思いはせる

kappa4

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拾参  儚き別れ

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朔夜様、やはりこの思いは間違っていたようです。

きっと使用人としての生活が続いたことや、父母のことを心配する日々や、
姉を失くしたことなどの重圧が私自身を追い詰め、あなたへの恋心がさらに苦しみを加速することへつながっていったのです。

朔夜様、私を苦しめるのはなぜなのでしょうか?

正直に告白します。何にも臆することなく心の言葉そのままに・・・。

朔夜様、愛しています。あなた様のもっている美しい容姿や、金子や、教養などではなくあなたの魂そのままを。

下働きをしながらめったにお会いできないあなたを遠くから盗み見れた日は、ひっそりと幸せを感じました。愛するあなた様が幸せそうに花華様と過ごしている時でさえ。

前世でのつながりに導かれて、このような現証となり今があるのでしょう。

しかし、私は疲労が重なり、少し疲れてしまったようです。
心がすべてを忘れてしまえと言い、それにこたえる自分が存在するのです。


そんな頃、実家から使いの者がやってきて父と母がなくなったと伝えに来ました。
流行っていた流行の病でまず父が、そして看病していた母と少数の使用人が同時期になくなったというのです。

実家の米問屋は朔夜様の尽力もあり、大きなものとなっていたようでした。
私は何も知らされぬまま手をうってくださっていたようです。
しかし、亡くなってしまっては意味がありません。


朔夜様の指示を受け、跡継ぎのいない米問屋は朔夜様のお商売の一部へ変わり吸収され、朔夜様の信頼する者へ任されたようでした。

父と母の最期を看取ることもできず、私はまた罪を重ねていくのです。

実家に帰ることも亡骸を見ることも朔夜様はお許しにはなりませんでした。



朔夜様が呼ばれた日から、私は離れに住むようになっていました。
使用人としてではなく、正式に妻としての教育をされることとなったのです。

朔夜様は以前よりもお出かけになる回数も減り、一緒に離れでいる時間を増やしてくださっているようでした。

数か月たち、以前のようにとはいかないまでもわたくしの身なりはきちんとしていきました。
使用人として働いていたため、裏方の仕事のことも使用人との信頼関係もあり、私は苦労を重ねた分だけ妻としての役割も果たせるようでした。

朔夜様はわたくしを今までのことがなかったように大切にしてくださいました。

朔夜様に初めて抱かれたとき、朔夜様のお優しい手つきや耳元でささやかれる愛の言葉をしんじられぬ思いで受け止めました。

そんな中、やっと全てのことから解放されたわたくしは旅に出ることにいたしました。
朔夜様にはお話しせず、一人でゆくことにしました。

何故ならお腹の中には赤子が宿っているからです。
愛する朔夜様への復讐の旅。
そして、私自身へ罰を与えるために・・・。

さようなら、朔夜様。
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