米問屋は朔夜様のお商売の一部へ変わり吸収され、朔夜様の信頼する者へ任されたようでした。
父と母の最期を看取ることもできず、私はまた罪を重ねていくのです。
実家に帰ることも亡骸を見ることも朔夜様はお許しにはなりませんでした。
朔夜様が呼ばれた日から、私は離れに住むようになっていました。
使用人としてではなく、正式に妻としての教育をされることとなったのです。
朔夜様は以前よりもお出かけになる回数も減り、一緒に離れでいる時間を増やしてくださっているようでした。
数か月たち、以前のようにとはいかないまでもわたくしの身なりはきちんとしていきました。
使用人として働いていたため、裏方の仕事のことも使用人との信頼関係もあり、私は苦労を重ねた分だけ妻としての役割も果たせるようでした。
朔夜様はわたくしを今までのことがなかったように大切にしてくださいました。
朔夜様に初めて抱かれたとき、朔夜様のお優しい手つきや耳元でささやかれる愛の言葉をしんじられぬ思いで受け止めました。
そんな中、やっと全てのことから解放されたわたくしは旅に出ることにいたしました。
朔夜様にはお話しせず、一人でゆくことにしました。
何故ならお腹の中には赤子が宿っているからです。
愛する朔夜様への復讐の旅。
そして、私自身へ罰を与えるために・・・。
さようなら、朔夜様。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる