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第5章 完成!究極の超次元殺法!!
第305話 化かしあいに決着を
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「痛ってて、何しやがんだ、あのヤロー!」
いきなり風魔法を足元にぶち込まれた上に、剣から手を離せとか言われた直後、物凄い勢いの跳び蹴りを喰らわされた。ワケがわからない。さっきまでいた場所は土煙で覆われ、何がどうなったのかわからない。わからないことづくめだ。
「グ、グロロッ……!?」
「ぐむううっ!?」
うめき声が聞こえ、土埃が次第に晴れてくると、全貌が明らかになった。真ん中にファルがいる。そして両手にそれぞれ剣を持ち、左右に向かって剣を突き出している。ブドーの胴体、侍の肩口をそれぞれ刺し貫いていた。
「オイ、さっさと舟に退却しろ!俺がこのままコイツらを足止めできりゃ、俺達の判定勝ちだ!」
「おおっと、そうか!時間制限!」
二人同時で十秒以上島に留まれば、失格扱いになる。ちょっと不本意だが、侍側のミスだ。自業自得で負けてもらおう。
「ぐぬぅ!ふ、不覚であった!」
肩に刺さった剣を抜き去り、侍は慌てて舟に戻った。惜しくもカウント以内に戻ることに成功したようだ。惜しい!
「くっ!何故わかった?我が策を見切るとは!」
「怪しいと思ったんだよ。俺の推測だが最初の入れ替わりトリックもこの技の布石だったんじゃないか?崩れた鎧にカムフラージュして槍を誘導するためのブツを地面の中に潜り込ませてたんだろう?」
「むう、そこまでわかったというのか!」
槍、そして俺の剣、側には鎖が巻かれたブドーの腕が転がっていた。最初に切り落としたヤツか?そういえばいつの間にか姿を消していた。コレを地面に潜り込ませて、槍を操ったりしていたのか。
「まったく、毎回面白い仕掛けを考えやがる。アンタ、まともに戦っても相当強えのに、こった搦め手まで使うときた。相手をする側にとっちゃ、やっかいな事この上ない。」
「お褒めに与り、光栄に思う。」
「褒めたつもりはない。皮肉ってんだよ、俺は。」
うん。ファルは素直に人を褒めるはずがない。だいたい人をバカにするような言動しかない。それを悟ってか、侍は微妙に悪っぽい感じのする笑みを浮かべているし、あえてそういう言い方をしたんだろう。潔さも持ち合わせながら、卑怯臭い戦い方も出来る。正に戦上手というか、戦闘のプロという感じだ。やっぱ、ダンジョンに100年もこもってりゃこういう風になるんだろうか。
「グゥロロッ!」
ブドーもようやくファルの剣から逃れ、間合いを取った。剣で貫かれたとはいえ、多少穴が空いたくらいでは何の問題もない、といったところか。まだまだ戦えるだろう。
「ここで宣言してやろう。お前は後二手で倒す。お遊びはそろそろこの辺で終わりにしようぜ。」
「なんと、勝算があると申すのか!」
「おおーっと、ファル選手、突然の宣言です!本当にブドー選手を倒せるんでしょうか?」
オイオイオイ、何言ってんだよ!無理だろ!ダメージらしいダメージはさっきの穴しかないぞ。ちょっと穴が空いたくらいじゃないか。人形である以上はバラバラにでもしない限りは倒せそうにない。それに風魔法程度じゃ、壊せない。突風を吹かせたくらいじゃ大岩なんて砕けない。
「グロォォォッ!」
ブドーは槍を構え、猛然と襲いかかる。対してファルはあの技の構えに入っていた。シャイニング・イレイザーを出すつもりだ。剣から眩しいくらいに光のオーラが放たれ始めている。
「シャイニング・イレイザー!」
光の斬撃が放たれ、突進してくる相手と激突した。光のせいでハッキリ見えないが、槍の穂先が砕けているらしいことはわかった。槍が壊れるのも構わず、ファルの元へ突っ込み、グワッと両手で肩をつかみかかった。これではファルが不利だ。腕力では絶対勝てそうにない。
「グロロ……。」
「降参するのであれば、今のうちだ。でなければ、我が分身はお主の肩を粉砕する。」
「勝ったつもりかよ?順番を間違えんなよ。先に勝利宣言をしたのはこっちなんだぜ。」
肩を掴まれたままで、ブドーの胴体にスッと片手をかざした。しかも、さっきの穴の部分に当てがっている。
「ヴォルテクス・ブロウ!」
(ゴウゥゥン!!!)
空洞の中で突風が吹き荒れるような音がした。その直後、肩を砕こうと力んでいた腕が動きを止めた。止まってしばらくしてから、ビシビシと何かが弾けるような音がし始めた。音に連動してブドーの体のあちこちにヒビが入り始めた。
「隙間風ってのは案外侮れないヤツでな。風よけに物陰に隠れたらかえって風当たりが強くなって逆効果だった、なんて話を聞いたことがないか?」
「まさか、敢えて狭い空間に風を吹き込み圧力を増幅させたというのか!?」
(バガァァァァン!!!!!)
