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第1章 私のトモダチ
1話① 鈴香愛
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貴方に残された寿命の3分の1をもらうかわりに貴方が本当に望む願いを叶えてあげる。
こんな条件でも私を頼る人って意外といるものよ。
ホラ、あそこにもー。
「鈴香愛。高校2年生。9歳の頃に両親と死別。……ねぇ」
華希姫音夢(はなきりずむ)は、部屋の窓から外を眺めて呟いた。すると部屋のドアが開き、飛翔月希(ひしょうるい)がお茶を運んできた。
「姫音夢様。何かありました?」
「私の初めての仕事よ。きっと。」
「承知致しました。どなたです?」
「鈴香愛。何かしらありそうでしょう。」
「そのようですね。今から行かれますか」
「さぁ。私の気分で」
月希は恭しくお辞儀をした。
ー星陵高校ー
「愛!!」
と名前を呼ばれて、私、(鈴香愛)は振り向いた。友達の咲原鈴花(さきはらりんか)と麻美舞(あさみまい)、高城結奈(たきゆいな)が駆け寄ってきた。
「慌ててるね。どうしたの?」
「愛が先に帰ろうとしてたから焦ったの。」
鈴花は荒い息でにっこり笑った。
「1人で帰る訳ないでしょう?ジュース買いに行ってたの。何も言わずに行ってごめんね」
私は呆れ顔で言った。
私は大抵この3人と一緒に行動している。
見ての通り私をかなり慕ってくれている。
「愛が先に帰る訳ないじゃんって言ったのに鈴花が慌てるから…」
舞はため息まじりに呟いた。そうは言ったものの、本気で嫌だと思っているわけではなく、むしろ楽しそうだ。
家に着くと1日の疲れがどっと押し寄せた。
「ただいまー」
と言うも、シーンとした誰もいない家で返事などあるはずもない。
部屋のドアを開けると、着替えもせずにベッドに倒れ込んだ。
「…………」
私は両親が死んでから施設で暮らしていたのだが、高校生になってからは一人暮らしを始めた。人数がいっぱいで追い出されたってのもあるけれど、何より私が1人になりたかったから。
可哀想とか、辛いよね。とか、何かしら同情される。何てくだらない。結局人は自分が体験しない限り口先だけで物を言う。
友達って結局そうでしょう?
この面倒な社会で、人付き合いが分からない人は簡単に外されてしまう。
まぁ、結局私もその面倒くさい人間関係の中で生きている1人に過ぎない。
私が信じてるのは自分だけ。
私に寄ってくる人達も好きにすればいい。
所詮友達っていうのはその程度なんだから。
4人の下校の様子を一部始終をじっと見つめていた月希は首をかしげた。
「特に変わった様子はないようですが?」
姫音夢は意地悪な笑みを浮かべた。
「きっとこれからよ。すぐに彼女は私を頼る。人はすぐ言うでしょう?………誰か助けて。どうして私ばっかり……って。その言葉が発せられた時に初めて私は彼女の前に現れる。」
そう言って楽しげに笑う姫音夢の瞳はぞっとするほど冷たかったー。
こんな条件でも私を頼る人って意外といるものよ。
ホラ、あそこにもー。
「鈴香愛。高校2年生。9歳の頃に両親と死別。……ねぇ」
華希姫音夢(はなきりずむ)は、部屋の窓から外を眺めて呟いた。すると部屋のドアが開き、飛翔月希(ひしょうるい)がお茶を運んできた。
「姫音夢様。何かありました?」
「私の初めての仕事よ。きっと。」
「承知致しました。どなたです?」
「鈴香愛。何かしらありそうでしょう。」
「そのようですね。今から行かれますか」
「さぁ。私の気分で」
月希は恭しくお辞儀をした。
ー星陵高校ー
「愛!!」
と名前を呼ばれて、私、(鈴香愛)は振り向いた。友達の咲原鈴花(さきはらりんか)と麻美舞(あさみまい)、高城結奈(たきゆいな)が駆け寄ってきた。
「慌ててるね。どうしたの?」
「愛が先に帰ろうとしてたから焦ったの。」
鈴花は荒い息でにっこり笑った。
「1人で帰る訳ないでしょう?ジュース買いに行ってたの。何も言わずに行ってごめんね」
私は呆れ顔で言った。
私は大抵この3人と一緒に行動している。
見ての通り私をかなり慕ってくれている。
「愛が先に帰る訳ないじゃんって言ったのに鈴花が慌てるから…」
舞はため息まじりに呟いた。そうは言ったものの、本気で嫌だと思っているわけではなく、むしろ楽しそうだ。
家に着くと1日の疲れがどっと押し寄せた。
「ただいまー」
と言うも、シーンとした誰もいない家で返事などあるはずもない。
部屋のドアを開けると、着替えもせずにベッドに倒れ込んだ。
「…………」
私は両親が死んでから施設で暮らしていたのだが、高校生になってからは一人暮らしを始めた。人数がいっぱいで追い出されたってのもあるけれど、何より私が1人になりたかったから。
可哀想とか、辛いよね。とか、何かしら同情される。何てくだらない。結局人は自分が体験しない限り口先だけで物を言う。
友達って結局そうでしょう?
この面倒な社会で、人付き合いが分からない人は簡単に外されてしまう。
まぁ、結局私もその面倒くさい人間関係の中で生きている1人に過ぎない。
私が信じてるのは自分だけ。
私に寄ってくる人達も好きにすればいい。
所詮友達っていうのはその程度なんだから。
4人の下校の様子を一部始終をじっと見つめていた月希は首をかしげた。
「特に変わった様子はないようですが?」
姫音夢は意地悪な笑みを浮かべた。
「きっとこれからよ。すぐに彼女は私を頼る。人はすぐ言うでしょう?………誰か助けて。どうして私ばっかり……って。その言葉が発せられた時に初めて私は彼女の前に現れる。」
そう言って楽しげに笑う姫音夢の瞳はぞっとするほど冷たかったー。
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