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第3章 迷宮道中膝栗毛!!
第173話 侍魂 ~サムライスピリッツ~
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翌日、侍といっしょにタニシのひいじちゃんの墓参りにやってきた。場所を聞いたら、すごく目立つ立派な墓なので、そこらにいる人に聞けば辿り着く、ということだったので二人だけできた。タニシがいるとシリアスな雰囲気ぶち壊しだから、という理由もある。
「メダカよ、拙者は帰ってきた。百年も待たせて、申し訳ない。」
100年……長すぎる時間だ。途方もない年月だ。侍もメダカさんもお互いに二度と会えないまま、片方だけが死んでしまった。やりきれない話だ。
「百年経ち、ようやく迷宮から出ることが出来た。百年で失った物は多い。だが、代わりに得た物もある。」
代わりに得た物……。それは尋常ではない鍛錬で得た雷と地の魔法のことを指しているのか?それとも剣術か?それは俺にはわからない。
「それを糧に今後は生きていこうと思う。ひとまずは百年の間に変わった世界を見てくることにする。世界が変わったのであれば、拙者も変わらねばならぬ。変わらぬ者が愚かな結末を迎えるということは、迷宮を通して学んだことだ。」
ダイヤの王、アイツはずっと何年も変わらずにいたために時代の変化に対応できなかった。千年とか万年もたてば、対抗策も生まれてくる。それを想像できなかったヤツの負けなのだ。
「では、メダカよ。拙者は行って参る。お主はそこで見守っていてくれ。」
侍はどこへ旅立つんだろうか?もしかしたら、俺たちといっしょに旅に行くこともできるんじゃないのか?
「すまぬな。付き合って貰って。」
「いいや、いいさ。気にしないでくれ。それより、アンタ、旅に出るんなら、俺たちといっしょに来ないか?」
思い切って誘ってみた!さあ、どう出る?
「そうか、お主らと共にか……。だが、この場は断らせて貰おう。」
がーん!断られた!まあ、しゃあないか。この男の性格を考えたら、当然か。
「お主との決着がまだ付いていない。それまでは保留とさせてもらおう。それが互いのためだ。お主は剣を手に入れなくてはならぬし、拙者は百年後のこの世界を知らねばならぬ。」
決着か。そういえばうやむやになっていた。俺が負けたという見方もできるが、どうやら侍はそう思っていないみたいだ。それに俺は剣豪勇者について知りたい。知らないまま戦うのは侍に悪い気がするからだ。
「迷宮での勝負は様々な思惑があり、真っ当な勝負とは言えなかった。再度、改めて勝負をしたい。心ゆくまでな!」
勝負か。俺は一体何人から挑戦状を受けることになるのだろう。これじゃ予約の取れない人気のお店みたいだな。勇者はつらいよ。
「では、拙者はこれで失礼する。他の者には挨拶できなかったが、また会おう、と伝えておいてくれ。さらばだ。」
侍はその場から去って行った。俺は侍が見えなくなるまで、その背中をずっと見ていた。
「メダカよ、拙者は帰ってきた。百年も待たせて、申し訳ない。」
100年……長すぎる時間だ。途方もない年月だ。侍もメダカさんもお互いに二度と会えないまま、片方だけが死んでしまった。やりきれない話だ。
「百年経ち、ようやく迷宮から出ることが出来た。百年で失った物は多い。だが、代わりに得た物もある。」
代わりに得た物……。それは尋常ではない鍛錬で得た雷と地の魔法のことを指しているのか?それとも剣術か?それは俺にはわからない。
「それを糧に今後は生きていこうと思う。ひとまずは百年の間に変わった世界を見てくることにする。世界が変わったのであれば、拙者も変わらねばならぬ。変わらぬ者が愚かな結末を迎えるということは、迷宮を通して学んだことだ。」
ダイヤの王、アイツはずっと何年も変わらずにいたために時代の変化に対応できなかった。千年とか万年もたてば、対抗策も生まれてくる。それを想像できなかったヤツの負けなのだ。
「では、メダカよ。拙者は行って参る。お主はそこで見守っていてくれ。」
侍はどこへ旅立つんだろうか?もしかしたら、俺たちといっしょに旅に行くこともできるんじゃないのか?
「すまぬな。付き合って貰って。」
「いいや、いいさ。気にしないでくれ。それより、アンタ、旅に出るんなら、俺たちといっしょに来ないか?」
思い切って誘ってみた!さあ、どう出る?
「そうか、お主らと共にか……。だが、この場は断らせて貰おう。」
がーん!断られた!まあ、しゃあないか。この男の性格を考えたら、当然か。
「お主との決着がまだ付いていない。それまでは保留とさせてもらおう。それが互いのためだ。お主は剣を手に入れなくてはならぬし、拙者は百年後のこの世界を知らねばならぬ。」
決着か。そういえばうやむやになっていた。俺が負けたという見方もできるが、どうやら侍はそう思っていないみたいだ。それに俺は剣豪勇者について知りたい。知らないまま戦うのは侍に悪い気がするからだ。
「迷宮での勝負は様々な思惑があり、真っ当な勝負とは言えなかった。再度、改めて勝負をしたい。心ゆくまでな!」
勝負か。俺は一体何人から挑戦状を受けることになるのだろう。これじゃ予約の取れない人気のお店みたいだな。勇者はつらいよ。
「では、拙者はこれで失礼する。他の者には挨拶できなかったが、また会おう、と伝えておいてくれ。さらばだ。」
侍はその場から去って行った。俺は侍が見えなくなるまで、その背中をずっと見ていた。
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