侍が気付いて声を上げたときにはもう手遅れだった。ブドーは粉々になってはじけ飛んだ。
「言ったろ?後二手で倒すってな。俺の腹づもりが見抜けなかったアンタの負けだ。」
ファルは自分に降りかかってくる、相手の破片を払いながら、得意げに勝利宣言をした。
いきなり風魔法を足元にぶち込まれた上に、剣から手を離せとか言われた直後、物凄い勢いの跳び蹴りを喰らわされた。ワケがわからない。さっきまでいた場所は土煙で覆われ、何がどうなったのかわからない。わからないことづくめだ。
「グ、グロロッ……!?」
「ぐむううっ!?」
うめき声が聞こえ、土埃が次第に晴れてくると、全貌が明らかになった。真ん中にファルがいる。そして両手にそれぞれ剣を持ち、左右に向かって剣を突き出している。ブドーの胴体、侍の肩口をそれぞれ刺し貫いていた。
「オイ、さっさと舟に退却しろ!俺がこのままコイツらを足止めできりゃ、俺達の判定勝ちだ!」
「おおっと、そうか!時間制限!」
二人同時で十秒以上島に留まれば、失格扱いになる。ちょっと不本意だが、侍側のミスだ。自業自得で負けてもらおう。
「ぐぬぅ!ふ、不覚であった!」
肩に刺さった剣を抜き去り、侍は慌てて舟に戻った。惜しくもカウント以内に戻ることに成功したようだ。惜しい!
「くっ!何故わかった?我が策を見切るとは!」
「怪しいと思ったんだよ。俺の推測だが最初の入れ替わりトリックもこの技の布石だったんじゃないか?崩れた鎧にカムフラージュして槍を誘導するためのブツを地面の中に潜り込ませてたんだろう?」
「むう、そこまでわかったというのか!」
槍、そして俺の剣、側には鎖が巻かれたブドーの腕が転がっていた。最初に切り落としたヤツか?そういえばいつの間にか姿を消していた。コレを地面に潜り込ませて、槍を操ったりしていたのか。
「まったく、毎回面白い仕掛けを考えやがる。アンタ、まともに戦っても相当強えのに、こった搦め手まで使うときた。相手をする側にとっちゃ、やっかいな事この上ない。」
「お褒めに与り、光栄に思う。」
「褒めたつもりはない。皮肉ってんだよ、俺は。」
うん。ファルは素直に人を褒めるはずがない。だいたい人をバカにするような言動しかない。それを悟ってか、侍は微妙に悪っぽい感じのする笑みを浮かべているし、あえてそういう言い方をしたんだろう。潔さも持ち合わせながら、卑怯臭い戦い方も出来る。正に戦上手というか、戦闘のプロという感じだ。やっぱ、ダンジョンに100年もこもってりゃこういう風になるんだろうか。
「グゥロロッ!」
ブドーもようやくファルの剣から逃れ、間合いを取った。剣で貫かれたとはいえ、多少穴が空いたくらいでは何の問題もない、といったところか。まだまだ戦えるだろう。
「ここで宣言してやろう。お前は後二手で倒す。お遊びはそろそろこの辺で終わりにしようぜ。」
「なんと、勝算があると申すのか!」
「おおーっと、ファル選手、突然の宣言です!本当にブドー選手を倒せるんでしょうか?」
オイオイオイ、何言ってんだよ!無理だろ!ダメージらしいダメージはさっきの穴しかないぞ。ちょっと穴が空いたくらいじゃないか。人形である以上はバラバラにでもしない限りは倒せそうにない。それに風魔法程度じゃ、壊せない。突風を吹かせたくらいじゃ大岩なんて砕けない。
「グロォォォッ!」
ブドーは槍を構え、猛然と襲いかかる。対してファルはあの技の構えに入っていた。シャイニング・イレイザーを出すつもりだ。剣から眩しいくらいに光のオーラが放たれ始めている。
「シャイニング・イレイザー!」
光の斬撃が放たれ、突進してくる相手と激突した。光のせいでハッキリ見えないが、槍の穂先が砕けているらしいことはわかった。槍が壊れるのも構わず、ファルの元へ突っ込み、グワッと両手で肩をつかみかかった。これではファルが不利だ。腕力では絶対勝てそうにない。
「グロロ……。」
「降参するのであれば、今のうちだ。でなければ、我が分身はお主の肩を粉砕する。」
「勝ったつもりかよ?順番を間違えんなよ。先に勝利宣言をしたのはこっちなんだぜ。」
肩を掴まれたままで、ブドーの胴体にスッと片手をかざした。しかも、さっきの穴の部分に当てがっている。
「ヴォルテクス・ブロウ!」
(ゴウゥゥン!!!)
空洞の中で突風が吹き荒れるような音がした。その直後、肩を砕こうと力んでいた腕が動きを止めた。止まってしばらくしてから、ビシビシと何かが弾けるような音がし始めた。音に連動してブドーの体のあちこちにヒビが入り始めた。
「隙間風ってのは案外侮れないヤツでな。風よけに物陰に隠れたらかえって風当たりが強くなって逆効果だった、なんて話を聞いたことがないか?」
「まさか、敢えて狭い空間に風を吹き込み圧力を増幅させたというのか!?」
(バガァァァァン!!!!!)
侍が気付いて声を上げたときにはもう手遅れだった。ブドーは粉々になってはじけ飛んだ。
「言ったろ?後二手で倒すってな。俺の腹づもりが見抜けなかったアンタの負けだ。」
ファルは自分に降りかかってくる、相手の破片を払いながら、得意げに勝利宣言をした。
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